チリリ
店のスイングベルが鳴り
商人風の男が入ってきた。
針金を巻いていた手を休めカウンターへと歩く。
「ここは買い取りもしてくれるんだろう?」
値踏みするように棚を見回しながらこちらへやって来る。
「良いものは高く。それなりならそれなりに。」
男はニヤッと笑みを浮かべると
懐から革の袋を取り出し私の前に置いた。
「アンタの評判は聞いている。随分な目利きだってね。
これはまだどこにも持ち込んじゃいない。正真正銘の初物さ。」
どうせ禄な評判じゃないだろう。
曖昧に頷き革袋からころりと出てきた物を見て息を呑んだ。
「これは髪留め?」
それはまるで宇宙のように深く深く
漆黒の闇の中にはターコイズ色の星々が煌き
小さな膨らみは銀河をそのまま閉じ込めてしまったかのようだ。
指でそっとつまみ、光に翳してみるとキラキラと私に微笑みかけているように見えた。
「そいつぁ迷いの森から命懸けで持ち帰ったお宝だ。
命懸けで持ち帰ったもんだからな。
そうそう安くは手放せねえ。
そうだな、少なくとも銀貨10枚、、、いや!20枚なら売ってやっても良い。
ダメなら他所へ持っていくが、、、
この価値をわからないアンタじゃあるまい?。」
値段交渉を始めようと顔を覗き込む男に私はキッパリと言った。
「金貨で2枚だ。」
言い値を聞いた男は驚く。
このくらいの髪留めなら相場は良いとこ銀貨5枚だろう。
私の気が変わらぬうちにと
さっさと代金を受け取り毎度あり!と言い残し店を出て行った。
静かになった店で買い取ったばかりの髪留めを丁寧に磨く。
あの男はこの髪留めの価値をまるで分かっていない。
金貨2枚なんて安いもんだ。
これは妖精蝶の羽根の鱗粉で出来た物だ。
妖精蝶の鱗粉は幸運のお守りとして重宝される。
手放すのは惜しい気もするがそっと棚に飾る。
個性ある道具達は持つべき者を自ら選ぶという。
私はそっと近寄り囁く
「売れ残っても良いんだよ。」
髪留めは光に照らされ、またキラキラと笑ってみせたようだった。
チリリ
店のスイングベルが鳴り
商人風の男が入ってきた。
針金を巻いていた手を休めカウンターへと歩く。
「ここは買い取りもしてくれるんだろう?」
値踏みするように棚を見回しながらこちらへやって来る。
「良いものは高く。それなりならそれなりに。」
男はニヤッと笑みを浮かべると
懐から革の袋を取り出し私の前に置いた。
「アンタの評判は聞いている。随分な目利きだってね。
これはまだどこにも持ち込んじゃいない。正真正銘の初物さ。」
どうせ禄な評判じゃないだろう。
曖昧に頷き革袋からころりと出てきた物を見て息を呑んだ。
「これは髪留め?」
それはまるで宇宙のように深く深く
漆黒の闇の中にはターコイズ色の星々が煌き
小さな膨らみは銀河をそのまま閉じ込めてしまったかのようだ。
指でそっとつまみ、光に翳してみるとキラキラと私に微笑みかけているように見えた。
「そいつぁ迷いの森から命懸けで持ち帰ったお宝だ。
命懸けで持ち帰ったもんだからな。
そうそう安くは手放せねえ。
そうだな、少なくとも銀貨10枚、、、いや!20枚なら売ってやっても良い。
ダメなら他所へ持っていくが、、、
この価値をわからないアンタじゃあるまい?。」
値段交渉を始めようと顔を覗き込む男に私はキッパリと言った。
「金貨で2枚だ。」
言い値を聞いた男は驚く。
このくらいの髪留めなら相場は良いとこ銀貨5枚だろう。
私の気が変わらぬうちにと
さっさと代金を受け取り毎度あり!と言い残し店を出て行った。
静かになった店で買い取ったばかりの髪留めを丁寧に磨く。
あの男はこの髪留めの価値をまるで分かっていない。
金貨2枚なんて安いもんだ。
これは妖精蝶の羽根の鱗粉で出来た物だ。
妖精蝶の鱗粉は幸運のお守りとして重宝される。
手放すのは惜しい気もするがそっと棚に飾る。
個性ある道具達は持つべき者を自ら選ぶという。
私はそっと近寄り囁く
「売れ残っても良いんだよ。」
髪留めは光に照らされ、またキラキラと笑ってみせたようだった。