トムテとヤドリギの夜|第5話 待っていてくれたひと

トムテとヤドリギの夜|第5話 待っていてくれたひと

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空が、薄い桃色に変わり始めていました。 トムテが雪の坂を下りていくと、 木立のそばで、トナカイが顔を上げました。 耳をぴんと立てて、 こちらを見ています。 トムテは、小さく手を振りました。 雪を踏む音が近づいて、 ふたりの足跡が、ひとつの場所で重なります。 トナカイは鼻先を寄せ、 トムテの帽子についた雪の匂いをかぎました。 「よく眠っていたよ」 トムテがそう言うと、 トナカイは、ゆっくりまばたきをしました。 それから、空になったポケットを確かめるように、 もう一度、鼻を近づけます。 トムテは少し笑って、 その前足に、手袋の手を添えました。 夜のあいだ、誰かのそばにいたトムテにも、 帰りを待っていてくれる相手がいました。 しばらく並んで朝の街を眺めていると、 トムテの口から、大きなあくびがひとつ。 トナカイはゆっくり向きを変え、 ヤドリギの茂る木の下へ歩き始めました。 トムテも、そのあとをついていきました。 ——最終話へつづく。 https://minne.com/@komorebi-dp/letters/136626 この物語から出来た作品はこちら https://minne.com/items/46582087

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