朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいました。
目を覚ましたその人は、
しばらく、布団の中でぼんやりしていました。
昨夜は、いつの間に眠ったのでしょう。
思っていたより、よく眠れたようでした。
お湯を沸かして、温かな飲み物をいれ、
窓辺にカップを置こうとした、そのとき。
小さなヤドリギの枝が、目に入りました。
白い実に、くすんだ赤のリボン。
昨日までは、なかったはずです。
そっと指で触れると、
大切な人の顔が浮かびました。
寒い日に、温かなカップを渡してくれた手。
帰り際に、もう一度振り返ってくれた顔。
昨夜はさみしくてたまらなかった思い出が、
今朝は、少し違って感じられました。
その人はヤドリギをカップのそばに置き、
両手で、ぬくもりを包みました。
窓の外には、小さな足跡が続いています。
坂を下った先で、雪にまぎれて見えなくなっていました。
誰が来たのかは、わかりません。
けれど昨夜、
誰かがそばにいてくれたような気がしました。
——第5話へつづく。
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