布団に入っても、
その人は、しばらく目を開けていました。
思い出すのは、大切な人のこと。
一緒に歩いた冬の道。
何でもない話で笑った時間。
もう一度、聞きたくなる声。
トムテは、ベッドのそばの小さな椅子に腰かけました。
帽子の先を膝にのせて、
ただ、静かに座っています。
その人には、トムテの姿は見えません。
けれど、肩に入っていた力が、
少しずつ抜けていきました。
布団を引き寄せると、
足先まで、ゆっくりぬくもりが広がります。
さみしさは、まだ胸にありました。
それでも今は、目を閉じられそうでした。
やがて、部屋に寝息が聞こえ始めます。
トムテは、もう少しだけ待ちました。
眠った顔が、やわらぐまで。
それから椅子を下りると、
ポケットのヤドリギを、そっと取り出しました。
——第4話へつづく。
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