その家の窓には、まだ灯りがともっていました。
ひとりの人がベッドの端に腰かけて、
膝の上で両手を重ねています。
もう眠る時間なのに、
今夜は、布団に入る気になれないようでした。
窓の外では、雪が静かに降っています。
向こうの家から笑い声が聞こえるたび、
その人は、少しだけ顔を上げました。
トムテは足元の雪を払うと、
トナカイを見上げました。
トナカイは、そっと鼻を近づけます。
トムテがその鼻先に触れると、
白い息が、ふたりの間にふわりと広がりました。
「少し、待っていてね」
扉をたたく音も、
誰かを呼ぶ声も、しませんでした。
ただ、窓のそばを通り抜けた風が、
そこで静かにやんだようでした。
——第3話へつづく。
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