黒猫とハロウィンの夜 第5話|お菓子屋さんの窓

黒猫とハロウィンの夜 第5話|お菓子屋さんの窓

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明るい窓の前まで来ると、黒猫は足を止めました。 ガラスの向こうには、お菓子がぎっしり。 かぼちゃの形のクッキー、しましまのキャンディ、小さなおばけの焼き菓子。 棚に並んだ瓶には、紫やオレンジのリボンが結ばれています。 黒猫は前足をそろえ、窓をのぞき込みました。 このお店を、知っています。 魔女がお菓子を焼きすぎて失敗した日。 「今日は買いに行こう」と、ここへ連れてきてくれたことがありました。 あの日も、窓にはリボンのついた袋が並んでいました。 黒猫が思い出していると、扉が開きました。 お菓子屋のおばあさんが、空の木箱を抱えて出てきたのです。 「あら。今日はひとり?」 黒猫はおばあさんの足元へ駆け寄りました。 「いつもの魔女さんは?」 黒猫が空を見上げると、おばあさんもつられて顔を上げました。 けれど、そこには月しか見えません。 おばあさんは木箱を置き、黒猫のそばにしゃがみました。 「はぐれちゃったのかしら」 黒猫は返事の代わりに、短く鳴きました。 おばあさんは通りの角を指しました。 「おうちは、あの角を曲がって、小さな橋を渡った先でしょう?」 小さな橋。 黒猫は耳を立てました。 橋の欄干には、丸い石が並んでいます。 いつも魔女と出かける時、黒猫が一つずつ飛び乗る石です。 そこまで行けば、帰れます。 おばあさんは店に戻ると、小さな包みを持ってきました。 黒猫は鼻を近づけましたが、おばあさんは包みをポケットにしまいました。 「これは魔女さんにね。おうちまで一緒に行きましょう」 扉の札を裏返し、鍵を掛けます。 黒猫は先に歩き始めました。 角を曲がると、本当に橋がありました。 丸い石を見つけて、いつものように飛び乗ろうとしましたが、今日はやめました。 早く帰りたかったのです。 橋を渡った先に、見慣れた窓の灯りが見えました。 ――最終話へ続く。 https://minne.com/@komorebi-dp/letters/135661 *お菓子屋さんのように、包む楽しみを* お菓子柄の紙を、小さな紙袋や包みの飾りに。 リボンやシールを合わせれば、自分だけのハロウィンラッピングが作れます。 イラスト6枚とデザインペーパー6枚を合わせた印刷用データです。 黒猫のハロウィンセットは、ギャラリーからご覧ください。 https://minne.com/items/46432277

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