リサ・ラーソン(Lisa Larson)がグスタフスベリ(Gustavsberg)で手がけた壁掛け陶板「女性と鳥かご(Kvinna med fågelbur)」です。動物や子どもの愛らしいフィギュアで知られるリサですが、グスタフスベリに在籍した1954年から1980年のあいだには、壁を飾るこうした陶板も数多く残しました。工房で量産されたモデルながら、市場で見かける機会は多くない希少なものとなります。
素材は炻器(ストーンウェア)製の非常に重たい陶板です。土のあたたかみを残した肌に、リサらしい素朴で親しみのある人物像が浮かびます。モチーフの鳥はリサ・ラーソン作品ではかなり多用される主題ですが、人間とともに描かれるのは比較的珍しいことです。
カゴの鳥という不自由さと、どこか表情に生気がない女性という表現に、孤独や焦燥感が込められているように見えます。彼女が生涯を通じて向け続けた、透徹した人間へのまなざしが感じられる作品です。
本作は同じ型から作られながら彩色のバリエーションが豊富な陶板で、型は共通でも色づけはペインターの裁量にある程度委ねられていたと思われます。だからこそ一枚ごとに表情が異なり、この個体の色合いもまた本作だけのものと言えます。
裏面には献辞が刻まれています。「KURT LARSSON 50 ÅR 16·9·1977 FRÅN KONSUM STOCKHOLM」——スウェーデンの生活協同組合コンスム・ストックホルムが、社員クルト・ラーソン氏の50歳(1977年9月16日)に贈った品であることを示します。
スウェーデンでは、50歳という節目は人生の大きな区切りとして祝われてきました。その贈り物にグスタフスベリの陶板が選ばれたことは、当時、リサ・ラーソンの作品が暮らしのなかで確かな価値を持つ品として受け止められていたことを物語ります。これは手書きではなくグスタフスベリ工房に発注がされて、印字されたものとなります。こうした裏面の刻印は、この時代のグスタフスベリ陶板によく見られる特徴です。
当時は、作り手のリサ、彩色を担当したペインター、発注をした顧客という距離感が非常に近いものであったことを物語っています。半世紀ほど前のスウェーデンの暮らしの一場面を、この陶板は静かに伝えています。
■詳細スペック
・メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
・デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
・種類:壁掛け陶板
・作品名:女性と鳥かご(Kvinna med fågelbur)
・年代:1977年
・製造国:スウェーデン
・素材:炻器(ストーンウェア)
・サイズ:約32×32cm
コンディション:欠け・割れ・ヒビはなく、状態は良好です。裏面には制作当時の献辞が刻まれています。縁に見られる凹みは欠けではなく製造工程によって生じたものとなります。
リサ・ラーソン(Lisa Larson)がグスタフスベリ(Gustavsberg)で手がけた壁掛け陶板「女性と鳥かご(Kvinna med fågelbur)」です。動物や子どもの愛らしいフィギュアで知られるリサですが、グスタフスベリに在籍した1954年から1980年のあいだには、壁を飾るこうした陶板も数多く残しました。工房で量産されたモデルながら、市場で見かける機会は多くない希少なものとなります。
素材は炻器(ストーンウェア)製の非常に重たい陶板です。土のあたたかみを残した肌に、リサらしい素朴で親しみのある人物像が浮かびます。モチーフの鳥はリサ・ラーソン作品ではかなり多用される主題ですが、人間とともに描かれるのは比較的珍しいことです。
カゴの鳥という不自由さと、どこか表情に生気がない女性という表現に、孤独や焦燥感が込められているように見えます。彼女が生涯を通じて向け続けた、透徹した人間へのまなざしが感じられる作品です。
本作は同じ型から作られながら彩色のバリエーションが豊富な陶板で、型は共通でも色づけはペインターの裁量にある程度委ねられていたと思われます。だからこそ一枚ごとに表情が異なり、この個体の色合いもまた本作だけのものと言えます。
裏面には献辞が刻まれています。「KURT LARSSON 50 ÅR 16·9·1977 FRÅN KONSUM STOCKHOLM」——スウェーデンの生活協同組合コンスム・ストックホルムが、社員クルト・ラーソン氏の50歳(1977年9月16日)に贈った品であることを示します。
スウェーデンでは、50歳という節目は人生の大きな区切りとして祝われてきました。その贈り物にグスタフスベリの陶板が選ばれたことは、当時、リサ・ラーソンの作品が暮らしのなかで確かな価値を持つ品として受け止められていたことを物語ります。これは手書きではなくグスタフスベリ工房に発注がされて、印字されたものとなります。こうした裏面の刻印は、この時代のグスタフスベリ陶板によく見られる特徴です。
当時は、作り手のリサ、彩色を担当したペインター、発注をした顧客という距離感が非常に近いものであったことを物語っています。半世紀ほど前のスウェーデンの暮らしの一場面を、この陶板は静かに伝えています。
■詳細スペック
・メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
・デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
・種類:壁掛け陶板
・作品名:女性と鳥かご(Kvinna med fågelbur)
・年代:1977年
・製造国:スウェーデン
・素材:炻器(ストーンウェア)
・サイズ:約32×32cm
コンディション:欠け・割れ・ヒビはなく、状態は良好です。裏面には制作当時の献辞が刻まれています。縁に見られる凹みは欠けではなく製造工程によって生じたものとなります。