深みのある青い釉薬が内側一面に広がり、縁に向かって琥珀色へとなめらかに溶け合う。グンナー・ニールンドがロールストランドで手がけた1950年代の炻器アッシュトレイは、北欧ミッドセンチュリー陶芸の美意識を凝縮した一品です。
作品について
角に丸みを持たせたスクエアフォルムが、端正でありながらどこか有機的な印象を与えます。グンナー・ニールンドはロールストランドのアートディレクターとして、1930年代から数十年にわたり釉薬の研究と造形の革新に取り組んだ陶芸家です。その作品は、フォルムと釉薬の調和に優れたものが多く、本作もまさにその真髄を示しています。
最大の見どころは、青の釉薬が生み出す深い色彩のグラデーションです。アッシュトレイの内側には、紺碧から澄んだ空色まで微妙に異なる青が重なり合い、光の当たり方によってその表情を刻々と変えます。縁に近づくにつれて釉薬が薄くなり、炻器の素地が透けて琥珀色のラインが浮かび上がる様は、自然の風景を思わせる美しさです。
炻器の厚みと重みが手に伝えるのは、工業製品にはない手仕事の確かさです。底面から側面にかけての立ち上がりは緩やかで、浅く広がるかたちが空間に水平の安定感をもたらします。アクセサリーや鍵などの小物入れとしても使われていました。棚やサイドボードの上に置くだけで、北欧ミッドセンチュリーの空気を部屋に招き入れてくれる作品です。
ロールストランド — ヨーロッパ最古級の磁器工房、300年の伝統
1897年ストックホルム総合芸術産業展示会でのロールストランドのスタンド
1726年、ストックホルムに設立されたロールストランドは、スウェーデン最古の陶磁器工場です。スウェーデン王室の支援のもと、ファイアンス焼きから始まり、やがてボーンチャイナ、フリント陶器へと技術を発展させました。1926年にヨーテボリ、1936〜39年にリードヒェーピングへと工場を移転し、2005年12月30日にスウェーデン国内での生産を終了しました。ブランドは現在もフィスカース(Fiskars)グループ傘下で存続しています。
ロールストランドのデザイナー、マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)
ロールストランドを彩った名デザイナーたち
マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)は1950年から1971年までロールストランドに在籍し、青い花柄のモナミ(1952年〜)や、大胆なポップアートのようなピクニック(1956年〜)など、スウェーデンで最も愛される食器シリーズを生み出しました。
グンナー・ニールンド(1904–1997)はストーンウェアの巨匠として知られ、深みのある釉薬のアート陶芸で国際的な評価を獲得。カール=ハリー・ストールハーネ(1920–1990)も30年以上にわたりロールストランドでスタジオ作品と量産食器の両方を手がけました。
ストーンウェアの巨匠グンナー・ニールンド(1904–1997)
1930年にはルイーズ・アーデルボルグ(1885–1971)がストックホルム博覧会で発表した「ナショナルサービス」(後のスウェディッシュ・グレース)が、スウェーデン王室や大使館で愛される名品となりました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド
1896年のロールストランド工場
・1730〜1884年:「Stockholm」または「Rörstrand」の手書き・型押し。絵付け師のイニシャルや年号が添えられることも。
・1884〜2000年:ロールストランドの象徴的な「三つの王冠」マーク。イタリック体の工場名の周りにスウェーデンの紋章が配されたデザイン。1937年以降は3桁の数字コード(最初の2桁が製造年、3桁目が年内の時期)で年代特定可能。
・2000年〜現在:王冠をかぶった「R」のシンプルなマーク。2005年にスウェーデンでの生産終了後も使用。
・ヴィンテージ品の特徴:「SWEDEN」または「MADE IN SWEDEN」の刻印はスウェーデン工場製の証。リードヒェーピング工場閉鎖(2005年)以前の製品は、手仕事の温もりと北欧デザインの黄金期の品質を持つ貴重なヴィンテージ品です。
■詳細スペック
・メーカー:Rörstrand / ロールストランド
・デザイナー:Gunnar Nylund / グンナー・ニールンド
・素材:炻器 / ストーンウェア
・釉薬:ブルー釉薬 / 青釉
・年代:1950年代
・サイズ:約20 × 17.5cm
・製造国:スウェーデン
コンディション:未使用のデッドストック品です。割れや欠け、使用に伴うスレや汚れはなく、製造時の姿をそのままとどめています。
■関連コレクション
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深みのある青い釉薬が内側一面に広がり、縁に向かって琥珀色へとなめらかに溶け合う。グンナー・ニールンドがロールストランドで手がけた1950年代の炻器アッシュトレイは、北欧ミッドセンチュリー陶芸の美意識を凝縮した一品です。
作品について
角に丸みを持たせたスクエアフォルムが、端正でありながらどこか有機的な印象を与えます。グンナー・ニールンドはロールストランドのアートディレクターとして、1930年代から数十年にわたり釉薬の研究と造形の革新に取り組んだ陶芸家です。その作品は、フォルムと釉薬の調和に優れたものが多く、本作もまさにその真髄を示しています。
最大の見どころは、青の釉薬が生み出す深い色彩のグラデーションです。アッシュトレイの内側には、紺碧から澄んだ空色まで微妙に異なる青が重なり合い、光の当たり方によってその表情を刻々と変えます。縁に近づくにつれて釉薬が薄くなり、炻器の素地が透けて琥珀色のラインが浮かび上がる様は、自然の風景を思わせる美しさです。
炻器の厚みと重みが手に伝えるのは、工業製品にはない手仕事の確かさです。底面から側面にかけての立ち上がりは緩やかで、浅く広がるかたちが空間に水平の安定感をもたらします。アクセサリーや鍵などの小物入れとしても使われていました。棚やサイドボードの上に置くだけで、北欧ミッドセンチュリーの空気を部屋に招き入れてくれる作品です。
ロールストランド — ヨーロッパ最古級の磁器工房、300年の伝統
1897年ストックホルム総合芸術産業展示会でのロールストランドのスタンド
1726年、ストックホルムに設立されたロールストランドは、スウェーデン最古の陶磁器工場です。スウェーデン王室の支援のもと、ファイアンス焼きから始まり、やがてボーンチャイナ、フリント陶器へと技術を発展させました。1926年にヨーテボリ、1936〜39年にリードヒェーピングへと工場を移転し、2005年12月30日にスウェーデン国内での生産を終了しました。ブランドは現在もフィスカース(Fiskars)グループ傘下で存続しています。
ロールストランドのデザイナー、マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)
ロールストランドを彩った名デザイナーたち
マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)は1950年から1971年までロールストランドに在籍し、青い花柄のモナミ(1952年〜)や、大胆なポップアートのようなピクニック(1956年〜)など、スウェーデンで最も愛される食器シリーズを生み出しました。
グンナー・ニールンド(1904–1997)はストーンウェアの巨匠として知られ、深みのある釉薬のアート陶芸で国際的な評価を獲得。カール=ハリー・ストールハーネ(1920–1990)も30年以上にわたりロールストランドでスタジオ作品と量産食器の両方を手がけました。
ストーンウェアの巨匠グンナー・ニールンド(1904–1997)
1930年にはルイーズ・アーデルボルグ(1885–1971)がストックホルム博覧会で発表した「ナショナルサービス」(後のスウェディッシュ・グレース)が、スウェーデン王室や大使館で愛される名品となりました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド
1896年のロールストランド工場
・1730〜1884年:「Stockholm」または「Rörstrand」の手書き・型押し。絵付け師のイニシャルや年号が添えられることも。
・1884〜2000年:ロールストランドの象徴的な「三つの王冠」マーク。イタリック体の工場名の周りにスウェーデンの紋章が配されたデザイン。1937年以降は3桁の数字コード(最初の2桁が製造年、3桁目が年内の時期)で年代特定可能。
・2000年〜現在:王冠をかぶった「R」のシンプルなマーク。2005年にスウェーデンでの生産終了後も使用。
・ヴィンテージ品の特徴:「SWEDEN」または「MADE IN SWEDEN」の刻印はスウェーデン工場製の証。リードヒェーピング工場閉鎖(2005年)以前の製品は、手仕事の温もりと北欧デザインの黄金期の品質を持つ貴重なヴィンテージ品です。
■詳細スペック
・メーカー:Rörstrand / ロールストランド
・デザイナー:Gunnar Nylund / グンナー・ニールンド
・素材:炻器 / ストーンウェア
・釉薬:ブルー釉薬 / 青釉
・年代:1950年代
・サイズ:約20 × 17.5cm
・製造国:スウェーデン
コンディション:未使用のデッドストック品です。割れや欠け、使用に伴うスレや汚れはなく、製造時の姿をそのままとどめています。
■関連コレクション
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