作品説明
ABCの少女たち(ABC-flickor)は、リサ・ラーソン(Lisa Larson)が1958年にグスタフスベリ(Gustavsberg)のためにデザインした少女像のシリーズです。アマリア(Amalia)、ベアタ(Beata)、シャルロッタ(Charlotta)、ドラ(Dora)、エンマ(Emma)と、頭文字がアルファベット順に並ぶ古典的なスウェーデンの女性名が一体ずつに与えられ、名前の付け方そのものが文字の手ほどきになっています。少女たちの多くは本を手にしており、「文字を学ぶ少女」という主題が、名前と姿の両方に重ねられました。
このシリーズは、もともと本立て(ブックエンド)として構想されました。本を読む少女という主題も、その用途から導かれたものです。ところが焼き上がってみると内部は中空で、本を押さえるだけの重みがありませんでした。砂を詰めて重しにするといった工夫も語られていますが、道具としての役目は果たせず、代わりに「本を読む少女」という姿そのものが人々の心をつかみ、スウェーデンの家庭に置物として迎えられていきました。役に立たない本立てが愛される像になった——その出発点が、この少女たちの性格をよく表しています。
本品のエンマは膝を立てて座り、両手を頭の後ろへ回して髪に添え、膝の上に小さな本をのせた姿で、まぶたは静かに閉じられています。髪は頭頂で結い上げられて黄褐色がかった釉をまとい、ワンピースは淡い水色の地に濃紺の花とも星とも見える模様が置かれています。腕を上げてくつろいだ姿勢と、うつむいた顔の静けさが同じ一体に収まっているのが、エンマの見どころです。
ABCの少女たちは型に流し込んで成形されるため、胴の側面などに型の継ぎ目がうっすらと残ることがあります。これは傷みではなく、この作り方につきものの正常な痕跡です。顔や手足の素肌の部分は無釉のまま残され、ワンピースの側に色が差されます。素肌の土の質感と、色をまとった衣の対比が、小さな像に彫刻としての手ざわりを与えています。
リサ・ラーソンのフィギュア作品をたどると、リッラ・ズー(Lilla Zoo、小さな動物園/1955年)、ストラ・ズー(Stora Zoo、大きな動物園/1957年)に続いて、1958年のABCの少女たちが生まれています。動物たちが猫やライオンといった種の名で呼ばれるのに対し、固有の名を与えられたのは人物や子どもの像でした。エンマは、立つドラ、横たわるベアタ、座るアマリアとシャルロッタと並んで、五人の名の最後を担う一体です。姿勢と彩色の違いが五人のあいだに静かなリズムをつくり、やがて「世界の子どもたち(Världens barn、1974〜75年)」へと広がっていく人物像の仕事の、その出発点にあたります。
■詳細スペック
・メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
・デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
・シリーズ名:ABC-flickor
・作品名:Emma / エンマ
・年代:1958〜1973年
・素材:炻器
・製造国:スウェーデン
・サイズ:高さ約16cm 幅約10.5cm 奥行き約12cm
■コンディション:訳アリ品
右足の先に小さな欠けが見られるため、訳アリ品としてお得な価格でのご提供です。また、像を振ると鈴玉と呼ばれるカラカラという音がしますが、ダメージではありません。
ABCの少女たち(ABC-flickor)は、リサ・ラーソン(Lisa Larson)が1958年にグスタフスベリ(Gustavsberg)のためにデザインした少女像のシリーズです。アマリア(Amalia)、ベアタ(Beata)、シャルロッタ(Charlotta)、ドラ(Dora)、エンマ(Emma)と、頭文字がアルファベット順に並ぶ古典的なスウェーデンの女性名が一体ずつに与えられ、名前の付け方そのものが文字の手ほどきになっています。少女たちの多くは本を手にしており、「文字を学ぶ少女」という主題が、名前と姿の両方に重ねられました。
このシリーズは、もともと本立て(ブックエンド)として構想されました。本を読む少女という主題も、その用途から導かれたものです。ところが焼き上がってみると内部は中空で、本を押さえるだけの重みがありませんでした。砂を詰めて重しにするといった工夫も語られていますが、道具としての役目は果たせず、代わりに「本を読む少女」という姿そのものが人々の心をつかみ、スウェーデンの家庭に置物として迎えられていきました。役に立たない本立てが愛される像になった——その出発点が、この少女たちの性格をよく表しています。
本品のエンマは膝を立てて座り、両手を頭の後ろへ回して髪に添え、膝の上に小さな本をのせた姿で、まぶたは静かに閉じられています。髪は頭頂で結い上げられて黄褐色がかった釉をまとい、ワンピースは淡い水色の地に濃紺の花とも星とも見える模様が置かれています。腕を上げてくつろいだ姿勢と、うつむいた顔の静けさが同じ一体に収まっているのが、エンマの見どころです。
ABCの少女たちは型に流し込んで成形されるため、胴の側面などに型の継ぎ目がうっすらと残ることがあります。これは傷みではなく、この作り方につきものの正常な痕跡です。顔や手足の素肌の部分は無釉のまま残され、ワンピースの側に色が差されます。素肌の土の質感と、色をまとった衣の対比が、小さな像に彫刻としての手ざわりを与えています。
リサ・ラーソンのフィギュア作品をたどると、リッラ・ズー(Lilla Zoo、小さな動物園/1955年)、ストラ・ズー(Stora Zoo、大きな動物園/1957年)に続いて、1958年のABCの少女たちが生まれています。動物たちが猫やライオンといった種の名で呼ばれるのに対し、固有の名を与えられたのは人物や子どもの像でした。エンマは、立つドラ、横たわるベアタ、座るアマリアとシャルロッタと並んで、五人の名の最後を担う一体です。姿勢と彩色の違いが五人のあいだに静かなリズムをつくり、やがて「世界の子どもたち(Världens barn、1974〜75年)」へと広がっていく人物像の仕事の、その出発点にあたります。
■詳細スペック
・メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
・デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
・シリーズ名:ABC-flickor
・作品名:Emma / エンマ
・年代:1958〜1973年
・素材:炻器
・製造国:スウェーデン
・サイズ:高さ約16cm 幅約10.5cm 奥行き約12cm
■コンディション:訳アリ品
右足の先に小さな欠けが見られるため、訳アリ品としてお得な価格でのご提供です。また、像を振ると鈴玉と呼ばれるカラカラという音がしますが、ダメージではありません。