金色の花と空飛ぶ花瓶
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それは、夢の中のできごとでした。
見渡す限り一面に金色の花が咲き、風に揺れていました。
それは金色の茎と金色の花びらと、金色のめしべを持った、花たちでした。
見上げると太陽は花と同じように
金色に滲み、光りました。
わたしは夢の中にいましたが、その金色の花畑から、何一つ持って帰ってはいけないということだけは、わかっていました。
でも、その夢の中の、いかにも夢の中らしい花を、どうしても家に持って帰りたい。
そんな気持ちが湧いてきました。
足元に揺れている花を1本手に取ると、つるりと硬く、金属のように冷たい感触をしていました。
手のひらで根本までつたってから力を入れると、拍子抜けするほど簡単にぽきりと茎は折れました。
わたしはそれをしばらく眺めていましたが、七分丈のジーンズの後ろのポケットに、そうっと花を挿しました。
そして、赤い車で急いで家へ帰りました。
たしか物置きに、母親が嫁入りの時に持ってきた青い花瓶がしまってあったはず。
古い物置きの鍵を開けて埃をかぶった棚の奥から花瓶を見つけ出しました。
それはよく見ると、まるで、青い色に白と黄色がまだらに浮かんで、晴れた空に雲が浮かんでいるような模様をしていました。
私は花瓶に、金の花を生けました。
そして、部屋の白い出窓をいっぱいに開けて、窓辺に花を飾りました。
花は、輝きを失わずに、しかし物言いたげにそこにありました。
窓の外は、遠くに緑の山並みと赤い屋根の家々が並び、畑の向こうに青い空と雲が広がって、まるで空と花瓶はひとつに溶け合ったかのようにも見えました。
わたしは満足げに花を眺めていました。
と、その青い景色の中から花瓶がふわりと浮かび上がりました。そして、開いていた窓から、重たそうにゆらりと外へ飛び出しました。
どこへいくんだろう。
追いかけるように手を伸ばすと、わたしの体もふわりと浮き上がり、空へと向かいはじめたのです。
金色の花と花瓶は、まるで空へ帰っていくかのように窓の外へと浮きあがると、上へ上へと飛びはじめました。
遠くの山々や赤い屋根の家々も越えて、どこまでも旅する気球のようにも見えました。
ふわりと浮かんだわたしの体も、花と花瓶を追うように上へ上へと浮かびはじめたのです。
はたしてほんとにこれは夢だっただろうか。
だんだんと近くなる青い空を見上げながら、わたしはそんなことを考えはじめたのです。
———
お話を添えて、お届けするピアスです。
5.6枚目に入れている写真は過去の別の作品でのお話台紙です。
仕様は変更になる可能性もありますので
参考としてご覧ください。
ベトナムのハノイの市場で見つけた
綺麗な色のガラスのパーツを使った
夏にぴったりな涼やかなピアスです。
ピアスも、お話も、この世にひとつの
一点ものとなっています。
サイズ: 4.5cm
(ピアスフック含む長さ)
お話の冊子を準備する時間として
発送まで1週間程度をいただくことになると思います。ご了承ください。
金色の花と空飛ぶ花瓶
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それは、夢の中のできごとでした。
見渡す限り一面に金色の花が咲き、風に揺れていました。
それは金色の茎と金色の花びらと、金色のめしべを持った、花たちでした。
見上げると太陽は花と同じように
金色に滲み、光りました。
わたしは夢の中にいましたが、その金色の花畑から、何一つ持って帰ってはいけないということだけは、わかっていました。
でも、その夢の中の、いかにも夢の中らしい花を、どうしても家に持って帰りたい。
そんな気持ちが湧いてきました。
足元に揺れている花を1本手に取ると、つるりと硬く、金属のように冷たい感触をしていました。
手のひらで根本までつたってから力を入れると、拍子抜けするほど簡単にぽきりと茎は折れました。
わたしはそれをしばらく眺めていましたが、七分丈のジーンズの後ろのポケットに、そうっと花を挿しました。
そして、赤い車で急いで家へ帰りました。
たしか物置きに、母親が嫁入りの時に持ってきた青い花瓶がしまってあったはず。
古い物置きの鍵を開けて埃をかぶった棚の奥から花瓶を見つけ出しました。
それはよく見ると、まるで、青い色に白と黄色がまだらに浮かんで、晴れた空に雲が浮かんでいるような模様をしていました。
私は花瓶に、金の花を生けました。
そして、部屋の白い出窓をいっぱいに開けて、窓辺に花を飾りました。
花は、輝きを失わずに、しかし物言いたげにそこにありました。
窓の外は、遠くに緑の山並みと赤い屋根の家々が並び、畑の向こうに青い空と雲が広がって、まるで空と花瓶はひとつに溶け合ったかのようにも見えました。
わたしは満足げに花を眺めていました。
と、その青い景色の中から花瓶がふわりと浮かび上がりました。そして、開いていた窓から、重たそうにゆらりと外へ飛び出しました。
どこへいくんだろう。
追いかけるように手を伸ばすと、わたしの体もふわりと浮き上がり、空へと向かいはじめたのです。
金色の花と花瓶は、まるで空へ帰っていくかのように窓の外へと浮きあがると、上へ上へと飛びはじめました。
遠くの山々や赤い屋根の家々も越えて、どこまでも旅する気球のようにも見えました。
ふわりと浮かんだわたしの体も、花と花瓶を追うように上へ上へと浮かびはじめたのです。
はたしてほんとにこれは夢だっただろうか。
だんだんと近くなる青い空を見上げながら、わたしはそんなことを考えはじめたのです。
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お話を添えて、お届けするピアスです。
5.6枚目に入れている写真は過去の別の作品でのお話台紙です。
仕様は変更になる可能性もありますので
参考としてご覧ください。
ベトナムのハノイの市場で見つけた
綺麗な色のガラスのパーツを使った
夏にぴったりな涼やかなピアスです。
ピアスも、お話も、この世にひとつの
一点ものとなっています。
サイズ: 4.5cm
(ピアスフック含む長さ)
お話の冊子を準備する時間として
発送まで1週間程度をいただくことになると思います。ご了承ください。
サイズ
4.5cm
発送までの目安
7日
配送方法・送料
定形(外)郵便
300円(追加送料:150円)
全国一律
全国一律
購入の際の注意点
ガラスパーツを使用していますので
強い衝撃を与えると割れたりキズが入る可能性があります。
お話を添えて、お届けするピアスです。
5.6枚目に入れている写真は過去の別の作品での
お話台紙です。
仕様は変更になる可能性もありますので
参考としてご覧ください。
お話台紙を準備する時間として
発送まで1週間程度をいただくことになると思いますが
ご了承ください。