前回、イギリスの詩人キーツが勧める
「あえて自分を閉じて、じっと動かない時間」
についてお話ししました。
「早く答えを出さなきゃ!」と焦る心を、
手足を組んでギュッとホールドしてあげる。
これを知ったとき、私はタロットカードの
「吊られた男」
が持つ深いメッセージを思い出しました。
このカードには
「今はどうすることもできない状態だと気づくしかない」
という、一見厳しいメッセージがあります。
でも、そこには深い救いと逆説が隠されています。
「是が非でも行動したい」
「自分の意志を押し通したい」
そう強く願うときほど、実はその思いを手放すべき時だったりします。
タロットの物語では、勢いよく突き進む「戦車」の時期を経て、
内省を深める「力」や「隠者」、
そしてこの「吊られた男」へと繋がっていきます。
イケイケのムードから一転して、内向きになる。こ
れは、本物の強さを手に入れるためのプロセスです。
「その場に止まることにより、前に進むこともできる」
一度手放してみることで、かえって求めていたものが手に入りやすくなる。
逆さまに吊るされた男の頭に光が差しているように、
身動きが取れない不自由な時間こそが、
新しい視点(ひらめき)を運んできてくれます。
今、もしあなたが「どうにもならない」壁の前にいるとしたら、
それは「吊られた男」の時期。
無理に動こうとせず、その静寂の中に留まってみてください。
手放した先に、きっと意外な形をした「光」が見つかるはずです。