レポート

奄美の時間が、かたちになる。「第11回あまみハンドメイド大賞」受賞作品発表

世界自然遺産の森と海、大島紬をはじめとする手仕事の文化が息づく鹿児島・奄美群島。この島々でハンドメイド作品を発掘するコンテスト「あまみハンドメイド大賞」が、今年で11回目を迎えました。minneも今年、審査員として奄美大島での選考に参加。大島紬を使った作品や島固有の動植物を描いた刺繍など、奄美の時間を「かたち」にした受賞9作品を、審査会の様子とあわせてご紹介します。

作り手の想いが並ぶ、第11回の舞台裏


「あまみハンドメイド大賞」は、奄美市と株式会社しーまが共催する、奄美群島在住の作り手が応募できるハンドメイドコンテストです。応募の条件は「奄美の自然・豊かさ・時間を表現した、オリジナルのハンドメイド作品であること」と定められています。作品にはそれぞれ、作家さんの想いやメッセージ、製法や素材、工夫や苦労した点が言葉で添えられ、手に取った作品の向こうにある、作り手の時間や試行錯誤まで伝わってきました。

11回目となる今回は、奄美大島、徳之島、沖永良部島の42名の作家さんから、過去最多の48作品が集まりました。審査会に先がけて、7月16日から24日まで奄美市役所でエントリー作品の展示と来場者投票が行われ、市民のみなさんの一票で決まる「オーディエンス賞」には、今年もたくさんの投票が寄せられました。

審査会は7月25日、奄美市のWorkStyle Labで開催。本場奄美大島紬協同組合、奄美市商工政策課、株式会社しーまのみなさんとともに、minneも審査員として参加しました。伝統的な大島紬を使った作品や、島固有の動植物を表現した作品など、「奄美」というひとつのテーマからこんなにも豊かな表現が生まれるのかと、会場をひとめぐりするだけで胸がいっぱいになりました。

ひとつひとつの作品を手に取り、作家さんの言葉を読み、意見を交わしながら、審査はじっくりと時間をかけて進みました。最終的に、審査員が選ぶ6つの賞と、来場者投票で決まる「オーディエンス賞」の合計7つの賞が決定。力作が多かったことから、大島紬賞と島ギフト賞はそれぞれ2作品ずつ、あわせて9作品が選ばれました。

受賞作品のご紹介

グランプリ
ITOHAN 糸はん(奄美市)
「夏のパートナー」


コットンリネンの帽子と日傘に、大島紬の端切れをアクセントとして添えた夏の装い。「大島紬のデザイン性と、普段着のカジュアルファッションとのコラボを」という作家さんの想いどおり、紬がぐっと身近に感じられます。ナチュラルな布と紬の色合わせや帽子のかたちには、何度も試作が重ねられています。審査員が口をそろえて「実際に欲しい」と声をあげた一作でした。

奄美市賞
海野刺繍標本室(奄美市)
「草花の耳飾り-奄美の固有種3種-」


「アマミアセビ」「アマミナツトウダイ」「アマミヒメカカラ」といった、奄美大島にしかない3種の草花を、オリジナルの図案から刺繍で耳飾りに仕立てた作品です。「もっと身近に島の自然を感じられるように」という作家さんの想いが出発点になりました。あえて島の植物を選んだ視点がとても個性的です。植物を知らなくても「かわいい」と手が伸びる色とフォルム、糸を重ねてふっくらと仕上げた立体感から、丁寧な手仕事が伝わってきます。

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minne賞
mitsuro(奄美市)
「珠結(たまゆい) つながり、むすぶ。奄美「結(ゆい)の島」」


アカショウビン、アマミノクロウサギ、ハージンなど、奄美の生きものたちを、自ら描いた原画からビーズ刺繍で形にしたアクセサリー。ビーズを一粒ずつ結んでいく工程に、人と人、人と自然のつながりを大切にしてきた奄美の「結(ゆい)」の精神が重ねられています。クロウサギの毛並みは一粒ずつ選んだビーズのグラデーションで、アカショウビンの首元にはサクラランの花をあしらって表現。生きものだけでなく、その背景にある島の風景まで丁寧に描き込まれています。作品の向こうに奄美の景色が広がるような表現が、minne賞の決め手になりました。

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大島紬賞
Tamaki art in Amami(奄美市)
「大島紬のランプシェイド (ライト)」


お母さまが織った大島紬を、6枚のパネルに仕立てた手縫いのランプシェード。明かりを灯すと、紬の織り目が透けてやわらかな影が生まれ、クラシックなライトにしっくりとなじみます。縁を飾るビーズにはあえて色や表情の違いを持たせていて、その遊び心もこの作品の魅力になっています。審査員からも「とても温かみを感じる」「どんなお部屋にも合いそう」という声が寄せられました。

大島紬賞
ふふるん 吉村妙子(奄美市)
「大島紬のおしゃれバッグと付け替え可能ストラップ」


大島紬の柄がいちばんきれいに見える位置で布を裁ち、フリルを添えたバッグ2種と、付け替えのできるショルダーストラップ。ストラップは何種類もの紬を斜めにはぎ合わせ、継ぎ目が自然に流れるように工夫されています。「手持ちのほかのバッグにも、紬のストラップとして付け替えて楽しめる」という仕様は、紬を毎日の装いにそっと招き入れる新しいかたちです。色柄の使い方と、製品としての完成度の高さが審査員からも高く評価されました。

島ギフト賞
アマミノカケラ(奄美市)
「アマミノカケラ」


素材は、奄美の海の魚・エラブチ(イラブチ)の鱗。着色はせず、UVレジンで固めているだけなのに、澄んだ色と大きさが目を惹きます。水につけすぎると色が落ち、乾かし方によっては丸まってしまうため、洗浄と乾燥の工程にもっとも気を配ったといいます。「普段は見過ごされてしまう魚の鱗も、自然が生み出した唯一無二の素材」という作家さんの言葉どおり、形を必要以上に整えず、鱗そのままの美しさを活かしています。奄美のかけらをそっと持ち帰る、ぴったりのギフトです。

島ギフト賞
WE ARE VERY LUCKY COMPANY(奄美市)
「香りで紡ぐ未来(香立)」


アカショウビン、ルリカケス、カワセミ、リュウキュウコノハズク、アマミノクロウサギ。奄美に暮らす5種の生きものを、オーブン粘土でひとつずつ手びねりしたお香立て。座ったり、眠ったり、くつろいだりと、それぞれ違うポーズをしているので、並べると表情が生まれて、眺めているだけで楽しくなります。「煙が立ち上るたびに、島の動物たちの未来に思いを馳せてほしい」という作家さんの願いが込められた作品です。実際の体色をもとにしながら統一感のある色づかいで、お部屋にそっと迎え入れたくなる仕上がりでした。

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しーま賞
福島次雄(徳之島町)
「タンゴ」


徳之島で採った竹を乾かし、カッターナイフですこしずつ削り出してつくられた、小さな演奏者たちです。ギターを弾く人、踊る人、それぞれの姿勢や腕の角度が細やかに調整されていて、竹がこんな姿になるのかと思わず見入ってしまいます。作家さんが日頃バンド演奏を楽しんでいる、実在のお仲間たちがモデルになっています。「竹という素材だけでは音楽は生まれない。人の手が加わり、心をひとつにすることで音楽が生まれる」という言葉どおり、ゆったりとした島時間の中で人が集まる光景が目に浮かぶ作品です。

オーディエンス賞
Vrai Bonheur(Lien Bonheur) 中村久美子(奄美市)
「思い出継ぐ晴れ着」


白大島紬、留袖、七五三の着物、帯。箪笥に眠っていた着物を、子どもたちの晴れ着に生まれ変わらせました。「着物をあまり着ない世代の方にも、リメイクを通してその良さや喜びを感じてもらいたい」という想いが込められています。繊細な生地を活かした色合わせとデザインの美しさは審査員からも高く評価され、来場者投票では最多得票となりました。奄美市役所に足を運んだみなさんの心をいちばんつかんだ一作です。実際にお子さんたちが着ている姿を、いつか見てみたいですね。


今回の「あまみハンドメイド大賞」を通してあらためて感じたのは、奄美の島々に流れる時間の豊かさと、それをかたちにする手仕事の力でした。母から受け継いだ紬、身近にある島の自然への想い、仲間と音楽を楽しむひととき。ひとつひとつの作品に、作り手のみなさんが島で重ねてきた時間が息づいています。

奄美の魅力に包まれて

minneで出会える、奄美にまつわる作品や自然を感じるアイテムをご紹介します。大島紬を取り入れたアクセサリーやファッション小物、特産やフルーツをモチーフにしたアイテム、自然豊かなグリーンやおいしいスイーツまで、奄美の魅力を感じる作品を集めました。景色や文化に魅せられて生まれた作品たちが、日常にそっと島のぬくもりを運びます。

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奄美市賞受賞作家の作品に、出会えます

奄美市賞を受賞された海野刺繍標本室さんが、12月13日(日)に幕張メッセで開催される「幕張ハンドメイドフェスタ」に出展されます。
奄美の自然や文化を感じる作品に、ぜひブースで出会ってみてくださいね。

イベント主催者・しーまさんの開催レポートはこちら

文 / 大澤菜々子

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