レポート

奄美の自然と手仕事が紡ぐ物語。「第10回あまみハンドメイド大賞」受賞作品発表

青い海と緑深い森、そして独自の文化が息づく鹿児島・奄美大島。この豊かな島を舞台に、ハンドメイド作品を発掘するコンテスト「あまみハンドメイド大賞」が、2025年8月に記念すべき第10回を迎えました。minneは今年も審査員として参加し、島の自然や文化、そして作り手の温かい想いが込められた作品たちとの出会いに胸を躍らせました。激戦の末に選ばれた栄えある受賞作品の数々を、現地の熱気あふれる審査会の様子と共にご紹介します。

島の宝が輝く、第10回の舞台裏


「あまみハンドメイド大賞」は、奄美市と株式会社しーまが共催する、奄美群島在住の作り手だけが応募できる特別なハンドメイドコンテストです。応募テーマは「奄美の自然・豊かさ・時間を表現した、オリジナルのハンドメイド作品」。毎年、島の素材や文化からインスピレーションを受けた、創造力豊かな作品が集まります。

記念すべき第10回となる今回は、奄美大島、徳之島、与論島の32名の作家さんから37作品が集結。会場には、大島紬の新しい可能性を探る作品、夜光貝やサンゴを活かしたアクセサリー、月桃や泥染めといった島の恵みを取り入れた作品などがずらりと並び、奄美の魅力が凝縮された空間が広がりました。

審査会は奄美市内で開催され、minneも現地を訪問。会場は作り手のみなさんの情熱と、作品に込められた物語で熱気に満ちていました。ひとつひとつの作品を手に取ると、丁寧な手仕事はもちろん、その背景にある島の暮らしや自然への敬意が伝わってきます。

審査員たちの間でも「これは新しい見せ方だね」「この発想はなかった」と熱い議論が交わされ、どの作品も甲乙つけがたく審査は難航。最終的に、審査員によって選ばれる6つの賞と、来場者投票で決まる「オーディエンス賞」の合計7つの賞が決定しました。

受賞作品のご紹介


グランプリ
ふふるん 吉村妙子(奄美市)
「小さな丸いキャンパスに広がる大島紬の世界」


小さな「つつみボタン」に、紬の柄と想いをぎゅっと閉じ込めたチャームと帯飾り。
大島紬の布や絣糸に、奄美の塩をそっと忍ばせた「お守り性」が印象的です。最小限のスケールで最大の世界を描く発想、ていねいな手仕事、そして紬を日々に取り入れる新しい提案が高く評価されました。伝統とあたらしさの交差点に立つ、記念回にふさわしい受賞作です。

奄美市賞
WE ARE VERY LUCKY COMPANY(奄美市)
「ちいさな袋、大きな未来 〜彼らの声が聞こえなくなる前に〜」


奄美の動植物をモチーフに、オリジナル型紙から立体設計された巾着シリーズ。
かわいらしさと実用性を兼ね備えながら、島の自然や環境への想いを表現した作品です。
造形の工夫と鮮やかな色づかいが高く評価され、多くの審査員・来場者の心を惹きつけました。
ショップを見る

minne賞
島の硝子小屋 リュウ(大和村)
「島のふうりん 夜光貝とカケラの輝き」


廃瓶ガラスを再生し、夜光貝やサンゴ、月桃の茎、泥藍染の短冊まで、島の素材を贅沢にとり入れてつくられた、島を奏でる風鈴。
見ても触れても、そして耳に届く音色までも心地よい作品です。
minneでも「島の硝子小屋 リュウ」さんのさまざまなガラス作品を楽しむことができますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ショップを見る

大島紬賞
ITOHAN (奄美市)
「TUMUGU」


大島紬をワンポイントで取り入れ、日常になじむトートバッグに仕立てた作品。
紬の伝統とモダンな感性が見事に調和し、世代や性別を問わず使えるデザインが魅力です。
日常に紬を招き入れる新しいかたちとして高く評価されました。

島ギフト賞
The Natural Tale Amami(奄美市)
「奄美の海の世界観を表現した帯留」「大浜の海が見せる表情を表現した簪」


奄美大島の自然を、リサイクル資源や自然素材と組み合わせて活かした発想力と、
澄んだ色彩で海の光を表現した作品。
落ち着いた色合いの紬にもよく映える、やさしい輝きの一作です。

しーま賞
酒井 文夫(奄美市)
「大島紬ボトルシップ」


黒糖焼酎の空瓶と大島紬の帆、奄美を象徴する素材同士の出会いから生まれたボトルシップ。瓶の口から糸を操る精緻な制作技術と、シンプルな柄行を生かした構成に、思わずのぞき込みたくなる吸引力があります。
発想と技術が美しく結びついた一作です。

オーディエンス賞
丸丈屋 (奄美市)
「たんかん生美酢【KIBISU】」


奄美の伝統的な発酵食品「きび酢」に、地元産たんかんと粗糖を合わせた「たんかん生美酢」。
きび酢とたんかんの香りが調和し、すっきりと飲みやすい味わいが多くの来場者の心をつかみました。



今回の「あまみハンドメイド大賞」を通して、私たちはあらためて奄美の自然の豊かさと、そこに根ざす手仕事の奥深さに触れることができました。伝統を守りながらも、新しいかたちを模索し、島の魅力を伝えようとする作家さんたちの情熱は、すべての作品に輝きとして宿っています。

minneで出会える、奄美のぬくもり


minneには、今回ご紹介した作品以外にも、奄美の魅力を感じる作品がたくさんあります。大島紬を取り入れたアクセサリー、特産のフルーツをモチーフにしたアイテム、豊かな自然を感じる雑貨まで。遠く離れていても、作品たちが日常にそっと島の風を運んできてくれます。ぜひ、あなただけのお気に入りを見つけてみてください。

東京で出会える。奄美市賞受賞作品


今回、奄美市賞を受賞されたWE ARE VERY LUCKY COMPANYさんが、11月15日(土)・16日(日)に東京ビッグサイトで開催される「デザインフェスタ vol.62」に出展されます。
奄美の動植物をモチーフにした、かわいらしさと物語性あふれる作品たち。作り手さんから直接お話を聞きながら、その魅力に触れられる貴重な機会です。ぜひブースに足を運んで、奄美の風を感じてみてくださいね。

イベント主催者・しーまさんの開催レポートはこちら


  • Xでポストする
  • Facebookでシェアする