目次
チューリップの特徴
チューリップは、春に咲く球根植物です。開花時期は3月中旬～5月上旬とされていますが、品種によって多少異なります。「チューリップ」という名称は、花の形が頭に巻くターバンに似ていることから。ペルシャ語でターバンを意味する「Tulipan（チューリッパ）」や、トルコ語でターバンを意味する「Tulband（トゥルバンド）」に由来しています。トルコから中央アジアにかけての地域で野生種が多く見つかっており、原種だけでも100種類を超えるといわれています。現在までにたくさんの品種がつくられており、5,000品種以上が登録されています。
チューリップの品種
チューリップにはさまざまな品種があります。ここからは、開花時期によって4つに大別できるチューリップの代表的な品種をご紹介します。
早生種（わせしゅ）
早生種とは、春の早い時期から咲き始める品種です。草丈は20～30cm程度と低めのため、花壇や鉢植えに適しています。また、早生種はさらに「一重咲き」「八重咲き」と呼ばれる2種類に分類できます。一重咲きのチューリップは、馴染みのある先の尖った花姿が特徴です。一方の八重咲きは、何枚もの花びらが重なったボリュームのある姿が特徴。多少のズレはありますが、早生種の開花は入学や入園シーズン頃となるので春のイベントにぴったりな品種です。
主な早生種のチューリップ：一重早咲き、八重早咲き
中生種（なかてしゅ）
中生種とは、早生種と入れ替わるように4月の中旬頃から咲き始める品種です。色鮮やかな花が咲く品種が多いことが特徴。草丈が30～40㎝まで育つため、切り花に適しています。早生種同様に中生種も大きく2つに分類することができ「トライアンフ」「ダーウィン・ハイブリッド」と呼ばれます。トライアンフは、一重早咲きと一重遅咲きの品種を交配してつくられ、カップ型の形状が特徴です。ダーウィン・ハイブリッドは、一重遅咲きと原種を交配してつくられました。それぞれの原種のいいところを掛け合わせた丈夫で色鮮やかな花姿が特徴です。
主な中生種のチューリップ：トライアンフ、ダーウィン・ハイブリッド
晩生種（おくてしゅ）
晩生種は、春の終わり頃に咲き始める品種です。大体4月下旬～5月上旬にかけて開花します。草丈は40～60㎝と高めのもが多く、切り花としても人気です。咲き方によって7種に分類される、種類が豊富な品種でもあります。形や色、咲き方は品種によってさまざまです。例えば「一重遅咲き」は草丈が高い品種が多く、花束を豪華に演出してくれます。比較的新しい品種が多い「フリンジ咲き」は、花びらの先端がフリンジ状になっており、その華やかさが魅力です。
主な晩生種のチューリップ：一重遅咲き、八重遅咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲き、ビリディフローラ、レンブラント咲き
原種（げんしゅ）
原種のチューリップは、他の品種と比べて小さめのものが多く「ミニチューリップ」とも呼ばれます。草丈や花姿は品種によってさまざまですが、原種ならではの素朴な花色や佇まいが人気です。原種の特徴のひとつが、暑さや寒さに強いため2～3年植えっぱなしでも毎年開花する種類が多いこと。お手入れに自信のない方でも、安心して育てやすい品種です。小さい鉢でも育てやすいサイズ感のものが多いので、ベランダなど省スペースな場所での栽培にもぴったりです。
主な原種のチューリップ：ライラックワンダー、レディジェーン、クルシアナ、ティンカ
チューリップの植え付け方と育て方
ここからは、チューリップの栽培に適した環境や植え付け方について解説します。ぜひ、お家でチューリップの栽培にチャレンジしてみてくださいね。
栽培環境
チューリップは日当たりを好みます。日当たりがよく、水はけがよいところで育ててあげましょう。水はけの悪い場所だと、植え付けた後に腐敗してしまうことがあります。不安な場合は、砂やパーライトを土に混ぜると水はけが改善しますよ。チューリップの生育に適した温度は10～15℃。寒さに強いため、冬も外で育てることができます。冬を経験させることで丈夫で元気な花が育ちやすいといわれています。逆に、夏は涼しい場所で管理しましょう。
植え付け
チューリップは、球根を土に植え付けて育てていきます。鉢植えにも地植えにも適しているので、日当たりがよく水はけのよい環境を選びながら植え付けていきましょう。チューリップの球根は夏の終わり頃から市場に出回るため、植え付けは10～11月頃に行うのがおすすめ。ただし、最近では地域によって夏の暑さが長引くことも多いため、生育に適した10～15℃を意識しながら、地域の気候に適した時期に植え付けるとよいでしょう。鉢植えの場合は、市販の園芸用土、腐葉土など、水はけのよい土を選んでくださいね。
肥料
チューリップは無肥料でも育ちますが、肥料を加えた方が生育がよく元気な花を咲かせてくれます。肥料を加える場合、チューリップの花が咲く前と後に与えます。まずは植え付ける際に、元肥としてゆっくりと効く緩効性肥料を土に加えてよく混ぜておきましょう。花が咲いた後は、水で薄めた液体肥料をひと月に2～3回程度与えます。地植えにする場合は、事前に堆肥や腐葉土を土に加えて混ぜておくのがおすすめです。
水やり
鉢植えの場合、1日1回の水やりで土が乾燥しないように管理します。ただし、土がまだ湿った状態で水やりをしてしまうと球根が腐ってしまうため、土を指で触って乾燥の状態をしっかり確認しましょう。水やりは午前中がおすすめです。地植えの場合は、植え付けのときにたっぷりと水やりをしてあげれば、それ以降の水やりは不要です。もし乾燥する日が続くときには、地植えの場合でも水やりをしてあげましょう。
チューリップの花が咲き終わった後にやること
チューリップを毎年綺麗に咲せるためには、開花した後の処理が大切です。ここでは、開花が終わる頃に必要な処理について解説します。
球根の掘り上げ
チューリップの花が咲いた後、しおれてきてしまったらできるだけ早く花を切り取ります。これは、しおれた花に栄養分を取られないようにするためです。このとき、必ず葉は残しておくのがポイント。花を切り取った後も、日光を浴びた葉が球根を大きく育てるため、葉が緑の間はしっかりと水やりを続けましょう。球根を掘り上げるタイミングの目安は、葉が黄色く枯れ始めた頃になります。傷付けないようにやさしく掘り上げてあげましょう。
球根の保存
球根を掘り上げたら、やさしく表面の土を落とし、小さな球根がくっついてる場合はひとつひとつ丁寧に分けていきます。翌年も元気に育つ、大きめの球根だけを残しておきましょう。水で洗って十分に乾燥させ、風通しのよい日陰で保存します。目の粗いネットなどに入れて吊るし、次の植え付け時期まで保管しておくとよいでしょう。複数の球根がある場合には、品種や色ごとに分けて保存すると便利ですよ。
チューリップの花言葉
チューリップ全体の花言葉は「思いやり」「博愛」です。これらの花言葉には、愛にまつわるとある伝説が関係しています。その昔、オランダの小さな村に美しい少女が暮らしていました。ある日3人の騎士がその少女に恋をし、少女を射止めようとそれぞれが家宝としていた王冠、剣、黄金をプレゼントし、求愛します。悩んだ少女は、花の女神・フローラに「自分を花の姿に変えてほしい」とお願いしました。願いを聞き入れたフローラは、少女をチューリップの花に変えてしまいました。3人の騎士からプレゼントされた王冠が花に、剣が葉に、黄金が球根を表しているといわれています。また、チューリップは色ごとにも異なる花言葉をもっています。チューリップを贈る際には、色ごとの花言葉もチェックしてみてはいかがでしょうか。
色ごとに異なるチューリップの花言葉
ここからは、色ごとに異なるチューリップの花言葉をご紹介します。ぜひチューリップを贈る際の参考にしてみてくださいね。
赤いチューリップ
愛を象徴するカラーとして知られる「赤」。赤いチューリップの花言葉は「真実の愛」「愛の告白」です。告白やプロポーズの際にプレゼントされることも多いカラーです。
白いチューリップ
白いチューリップの花言葉は「新しい恋」「失われた恋」など。まっさらなイメージがぴったりな白のチューリップに「新しい恋」という花言葉は納得です。ただ、「失恋」などネガティブな花言葉ももっているので、贈り物にする場合には感謝の気持ちなどのポジティブなメッセージを添えてあげるとよいでしょう。
黄色のチューリップ
見ているだけで元気をもらえる黄色のチューリップの花言葉は「正直」「高慢」「名声」「望みのない恋」など。複数の花言葉をもつ黄色のチューリップを贈る際には、ぜひ感謝やお祝いの気持ちなどポジティブなメッセージを添えたいですね。
オレンジのチューリップ
オレンジ色のチューリップの花言葉は「照れ屋」。見ての通り顔がポッと赤くなったときの色味に似ていることからつけられた花言葉なのだそう。
ピンクのチューリップ
昔から「美」や「女性」を象徴する色として使われることが多いピンク。花言葉は「愛の芽生え」「誠実な愛」などがあります。大切な人への贈り物にもおすすめです。
黒いチューリップ
紫がかった黒色の花を咲かせる品種もあるチューリップ。花言葉は「私を忘れて」です。黒が死を連想させることから、この花言葉がついたとされています。贈り物には向かない色ではありますが、部屋に飾ればシックな雰囲気を楽しむことができますよ。
紫のチューリップ
紫のチューリップの花言葉は「不滅の愛」「永遠の愛」です。どこか初々しいピンク色とはまた違った、大人の恋を感じさせるような花言葉ですね。
・白：「新しい恋」「失われた恋」
・黄：「正直」「名声」「高慢」「望みのない恋」
・オレンジ：「照れ屋」
・ピンク：「愛の芽生え」「誠実な愛」
・黒：「私を忘れて」
・紫：「不滅の愛」「永遠の愛」
本数で変わるチューリップの花言葉
色だけではなく本数によって、花束に込められた意味が変わります。こちらはチューリップ固有の花言葉ではなくどの花にも当てはまる法則なので、花を贈る際の参考にしてみてくださいね。
3本：愛してます
4本：一生愛し続けます
6本：あなたに夢中です
8本：思いやりに感謝します
9本：いつも一緒にいたいです
11本：最愛
12本：恋人（妻）になってください
15本：ごめんなさい
16本：不安な愛
17本：絶望の愛
40本：永遠の愛を誓います
50本：永遠
99本：永遠の愛
108本：結婚してください
チューリップモチーフのおすすめ作品7選
ここからは、minneで見つけたチューリップモチーフの素敵な作品をご紹介します。
絵画のようなデザイン
陶土ならではの素朴な質感とライトブラウンをベースにした温かみ溢れる色がマッチ。シーンを問わず活躍してくれそうですね。
成長を見守るベビーリング
お子さんの成長を温かく見守ってくれるような、やさしいチューリップのデザインが美しいベビーリングです。ネックレスチェーンに通してペンダントトップとしても楽しめますよ。
桃色珊瑚のやわらかな色合い
桃色珊瑚でつくられたチューリップの色合いにうっとり。花ひとつひとつが異なるグラデーションをもっています。華奢で上品なデザインは、普段使いにもドレスアップした日にもぴったり。
カジュアルで華やかなバッグ
カジュアルな印象の中にも、チューリップをモチーフにしたフォルムで華やかさもあわせ持ったバケツバッグです。手提げも斜め掛けも可能な2WAYで、使いやすいデザイン。
さりげないチューリップ刺繍がアクセント
手刺繍による温かみのあるチューリップ刺繍がかわいらしいキャップ。可憐な印象を添えてくれるので、キャップを使ったコーディネートはカジュアルになりすぎて難しい…と感じている方にもおすすめです。
温かみのある素朴な素材感
珍しい布製のスマホケースです。生地の温かみのある素材感とレトロな刺繍で、生活にすっと馴染むデザイン。やわらかな色合いのチューリップは、見るたびに愛着が湧きます。
幻想的な螺鈿の輝き
天然貝を使用した螺鈿（らでん）の輝きにときめく作品。手のひらサイズで持ち運びにも便利なミラーです。化粧箱入りなので贈り物にもぴったりですよ。
チューリップに関するよくある質問
植え付け時期や開花時期、花言葉など、チューリップにまつわるよくある質問をまとめてみました。育て方や贈り物の参考にしてくださいね。
チューリップの球根を植えるのはいつ？
チューリップの球根の植え付け時期は10～11月が適しています。ホームセンターや園芸店では夏の終わりの9月頃から球根が並び始めます。チューリップの生育に適した気温は10～15℃のため、暑さが過ぎた秋頃の植え付けがベストです。紅葉の見ごろ時期＝球根の植え付けシーズン、ともいわれています。詳しくはこちらをチェックしてくださいね。
チューリップの球根の植え方は？
チューリップは鉢植え、地植えにも適しています。日当たりがよく水はけのよい環境を選んで植えましょう。鉢植えの場合、土の表面から10cmほどの位置に球根を植えます。複数の球根を植える場合には、間隔を3cmほど開け、茎の向きがそろうように球根の向きを確認しながら植えましょう。
チューリップの開花時期は？
チューリップの開花時期は一般的には3月中旬～5月上旬とされていますが、品種によって多少異なります。3月下旬頃に咲く早生種（わせしゅ）、4月中旬頃から咲く中生種（なかてしゅ）、春の終わりに咲く晩生種（おくてしゅ）と3つに分類することができ、組み合わせて植えることで長くチューリップの開花を楽しむことができますよ。
チューリップの球根の保存方法は？
チューリップの花が咲いた後、葉が黄色く枯れてきたら球根を掘り上げます。小さな球根がくっついてる場合はひとつひとつ丁寧に分け、大きめの球根だけを残したら水で洗って風通しのよい日陰で保存しましょう。目の粗いネットに入れて吊るして保存しておくのがおすすめです。詳しくはこちらをチェックしてくださいね。
チューリップの花言葉は？
チューリップ全体の花言葉は「思いやり」「博愛」です。また、チューリップは色ごとにも異なる花言葉があります。例えば、赤いチューリップの花言葉は「真実の愛」「愛の告白」、ピンクのチューリップは「愛の芽生え」「誠実な愛」など。チューリップを贈る際には、色ごとに異なる花言葉もチェックしてみてはいかがでしょうか。
チューリップを取り入れた、温かみのある暮らしを楽しもう
さまざまな品種のあるチューリップ。自分好みの花姿や贈り物に適した花言葉をもつ花の色にも注目して選びたいですね。贈り物にぴったりなチューリップモチーフの作品もぜひminneで探してみてください。
