【絡繰王国年代記】黒騎士の独白

なぜ？ 幾度考えても解らない。 破綻したのはいつからだ。小娘を見過ごしたときか。或いは王子をあの場所へ誘ったときか。 否、答えは疾うに出ている。 彼女が「王女」になった日からだ。あの時から崩壊は始まった。 彼女の母は大店の娘で、王宮に侍女として仕えていた。大層な美貌だったが、それ故王宮を追われた。実家に戻った娘は程なく一人の女児を産み、そのまま世を去る。父親は第二王子だった。 やがて国も代替わりの時を迎え、恙なく王位は継承されたかにみえたが、突然に反旗を翻したのは第二王子。だが叛乱はあえなく失敗し、関係者は皆、女子供に至るまで全て国を追われた。存在を知られていなかった彼女を除いて。 更に時は過ぎ、後継も誕生した。だが生まれるのは何故か男ばかり。 外交のため嫁がせる駒を探す王の耳に、第二王子の娘の噂が舞い込む。噂の真相はすぐに突き止められ、彼女は「王女」になった。そして瞬く間に支度は整えられて、出自を偽った「偽王女」は南方の絡繰の国へと嫁がされた。 何故あの時、自分は口を滑らせたのか。 婚儀まであと僅かだった。兵士を辞し、娘と共に店を継ぐ筈だった。 描いた幸せな未来はあの時、脆くも崩れ去ったのだ。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ 剣と歯車のイヤカフ＆ピアス／イヤリングのセットです。 王をイメージした赤い雫と、王子をイメージした青い雫、王妃をイメージした透明の雫をそれぞれあしらった、3種類のご用意となります。 イヤリングは［＋¥100］となりますので、［送料＋イヤリング］をご選択ください。 【サイズ等】 〈サイズ〉 イヤカフ：約55mm×20mm ピアス：全長約50mm イヤリング：全長約45mm 〈在庫〉 王(青石×赤雫)：1 王子(橙石×青雫)：1 王妃(赤石×透明)：1 ※ご注文の際は備考にてご希望のセットをご指定ください※ 絡繰王国を震撼させた悲劇の騎士の顛末は如何でしたでしょうか？ これにて絡繰王国の昔話はおしまいです。 いきがぽーんとさけた。