作品説明
ARABIAのビルガー・カイピアイネン(Birger Kaipiainen)が1967年にデザインした、ヴィオラ(Viola)の飾り皿です。皿そのものがパンジーの花のかたちをしており、五つの花弁に合わせて縁が波打ち、見込みも花弁ごとにゆるやかに区切られています。本品は珍しい大判サイズです。
色は黒と青の二色だけです。上の二弁は黒、下の三弁は鮮やかな青で、中心の黒から外へ向かって青が明るさを増していきます。釉薬は鏡のような高い光沢を持ち、置いた場所の光を映し込んで、花弁の起伏が一層立体的に見えます。パンジーの花を一輪そのまま器にした大胆な造形と、黒と青の強い対比は、離れた場所からも目を引き、壁に掛けても棚に立ててもそれだけで空間の主役になります。
デザイン年の1967年は、カイピアイネンがモントリオール万国博覧会のために巨大な陶の壁面「すみれの海(Orvokkimeri)」を制作した年です。パンジーやすみれの花は彼の代表的なモチーフで、1969年に生まれたパラティッシ(Paratiisi)の華やかな花の装飾にも通じています。ヴィオラの飾り皿は、その花をひとつのかたちとして取り出した作品です。本品は、いまタンペレ市議会の議場に掛かる「すみれの海」の花と同じ大きさです。
裏面には素地に型押しで「Viola 1967」「ARABIA FINLAND」「KAIPIAINEN invenit」と記されています。インヴェニト(invenit)はラテン語で「考案した」の意味で、版画で原画の作者を示す慣用に倣い、原案がカイピアイネン、製作がARABIAの工場であることを表しています。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯
1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1916年にフィンランド資本の企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。
黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。
このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド
・1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
・1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入されたトンネル窯を表現したデザイン。
・1949〜2014年:クラウンマーク(王冠)。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
・生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
・2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
・メーカー:ARABIA / アラビア
・デザイナー:Birger Kaipiainen / ビルガー・カイピアイネン
・シリーズ名:Viola / ヴィオラ
・サイズ区分:大判
・年代:1967年(デザイン年)
・製造国:フィンランド
・サイズ:縦約28cm 横約25cm 高さ約4cm
コンディション:割れ、欠け、貫入のない完品です。
ARABIAのビルガー・カイピアイネン(Birger Kaipiainen)が1967年にデザインした、ヴィオラ(Viola)の飾り皿です。皿そのものがパンジーの花のかたちをしており、五つの花弁に合わせて縁が波打ち、見込みも花弁ごとにゆるやかに区切られています。本品は珍しい大判サイズです。
色は黒と青の二色だけです。上の二弁は黒、下の三弁は鮮やかな青で、中心の黒から外へ向かって青が明るさを増していきます。釉薬は鏡のような高い光沢を持ち、置いた場所の光を映し込んで、花弁の起伏が一層立体的に見えます。パンジーの花を一輪そのまま器にした大胆な造形と、黒と青の強い対比は、離れた場所からも目を引き、壁に掛けても棚に立ててもそれだけで空間の主役になります。
デザイン年の1967年は、カイピアイネンがモントリオール万国博覧会のために巨大な陶の壁面「すみれの海(Orvokkimeri)」を制作した年です。パンジーやすみれの花は彼の代表的なモチーフで、1969年に生まれたパラティッシ(Paratiisi)の華やかな花の装飾にも通じています。ヴィオラの飾り皿は、その花をひとつのかたちとして取り出した作品です。本品は、いまタンペレ市議会の議場に掛かる「すみれの海」の花と同じ大きさです。
裏面には素地に型押しで「Viola 1967」「ARABIA FINLAND」「KAIPIAINEN invenit」と記されています。インヴェニト(invenit)はラテン語で「考案した」の意味で、版画で原画の作者を示す慣用に倣い、原案がカイピアイネン、製作がARABIAの工場であることを表しています。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯
1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1916年にフィンランド資本の企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。
黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。
このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド
・1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
・1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入されたトンネル窯を表現したデザイン。
・1949〜2014年:クラウンマーク(王冠)。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
・生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
・2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
・メーカー:ARABIA / アラビア
・デザイナー:Birger Kaipiainen / ビルガー・カイピアイネン
・シリーズ名:Viola / ヴィオラ
・サイズ区分:大判
・年代:1967年(デザイン年)
・製造国:フィンランド
・サイズ:縦約28cm 横約25cm 高さ約4cm
コンディション:割れ、欠け、貫入のない完品です。