作品説明
グスタフスベリのベルサ(Berså)シリーズのキャニスター(小物入れ)です。木製の蓋と、壁に掛けるための穴があいた陶器の背板を備えた、シリーズの中でも流通量が極めて少ない希少なアイテムです。
ベルサの鮮やかな緑の葉柄がキャニスター本体をぐるりと包み、自然の木目を持つ木製の蓋との対比が美しい一品です。背板の上部にも同じ葉柄が施されており、全体の意匠に統一感があります。ヴィンテージ品ならではの深みのある緑色は、現在流通している復刻版とは一線を画す色味です。
デザイナーのスティグ・リンドベリは1960年にこのデザインを完成させ、1961年からベルサシリーズの生産が開始されました。Berså(ベルサ)とはスウェーデン語で「東屋(あずまや)」を意味します。木漏れ日が差し込む庭のパーゴラ、そこに揺れる青々とした葉。北欧の長い冬を過ごす人々にとって、夏の庭は特別な場所でした。その情景を手のひらに収めたような、温かみのあるデザインです。
ベルサシリーズには復刻版もありますが、色味がヴィンテージに比べて淡い緑となっています。また復刻版のキャニスターは円筒形であるのに対し、こちらは半円形で上部に取手付きというフォルムも優れた逸品です。ヴィンテージのキャニスターはもともとの数が非常に少ないため、ファン垂涎のコレクターズアイテムの一つです。
クロモトリック — ベルサの転写印刷技法
ベルサの模様はクロモトリック(kromotryck)と呼ばれる転写印刷で施されています。あらかじめ模様が印刷された転写紙(デカール)を水に浸して台紙から剥がし、素地に一枚ずつ手作業で貼り付けたあと焼成して定着させる技法です。ベルサでは緑と黒の2色が用いられています。
素材はフリント陶器(flintgods)です。フリント陶器とは火打ち石(フリント)を混ぜた多孔質の陶器で、グスタフスベリが日用食器の量産に用いた素材です。焼結しないため液体を吸収する性質があり、表面を釉薬で覆うことで防水性を確保しています。復刻版はすべてボーンチャイナ(benporslin)で製造されており、素地の質感や重さがオリジナルとは異なります。
■詳細スペック
・メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
・デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
・シリーズ名:Berså / ベルサ
・年代:1961年〜1974年
・製造国:スウェーデン
・素材:陶器(本体)、木(蓋)
・サイズ:直径 約14cm 高さ約20cm
コンディション:使われることなく残ったデッドストック品です。経年による保管中のわずかな変化は見られますが、内側の底にも外側の底にも擦り傷がなく、使用された形跡がありません。割れや欠けはなく、オリジナルの姿をとどめた完品です。
「遊び心の天才」スティグ・リンドベリ
スティグ・リンドベリは1916年、スウェーデン北部ウメオに生まれました。ストックホルムの工芸デザイン学校(現コンストファック)で絵画を学んだ後、1937年にグスタフスベリ磁器工場に入り、当時のアートディレクターであったヴィルヘルム・コーゲの薫陶を受けます。
コーゲは「美しいものを、すべての人の手に届く価格で」という信念を持つデザイナーでした。その精神を受け継いだリンドベリは、1949年にコーゲの後任としてアートディレクターに就任。1957年までその職を務め、1970年代はじめから1980年まで再び務めて、グスタフスベリの黄金期を築き上げます。陶磁器のみならずガラス、テキスタイル、工業デザイン、絵本の挿絵まで手がけた万能の創作者でした。
ベルサの誕生 — 「東屋」の緑
「Berså(ベルサ)」とはスウェーデン語で「東屋(あずまや)」を意味します。木漏れ日が差し込む庭園のパーゴラ、そこに揺れる青々とした葉。北欧の長い冬を過ごす人々にとって、夏の庭は特別な場所でした。リンドベリは1960年にこのデザインを完成させ、1961年から生産が開始されました。
一年の半分が暗く寒い冬に閉ざされるスウェーデンで、この鮮やかな緑の葉のパターンは食卓に夏の庭園を持ち込むものでした。当時の「フォルクヘム(国民の家)」思想 ── 美しいものをすべての国民に届けるという理念のもと、ベルサは一般家庭に広く普及しました。
ベルサの装飾は「転写(トランスファー)」技法で施されています。専用の転写シートに印刷された葉のパターンを、職人が一つひとつ手作業で貼り付け、焼成して定着させる手法です。大量生産でありながら、すべての工程に人の手が介在する ── それがヴィンテージのベルサに宿る温もりの理由です。
グスタフスベリのベルサ(Berså)シリーズのキャニスター(小物入れ)です。木製の蓋と、壁に掛けるための穴があいた陶器の背板を備えた、シリーズの中でも流通量が極めて少ない希少なアイテムです。
ベルサの鮮やかな緑の葉柄がキャニスター本体をぐるりと包み、自然の木目を持つ木製の蓋との対比が美しい一品です。背板の上部にも同じ葉柄が施されており、全体の意匠に統一感があります。ヴィンテージ品ならではの深みのある緑色は、現在流通している復刻版とは一線を画す色味です。
デザイナーのスティグ・リンドベリは1960年にこのデザインを完成させ、1961年からベルサシリーズの生産が開始されました。Berså(ベルサ)とはスウェーデン語で「東屋(あずまや)」を意味します。木漏れ日が差し込む庭のパーゴラ、そこに揺れる青々とした葉。北欧の長い冬を過ごす人々にとって、夏の庭は特別な場所でした。その情景を手のひらに収めたような、温かみのあるデザインです。
ベルサシリーズには復刻版もありますが、色味がヴィンテージに比べて淡い緑となっています。また復刻版のキャニスターは円筒形であるのに対し、こちらは半円形で上部に取手付きというフォルムも優れた逸品です。ヴィンテージのキャニスターはもともとの数が非常に少ないため、ファン垂涎のコレクターズアイテムの一つです。
クロモトリック — ベルサの転写印刷技法
ベルサの模様はクロモトリック(kromotryck)と呼ばれる転写印刷で施されています。あらかじめ模様が印刷された転写紙(デカール)を水に浸して台紙から剥がし、素地に一枚ずつ手作業で貼り付けたあと焼成して定着させる技法です。ベルサでは緑と黒の2色が用いられています。
素材はフリント陶器(flintgods)です。フリント陶器とは火打ち石(フリント)を混ぜた多孔質の陶器で、グスタフスベリが日用食器の量産に用いた素材です。焼結しないため液体を吸収する性質があり、表面を釉薬で覆うことで防水性を確保しています。復刻版はすべてボーンチャイナ(benporslin)で製造されており、素地の質感や重さがオリジナルとは異なります。
■詳細スペック
・メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
・デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
・シリーズ名:Berså / ベルサ
・年代:1961年〜1974年
・製造国:スウェーデン
・素材:陶器(本体)、木(蓋)
・サイズ:直径 約14cm 高さ約20cm
コンディション:使われることなく残ったデッドストック品です。経年による保管中のわずかな変化は見られますが、内側の底にも外側の底にも擦り傷がなく、使用された形跡がありません。割れや欠けはなく、オリジナルの姿をとどめた完品です。
「遊び心の天才」スティグ・リンドベリ
スティグ・リンドベリは1916年、スウェーデン北部ウメオに生まれました。ストックホルムの工芸デザイン学校(現コンストファック)で絵画を学んだ後、1937年にグスタフスベリ磁器工場に入り、当時のアートディレクターであったヴィルヘルム・コーゲの薫陶を受けます。
コーゲは「美しいものを、すべての人の手に届く価格で」という信念を持つデザイナーでした。その精神を受け継いだリンドベリは、1949年にコーゲの後任としてアートディレクターに就任。1957年までその職を務め、1970年代はじめから1980年まで再び務めて、グスタフスベリの黄金期を築き上げます。陶磁器のみならずガラス、テキスタイル、工業デザイン、絵本の挿絵まで手がけた万能の創作者でした。
ベルサの誕生 — 「東屋」の緑
「Berså(ベルサ)」とはスウェーデン語で「東屋(あずまや)」を意味します。木漏れ日が差し込む庭園のパーゴラ、そこに揺れる青々とした葉。北欧の長い冬を過ごす人々にとって、夏の庭は特別な場所でした。リンドベリは1960年にこのデザインを完成させ、1961年から生産が開始されました。
一年の半分が暗く寒い冬に閉ざされるスウェーデンで、この鮮やかな緑の葉のパターンは食卓に夏の庭園を持ち込むものでした。当時の「フォルクヘム(国民の家)」思想 ── 美しいものをすべての国民に届けるという理念のもと、ベルサは一般家庭に広く普及しました。
ベルサの装飾は「転写(トランスファー)」技法で施されています。専用の転写シートに印刷された葉のパターンを、職人が一つひとつ手作業で貼り付け、焼成して定着させる手法です。大量生産でありながら、すべての工程に人の手が介在する ── それがヴィンテージのベルサに宿る温もりの理由です。