作品説明
オー・ヘンリーの短編小説「最後の一葉」にインスパイアを受けて誕生した新作「ひとひらの蓮」。
この蓮の物語を知って、より「ひとひらの蓮」に愛着を持って頂けたら嬉しいです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
新作ロータス物語「ひとひらの蓮」
幼い頃からバレエを続けてきたクレール。
けれど、思うように上達しない。
周りには自分より才能のある人たち。
羨ましい。
上手くなりたい。
そう願うほど、自分のできないところばかりが
目につく。
「もう、ここまでにしようかな」
そう思い始めていた。
それでも彼女は、
誰もいない蓮池へ練習に出かける。
静かな水辺でひとりで踊る。
その蓮池では毎日、
蕾が膨らんでは花が咲く。
そして花びらが一枚ずつ
静かに散っていく。
ある日、今年最後の蕾が膨らんできたのを見て
彼女は決めた。
この蓮の花が、
すべて散るまでに上達できなければ
バレエをやめよう。
それからも、彼女は毎日踊った。
一日。
また一日。
蕾は大きな花を咲かせ、
ひとひら
ひとひら
静かに花びらを落としていった。
そして、とうとう最後の一枚になった。
「明日には、きっと散ってしまう。
なのに、まだうまくできない」
彼女が焦りを感じながら迎えた翌朝。
花びらはまだそこにあった。
次の日も。
その次の日も。
彼女は不思議に思いながらも、また踊る。
そしてある日、ふと思った。
「私、まだ踊りたいんだ」
上手くなりたいという思いに
心をいっぱいにしていたけど、
私は踊ることがずっと好きだった。
「上手くなるのがゆっくりでもいい。
好きなバレエを楽しもう。」
自分のために続けようと決めたクレールは
まっすぐ蓮に近付いた。
そこにあったのは、
色を残したまま、
静かに乾いた一枚の花びら。
まるで、咲いていた時間を
そのまま閉じ込めたかのようだった。
その時、最後のひとひらが落ちた。
彼女は時を止めたその花びらを手に
蓮池を後にした。
▶︎この物語を表現した蓮「ひとひらの蓮」はこちら
https://minne.com/items/46616745
オー・ヘンリーの短編小説「最後の一葉」にインスパイアを受けて誕生した新作「ひとひらの蓮」。
この蓮の物語を知って、より「ひとひらの蓮」に愛着を持って頂けたら嬉しいです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
新作ロータス物語「ひとひらの蓮」
幼い頃からバレエを続けてきたクレール。
けれど、思うように上達しない。
周りには自分より才能のある人たち。
羨ましい。
上手くなりたい。
そう願うほど、自分のできないところばかりが
目につく。
「もう、ここまでにしようかな」
そう思い始めていた。
それでも彼女は、
誰もいない蓮池へ練習に出かける。
静かな水辺でひとりで踊る。
その蓮池では毎日、
蕾が膨らんでは花が咲く。
そして花びらが一枚ずつ
静かに散っていく。
ある日、今年最後の蕾が膨らんできたのを見て
彼女は決めた。
この蓮の花が、
すべて散るまでに上達できなければ
バレエをやめよう。
それからも、彼女は毎日踊った。
一日。
また一日。
蕾は大きな花を咲かせ、
ひとひら
ひとひら
静かに花びらを落としていった。
そして、とうとう最後の一枚になった。
「明日には、きっと散ってしまう。
なのに、まだうまくできない」
彼女が焦りを感じながら迎えた翌朝。
花びらはまだそこにあった。
次の日も。
その次の日も。
彼女は不思議に思いながらも、また踊る。
そしてある日、ふと思った。
「私、まだ踊りたいんだ」
上手くなりたいという思いに
心をいっぱいにしていたけど、
私は踊ることがずっと好きだった。
「上手くなるのがゆっくりでもいい。
好きなバレエを楽しもう。」
自分のために続けようと決めたクレールは
まっすぐ蓮に近付いた。
そこにあったのは、
色を残したまま、
静かに乾いた一枚の花びら。
まるで、咲いていた時間を
そのまま閉じ込めたかのようだった。
その時、最後のひとひらが落ちた。
彼女は時を止めたその花びらを手に
蓮池を後にした。
▶︎この物語を表現した蓮「ひとひらの蓮」はこちら
https://minne.com/items/46616745