作品説明
午後の庭には、まだ夏の陽射しが残っていた。
けれど、木陰に入ると、
ふっと涼しい風が頬を撫でていく。
少女は古い庭のベンチに腰掛け、
風に揺れる花を眺めていた。
すると、どこからともなく一匹のトンボが飛んできた。
淡い桃色の花の上にとまり、
翅をきらめかせながら、しばらく動かない。
少女がそっと近づくと、
トンボは逃げることなく、風に身を預けていた。
その姿を見ていると、
季節がゆっくりと変わっていくのを感じた。
蝉の声は少し遠くなり、
庭を渡る風は、昨日よりほんの少し冷たい。
「もうすぐ、秋なのね」
少女が呟く。
その言葉に答えるように、
トンボがふわりと飛び立った。
花から花へ。
木々の間を抜け、
古い庭を横切っていく。
少女はその姿が見えなくなるまで眺めていた。
そして、今日の風と一緒に、
この小さな訪れも残しておきたいと思った。
一枚の紙に、短い言葉を綴る。
――今日、庭を渡る風の中に、秋の気配を見つけました。
紙を折り、そっと封をする。
淡い桃色の封蝋に、
庭を飛んでいたトンボの印を残した。
それは、夏と秋のあいだに吹いた、
ほんの一瞬の風を閉じ込めた封蝋だった。
――秋は、まだ遠く。
けれど確かに、この庭へ近づいている
午後の庭には、まだ夏の陽射しが残っていた。
けれど、木陰に入ると、
ふっと涼しい風が頬を撫でていく。
少女は古い庭のベンチに腰掛け、
風に揺れる花を眺めていた。
すると、どこからともなく一匹のトンボが飛んできた。
淡い桃色の花の上にとまり、
翅をきらめかせながら、しばらく動かない。
少女がそっと近づくと、
トンボは逃げることなく、風に身を預けていた。
その姿を見ていると、
季節がゆっくりと変わっていくのを感じた。
蝉の声は少し遠くなり、
庭を渡る風は、昨日よりほんの少し冷たい。
「もうすぐ、秋なのね」
少女が呟く。
その言葉に答えるように、
トンボがふわりと飛び立った。
花から花へ。
木々の間を抜け、
古い庭を横切っていく。
少女はその姿が見えなくなるまで眺めていた。
そして、今日の風と一緒に、
この小さな訪れも残しておきたいと思った。
一枚の紙に、短い言葉を綴る。
――今日、庭を渡る風の中に、秋の気配を見つけました。
紙を折り、そっと封をする。
淡い桃色の封蝋に、
庭を飛んでいたトンボの印を残した。
それは、夏と秋のあいだに吹いた、
ほんの一瞬の風を閉じ込めた封蝋だった。
――秋は、まだ遠く。
けれど確かに、この庭へ近づいている
作品情報
サイズ
重さ 1g/縦3.4cm 横2.7cm
発送までの目安
3日
配送方法・送料
クリックポスト
185円(追加送料:0円)
全国一律
全国一律
購入の際の注意点
ご購入前にご確認ください。
・ひとつひとつ手作業で制作しております。
色の混ざり方や気泡の入り方に個体差がございます。
・強い力を加えると割れる可能性がありますので、お取り扱いにはご注意ください。
・撮影環境により、実際の色味と多少異なる場合がございます。
・封蝋パーツとしての販売です。
粘着加工はしておりません。
小さなゆらぎも含めて、
作品の個性としてお楽しみいただけましたら幸いです。