リサ・ラーソンが、ストックホルム郊外の別荘地ナッカにあるガゼボ(東屋)をモチーフに手がけた1986年の作品です。1980年にグスタフスベリを退社しフリーランスとして活動していた時期の制作にあたります。退社後のリサはストックホルム郊外のウッグレヴェーゲン(Ugglevägen)に自らのアトリエを構え、世界中の企業からの依頼を受けながら個人の創作活動を続けていました。
後年よく見られるガゼボの量販品は、1992年にリサが古巣グスタフスベリ社内に創設したケラミックスタディオン(Kスタジオ)で制作されたものですが、本作はそれより6年早い1986年、フリーランス時代の自身のアトリエで手がけられた作品です。底面には「Lisa L 1986」、そして「Ex. Nr. 8」の手書き表記が入っています。
モデルとなったストーラ・ニッケルヴィーケン(Stora Nyckelviken)のガゼボ(Lusthus) — 黄色い外壁と黒いドーム屋根が特徴的な八角形の建物
ガゼボは、後年市場で比較的よく見られる開口部の大きなランタン型の作例で知られていますが、本品はそれと比べて、窓や入口が閉じた建築彫刻的なフォルムを備えているのが大きな特徴です。正面扉は大きく抜かれず、描線によって丁寧に表現され、窓まわりにもより静かな建築描写が感じられます。実用品的な印象よりも、小さな建築を写し取ったオブジェとしての魅力が際立つ個体です。
BPAシリーズとの共通性 —— 建築彫刻としての原点
この閉じた扉の造形は、同時期にリサが手がけたBPAシリーズの建物像によく似ています。BPAシリーズはスウェーデンの不動産会社からの依頼により制作された限定陶器像シリーズで、スウェーデン各地の建築物を忠実に写し取ったオブジェ作品です。
BPAシリーズ「青い家」(1986年・100点限定) — 閉じた扉と窓の造形がガゼボ初期モデルと共通する
BPAシリーズ「古民家」(1987年・75点限定) — 建築のディテールを忠実に再現した陶器像
ガゼボの最初期モデル(1986年)がBPAシリーズと共通する閉じたフォルムを備えていることは、リサがこの作品を当初ランタン(照明器具)としてではなく、純粋な建物の陶器像として——BPAシリーズと同じ文脈で——制作していたことを伝えています。扉を大きく抜いてキャンドルを灯す実用品へと変わったのは後年のことであり、この作品こそがリサの建築彫刻の原点です。
後年に一般化した開口型のガゼボ — 本品の閉じたフォルムとの違いが分かる
これまで確認できた情報からは、発売初年度の1986年時点でこのシリーズには、後年一般化する開口型とは異なる、閉じたフォルムの初期仕様が存在していたことになります。Ex. Nr. 8という表記から、本作は最初に作られた8番目の個体ということになります。本作「ガゼボ」は一般的には開口型のキャンドルスタンドとされていますが、最初期にはオブジェとして製作されていたことがわかります。
また、建物そのものの輪郭、窓の配置、屋根の表情といった細部に、後年の量販品とは異なるディテールの違いがあります。ドアの有無、窓のひさしの深さ、本作は屋根が八角形ですが量販品は六角形であるなど、随所に作り込みの違いがみられます。
通常流通のランタン型とは異なる意匠を備えた、最初期モデル。建築モチーフのリサ・ラーソン作品を探している方、量産では出せない個体差や背景を楽しみたい方におすすめしたい一作です。
→ 当店で以前取り扱ったガゼボ(Nyckelviken)の開口型ランタン(1994年製・Ex m.89)はこちら
■詳細スペック
・デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
・作品名:Nyckelviken / ニッケルヴィーケン(ガゼボ)
・年代:1986年
・エディション:Ex. Nr. 8(8番目の作例)
・製造国:スウェーデン
・素材:陶器(手作り)
・サイズ:高さ18.5cm 直径11cm
・サイン:底面に「Lisa L 1986 Ex. Nr. 8」手書き
コンディション:割れや欠け、貫入がなく、製造時の姿をそのままとどめた完品のコンディションです。
■関連コレクション
・リサ・ラーソン
・オブジェ・インテリア
・新着商品
→ リサ・ラーソン完全ガイド — 生涯・代表作・サインの見分け方
リサ・ラーソンが、ストックホルム郊外の別荘地ナッカにあるガゼボ(東屋)をモチーフに手がけた1986年の作品です。1980年にグスタフスベリを退社しフリーランスとして活動していた時期の制作にあたります。退社後のリサはストックホルム郊外のウッグレヴェーゲン(Ugglevägen)に自らのアトリエを構え、世界中の企業からの依頼を受けながら個人の創作活動を続けていました。
後年よく見られるガゼボの量販品は、1992年にリサが古巣グスタフスベリ社内に創設したケラミックスタディオン(Kスタジオ)で制作されたものですが、本作はそれより6年早い1986年、フリーランス時代の自身のアトリエで手がけられた作品です。底面には「Lisa L 1986」、そして「Ex. Nr. 8」の手書き表記が入っています。
モデルとなったストーラ・ニッケルヴィーケン(Stora Nyckelviken)のガゼボ(Lusthus) — 黄色い外壁と黒いドーム屋根が特徴的な八角形の建物
ガゼボは、後年市場で比較的よく見られる開口部の大きなランタン型の作例で知られていますが、本品はそれと比べて、窓や入口が閉じた建築彫刻的なフォルムを備えているのが大きな特徴です。正面扉は大きく抜かれず、描線によって丁寧に表現され、窓まわりにもより静かな建築描写が感じられます。実用品的な印象よりも、小さな建築を写し取ったオブジェとしての魅力が際立つ個体です。
BPAシリーズとの共通性 —— 建築彫刻としての原点
この閉じた扉の造形は、同時期にリサが手がけたBPAシリーズの建物像によく似ています。BPAシリーズはスウェーデンの不動産会社からの依頼により制作された限定陶器像シリーズで、スウェーデン各地の建築物を忠実に写し取ったオブジェ作品です。
BPAシリーズ「青い家」(1986年・100点限定) — 閉じた扉と窓の造形がガゼボ初期モデルと共通する
BPAシリーズ「古民家」(1987年・75点限定) — 建築のディテールを忠実に再現した陶器像
ガゼボの最初期モデル(1986年)がBPAシリーズと共通する閉じたフォルムを備えていることは、リサがこの作品を当初ランタン(照明器具)としてではなく、純粋な建物の陶器像として——BPAシリーズと同じ文脈で——制作していたことを伝えています。扉を大きく抜いてキャンドルを灯す実用品へと変わったのは後年のことであり、この作品こそがリサの建築彫刻の原点です。
後年に一般化した開口型のガゼボ — 本品の閉じたフォルムとの違いが分かる
これまで確認できた情報からは、発売初年度の1986年時点でこのシリーズには、後年一般化する開口型とは異なる、閉じたフォルムの初期仕様が存在していたことになります。Ex. Nr. 8という表記から、本作は最初に作られた8番目の個体ということになります。本作「ガゼボ」は一般的には開口型のキャンドルスタンドとされていますが、最初期にはオブジェとして製作されていたことがわかります。
また、建物そのものの輪郭、窓の配置、屋根の表情といった細部に、後年の量販品とは異なるディテールの違いがあります。ドアの有無、窓のひさしの深さ、本作は屋根が八角形ですが量販品は六角形であるなど、随所に作り込みの違いがみられます。
通常流通のランタン型とは異なる意匠を備えた、最初期モデル。建築モチーフのリサ・ラーソン作品を探している方、量産では出せない個体差や背景を楽しみたい方におすすめしたい一作です。
→ 当店で以前取り扱ったガゼボ(Nyckelviken)の開口型ランタン(1994年製・Ex m.89)はこちら
■詳細スペック
・デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
・作品名:Nyckelviken / ニッケルヴィーケン(ガゼボ)
・年代:1986年
・エディション:Ex. Nr. 8(8番目の作例)
・製造国:スウェーデン
・素材:陶器(手作り)
・サイズ:高さ18.5cm 直径11cm
・サイン:底面に「Lisa L 1986 Ex. Nr. 8」手書き
コンディション:割れや欠け、貫入がなく、製造時の姿をそのままとどめた完品のコンディションです。
■関連コレクション
・リサ・ラーソン
・オブジェ・インテリア
・新着商品
→ リサ・ラーソン完全ガイド — 生涯・代表作・サインの見分け方