【硝子壜標本】夜光鉱石のペンダント『サン・マロ』

樫の木棚は窓辺の傍で、陽も月も浴びて70年を過ごす。 最初の主は既に亡く、それでも棚に傷みはない。 彼の妻が盲いながらも、手慣れた仕草で拭くからだろう。 夜光る鉱石たちは棚の最初の主のものだ。 至る土地にて育まれた鉱石は、彼の最も愛する形。 ひとつひとつ集めたものを、硝子壜へと住まわせた。 ちいさな粒と、おおきな欠片と。寂しくないようにと植物の種と。 世界中の土地の名をつけて、並べては目を輝かせた。 時経つにつれ少しづつ緑で賑わう棚は、彼の最愛の庭となり。 やがて立ち上がることができなくなった時は、彼の最愛の友となった。 陽のあたる棚には今も、いつくもの硝子壜が賑わう。 彼と共に過ごした部屋で。彼と作りあげた時間を閉じ込めて。 きぃと、ちいさく軋んで部屋の戸が開く。 覗かせた幼い姿。駆け寄って覗き込む硝子壜に、映り込むのは彼の孫だ。 微笑む口元と、きらきらとした目。 なんと彼に似ていることか。 ＊サン・マロ ＝ フランス、モンサンミッシェルの建つ湾 【硝子壜標本】夜光鉱石のペンダント『サン・マロ』 鉱石　　　　：水晶（染色） 人工石　　　：蓄光辺（白：半透明）水色発光 植物　　　　：モス：白/モミ：濃緑 硝子壜　　　：金色（メッキ）ドーム型閉じ込め式 金属装飾　　：金色（メッキ） 接着　　　　：UVレジン/多目的接着剤 チェーン　　：金色（メッキ）留め具（カニカン）付き 硝子壜高さ　：4.5cm 総重量　　　：21g チェーン長さ：86cm