【観測ペンダント】天体観測シリーズ【2016冬】

【観測ペンダント】天体観測シリーズ【2016冬】 ペインティング：アクリルガッシュ（ダウンブラック）／エナメル塗料 （ダークネイビー） 星（銀）　　　：六角形スパンコール／円形スパンコール コーティング　：レジン／UVレジン 金属カラー　　：金古美 首紐　　　　　：ロウ引きコード黒 装飾部：円直径2.8cm 総重量：6g 首周り：86cm ＊＊＊　　ご購入時の注意　　　＊＊＊ ・こちらは天体観測シリーズの【観測ペンダント】ページです。 　【バングル】【指輪】【ブローチ】は別ページになります。 ・星（スパンコール）は実際の星の配置に沿って手作業でひとつひとつ配置しておりますが寸分狂わぬ配置では御座いません。 　一番大きい六角形のスパンコールがを一等星とし、枠内左側中心に冬の大三角が見えるかと思います。 （一番上の一等星がオリオン座ベテルギウス、左端の一等星がこいぬ座プロキオン、最後がおおいぬ座のシリウス） ＊　＊　＊ 冬がきた。 今着けたばかりの右の手袋を焦って取り払う。液晶を滑る指は冷たいけれどタイプミスはない。 どうやら天気の心配はいらないみたいだ。 サイドキーで電源を落とす。手袋をまたはめて、机の上の電灯ストラップと一緒にスマートフォンをポケットに突っ込んだ。 先週黒いジャケットに合わせて買った黒皮の手袋はまだ固い。 廊下の先、玄関前に出しておいた天体望遠鏡は高校三年間バイト代を貯めに貯めて買ったものだ。 忘れ物がないか目視で見てから、最終確認で部屋を振り返る。 一人暮らしの狭いワンルームだ。電気も消えてる。 窓越しの街灯にうっすら照らされた部屋の壁。貼ってあるいくつもの星図ポスターの中、箔押しの星がひっそり光っていた。 スニーカーに足を差し込む。いつもより念入りに履き込んでから望遠鏡を担ぎ玄関を出た。慣れた施錠。足は迷わない。 息が白い。 あれはもうどのくらい前だろう。 地べたも凍る冬の夜。はじめて望遠鏡を覗いて観たのは一等星のプロキオンだった。 冬の大三角を形作るこいぬ座のα星は、二ケタも生きない子供の目には痛いくらいに光っていて。 気付けばこの年まで、星ばっかり追っかけてしまっている。痛み出す耳にもすっかり慣れてしまった。 「ーーーよく晴れてる」 見上げた夜空は雲ひとつない。大三角は真上で出迎えてくれた。