クレイアート工芸家
ショップを見て頂いて有難うございます。
作品は耐久性の優れた樹脂粘土で整形した立体絵画です。立体絵画には偶然美がたまに出現します。その偶然美について、協力者の山川氏の意見の一部を紹介して、立体絵画のショップの紹介とさせていただきます。
「立体絵画の偶然美」について
西洋芸術は古来より壮麗荘厳な装飾や優美な裸体像、巨大な建造物などように完全な「人工美」を求めていました。一方、日本人の美意識は自然に溶け込む素朴な自然美と何か侘(わび)しく寂(さび)しいと感じる、何か足りないものに美を求めていたような気がします。枯山水や余白の美のように空虚で何か欠けたものに隠れた創造性をもたらしてくれるものに心を寄せてきました。その意識は山水絵画よりも、茶器や陶器、庭園、美術工芸品などの立体の存在によって、わびやさびの情緒は感じられます。それら立体に出現する「偶然の美」に人は創造性をもって感動するのだと思います。
屋内の部屋で鑑賞する平面絵画は必ず正面から眺めます。斜めからだとよく分かりませんし、斜めからは見ません。一方立体アートはどの角度からでも鑑賞できて、その存在感を感じとれます。立体アートがより存在感があるといえます。
彫像の「考える人」は横から何かを深く考えている様子が分かります。正面の顔面を見ると拳を口に押しつけ苦悶している様子も分かります。「ミロのビーナス」を正面から見ると、身体や腰をくねらせた優美な美しさがあります。左斜めからだと凹凸の裸体の曲線美が分かりより魅力的に感じます。上野の「西郷像」は犬連れの快活な自由人のように見えますが、右から見ると刀をつかんだ武将でたくましさを感じます。
このように彫像は正面からと斜めや横からの鑑賞で二重に3重にも表現されます。見回ることで彫像の存在を感じとれます。もし彫像に色をつければより美が増し存在感がでます。ミロのビーナスは元々着色されていました。考える人は白色の像より緑色に深みがあり立体感が出ます。やはり立体アートは着色しなければ本来の存在感や美は出て来ません。
陶器も着色して初めてその美が出現します。釉薬同士の化学反応でぼやけたり噴き出す様な跡。釉薬の重なりや二重流しから生まれる偶然美は深い趣や味わいを放ちます。古代陶器は灰による灰釉の偶然美。釉薬は窯の状態や炎の具合の違いで偶然の産出美が出ます。釉薬を盛って、釉薬が溶けて流れる偶然が生み出す光沢や趣きを追求する技法もあります。美濃焼は文様などの造形の自由さと独創性、そして多彩な釉薬により無限の美と偶然美が出現します。
また版画は彫る時は作品が芸術的になっているかどうか良くわかりませんが、刷り上げられた絵画に偶然美が生まれます。
民衆の暮らしから生まれた実用性と伝統を兼ねた工芸品は一般の職人による反復作業によって、偶然美は生まれます。
民芸の創始者柳宗悦氏は、「自我を捨てて自己を忘れる作業が、自分を超えた何か大きなものが美を作ってくれる。このような無名の職人の『工芸の美』は無心の美で、民衆から生まれた偶然の美は、天才が成す『美術の美』に匹敵する。」と唱えています。日々の仕事を数でこなした職人達は、苦心して数々の失敗を直して自分好みの手法から芸術が生まれたのではと考えます。
平面絵画は円熟された画家の意図するものをそのまま表現できます。最初から着色するので美を楽しみながら描写します。一方、立体アートは粘土で整形する時は、美とか趣きがあるか様相は分かりません。着色によって立体感やたまに偶然美が出現して品格のある存在を持った作品になります。偶然美が出現するには、整形技術、着色の選択や描写技術もある程度必要です。善いものを作ろうと苦心しますが、陶器の様に着色の結果で失敗作だ、という事がほとんどです。しかし立体絵画は彫像や陶器、版画と違い何度でも整形や着色を手直しできます。陶器ではある部分の手触り、釉薬の気になる色や流れなどの失敗を立体絵画なら手直しできます。それが全体の立体と調和した時に偶然美が生まれます。つまり立体絵画の偶然美は手直しを重ねた自己満足部分が全体と調和したと感じたら偶然美と感じるのではないかと考えます。
平面絵画の人工美は西洋的ですが、立体絵画は失敗を綺麗にしまたはわびさびを想定し細かく手直しを重ね全体の立体と調和して和となる、日本的なアートではないかと考えます。
以上、有難うございました。
「立体アートと立体絵画の違い」についての説明は、「山川善作base」で検索⇒「山川工房」でクイックしてご覧ください。
クレイアーチストのフェルメールです。長年3Dのクレイ(粘土)フラワーを制作してきました。海外で立体アートを学んでいた山川善作氏と、現在協力して立体絵画の制作と普及をしてます。
作品は耐久性の優れた樹脂粘土で整形した立体絵画で、3Dが進んでいる現代アートです。山並みや町並みの風景画、肖像画やスポーツ画や裸体画、花絵や置物絵画など、これらを立体絵画で作ると奥行感や実物感が出ます。
有難うございました
[全 61作品]
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