――小さな家族とオーナーをつなぐ、“昔からあるけど新しい”和の手しごと
こんにちは、Piccoliffy(ピコリフィ)のあきです。
今回は、新作で用いている水引の“結ぶ意味”と、私たちが作品づくりで大切にしているデザインの考え方(=設計図)をまとめました。
なぜ「水引」なのか
水引は、細い和紙をこよりにして糊で固めた日本の伝統素材。
贈り物や祝儀袋に使われ、人と人の気持ちを結ぶ象徴として受け継がれてきました。
Piccoliffyは、小さな家族とオーナーさんの「うれしい瞬間」を結び留める存在として、この素材に強く惹かれています。
代表的な結びと、込める想い
※以下は一般的に伝えられている意味合いに基づいています。
あわじ結び(淡路結び)
端を引くほど結び目が固くなり、“末永いご縁”“固く結ばれる”の象徴。
→ Piccoliffyでは、オーナーさんと小さな家族の日々の絆をイメージ。
梅結び
五弁の花形から、“厄除け・健康・実り”を願う縁起結び。
→ 健やかな毎日や節目の記念日に。
叶結び
表に「口」、裏に「十」で、“願いが叶う”の語意とかけた結び。
→ 目標や願いごとのお守り感をさりげなく。
菊結び/花結び(アレンジ)
長寿や高貴さを連想する菊モチーフをベースに、軽やかな花結びへ。
→ 長く大切にできる一品として。
新作では、用途や季節に合わせて梅結びと玉結び(立体の“玉”)を単体/重ね使いし、想いを重ねて表現します。
https://minne.com/items/43886536
https://minne.com/items/43897850
今回の新作:梅結び・玉結び/4色展開
“最初は分かりやすいカラー名で
オーナー向け:彩度を少し抑え、パール調ビーズはポイント使いで“可愛い”をひとさじ。
小さな家族向け:視認性重視+軽量(誤飲対策を最優先、装飾は最小限)。
素材と仕立て、見えないところのこだわり
軽さ:長時間でも負担にならない重量設計。
耐久:結びの要所は目立たない位置で接着+ワイヤー/テグスを併用し、必要に応じて薄いコーティングで“コシ”を保持。
金具:肌当たりのやさしいパーツを選定。オーナー用は金具オプション(アレルギー対応/樹脂など)をご用意。
https://minne.com/items/43913754
私たちが使っている水引について(ご紹介)
Piccoliffyの水引は、職人さんの手で丁寧に作られた素材を中心に使用しています。日々の制作でお世話になっているお店をご紹介します。(敬称略)
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• 水引工房そうきち
張りと色味が美しく、結びの立ち上がりがきれい。定番色から個性的な色まで幅広く、作品の表情づくりに重宝しています。
• 水引屋 大橋丹治
絹巻水引など定番素材の品質が安定。発色とコシに信頼があり、要所の結びに使わせていただいています。
豆知識:絹巻水引とレーヨンについて
— 水引屋 大橋丹治さんのQ&A要旨
• 絹巻水引は「本物の絹」ではありません。 紙の芯にレーヨン糸を螺旋状に巻き付けて作られます。
• レーヨンはセルロース由来の再生繊維。 加工後は土に還る特性があり、合成繊維とは性格が異なります。
• 神社で絹巻指定が多い理由(考察)。 “土に還る素材”である点が好まれるのでは、という見立ても紹介されています。
作り手メモ:絹巻は上品な光沢とほどよいコシが魅力。Piccoliffyでは「軽さ」と「結びの立ち上がり」を活かす設計に活用しています。
いつか現地へ:飯田市の水引屋さん巡り
水引の街・長野県飯田市には、ほかにも魅力的な水引店がたくさん。来年は水引屋さん巡りに出かけ、素材や製法のお話を伺いながら、新しい出会いを作品に結んでいきたいです。
※本記事内のご紹介は、日頃の愛用に基づくものです(タイアップではありません)。
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形にするまでのプロセス
意味と用途の決定(例:梅結びと玉結びで繋ぐ絆。普段使いだけど目を引くもの。など)
配色プラン(季節・毛色・普段着に合うか)
モック制作(実寸・重さ・揺れ方を確認)
耐久テスト(引っ張り・摩擦・湿度)
最終仕立て(端処理 → 金具組み)
ひとつひとつの工程に「結びの意味」を通し、“かわいいだけで終わらない”を大切にしています。
小さな家族とオーナーの“おそろい”を心地よく
写真に映えるが主役を奪わないサイズ感
動きに寄り添う揺れ(走ったり、抱っこした時に邪魔しない)
安全第一:小さな家族用は装着時のストレスが少ない優しい設計を基本にし、外れやすいパーツは使用を控える方針
(※ご使用は必ず目の届く範囲でお願いします)
新作プレビュー
現在は「日々結びパールシリーズ」として、
梅結び:日常に寄り添う花形モチーフ
玉結び:ころんとした立体アクセント
を中心に、4色展開でminneで販売中です。
※次回作も水引。こちらは公開に合わせてminneに順次掲載します。
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おわりに
水引の結びは、想いを結び、記憶を結び、日々を結ぶしるし。
Piccoliffyは、“昔からあるけど新しい”和の手しごとで、小さな家族とオーナーさんの笑顔をそっと結んでいきたいと思っています。
そして、つまみ細工士検定の勉強がひと区切りついたら、水引の検定にも順に挑戦していく予定です。
技としての理解を深め、作品づくりに安全性・耐久性・デザインの説得力を反映させていきます。
https://minne.com/items/43913779
最後までお読みいただきありがとうございました。