MiraiBloom poetic jewelry
冬の青が、静かに深まっていく。
風も息を潜め、森の奥にただ、氷の音だけが響いていた。
枝氷の王子は、目を閉じてその音に耳を傾ける。
――遠くで、何かが呼んでいる。
けれどその声は、氷の膜の向こう側。
手を伸ばしても、届かない。
心の奥に宿る光は、まだ淡く、凍ったまま。
温もりを知らぬその輝きは、
ただ静かに、夜の空気の中で瞬いていた。
けれど王子は、知っていた。
この冷たさの奥に、かすかな春が眠っていることを。
まだ名も知らぬ“誰か”のぬくもりを、
氷の奥で待っていることを。
「もしその声が、夢ではないのなら。
どうか、この氷ごと抱きしめて――」
冬の息は、やがて光へと変わる。
そのときまで、枝氷の王子は眠りの中で祈り続ける。
氷の心に、初めての春が触れるその日を信じて。