🩵 枝氷の王子 ― 氷の声 ―

🩵 枝氷の王子 ― 氷の声 ―

公開
MiraiBloom poetic jewelry 冬の青が、静かに深まっていく。 風も息を潜め、森の奥にただ、氷の音だけが響いていた。 枝氷の王子は、目を閉じてその音に耳を傾ける。 ――遠くで、何かが呼んでいる。 けれどその声は、氷の膜の向こう側。 手を伸ばしても、届かない。 心の奥に宿る光は、まだ淡く、凍ったまま。 温もりを知らぬその輝きは、 ただ静かに、夜の空気の中で瞬いていた。 けれど王子は、知っていた。 この冷たさの奥に、かすかな春が眠っていることを。 まだ名も知らぬ“誰か”のぬくもりを、 氷の奥で待っていることを。 「もしその声が、夢ではないのなら。 どうか、この氷ごと抱きしめて――」 冬の息は、やがて光へと変わる。 そのときまで、枝氷の王子は眠りの中で祈り続ける。 氷の心に、初めての春が触れるその日を信じて。

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心に寄り添うビーズリング作家

MiraiBloom
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