きみはぼくの月-全文公開

きみはぼくの月-全文公開

公開
きみは太陽、なんてぼくは言わない。 あんなに眩しくては、きみが見えないから。 きみはぼくの月。 優しい光を反射して、ときに怒ったり、泣いたり、くるくると満ち欠けをしながら昼間にだって空に顔をのぞかせる、月のような存在だ。 忙しさにかまけて疲れきっていても、空を見ると、穏やかな月がぼくを見ている。 きみだけを見つめる惑星になりたい。 きみが月なら、月を回る惑星になりたい。 ずっとそばで見ていたい。 空に浮かぶ月は、間違いなく夜空の主役だ。 ときに見かける白んだ月もまた、見られれば幸運な気持ちになる。 ぼくはそんなきみを見守る、きみだけの惑星になる。 太陽の光を受けられなくなっても、ぼくの月はきみひとりしかいない。 今日こそ伝えよう。 「ぼくだけの月になってくれませんか」

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九谷ましゅ美術館館長

九谷ましゅ美術館
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