僕がデジタルアートを始めた当初、難しいと感じた部分は『画面で見るデジタルアートを身近に感じてもらう方法』でした。
部屋に飾りたくなるような作品をつくったとしても、パソコン上では綺麗な光に見えても、印刷をすると光の色がくすんでしまってデジタルアートの魅力が下がってしまうんです。
僕の作品は光を使うことが多く通常のポースター印刷の場合、鮮やかなオレンジ色の光で作った作品の色がくすんで、作品の魅力が落ちてしまいます。
たとえば、スマホの画面で見る分には問題がないのですが画面が小さいため、こだわりのアート作品がただのデザインになってしまうので、僕的には大判のポスターで見てもらいたいと思っています。
そんなことからこれまでに、色々な用紙での印刷を試しましたが、どれも光の色の再現性は低いものでした。
そんな中、たまたまネットで見た『ジークレー版画(GICLEE)』という言葉に興味を持ち、デジタル作品の魅力をそのまま伝えることができる、最高品質の印刷技術『ジークレー版画』というものがあることを知りました。
ジークレー版画の印刷技術は、
・グラフィック系作品の印刷
・写真作品印刷
などに使われることが多く、デジタルで作られた鮮やかな光の色も鮮明に再現してくれる印刷技術なんです。
通常のポースター印刷では、デジタルで作られたアートの色の再現は難しく、僕がパソコンで制作した色と変わることが多いのですが、ジークレー版画の印刷技術を使えば、パソコンで制作した光の魅力を『100%』感じてもらうことができます。
通常のポースター印刷の色の規格は『CMY(色の三原色)』で、冊子や名刺などのような紙媒体に印刷する色の規格です。
ジークレー版画印刷の色の規格『RGB(光の三原色)』ベースのインクを使用するため、グラフィックで作られた作品の印刷に適しているということなんです。
しかも、ジークレー版画は保管にも強く、購入した時の色の質感を劣化させることなく、作品の魅力を長期的に感じてもらうことができますよ。