猫叉出版社から、二通目の物語の手紙を送り出しました。
第二便の題名は、『約束の木』。
北の町で、旅する作家が聞いたのは、食べ物を求めて人里へ下りた一頭のクマと、森に立つ一本の栗の木の話でした。
第一便『鳴らなかった鐘』が、人の側から見つめた恐れの物語なら、第二便は、森に生きるものの側から見つめた恐れの物語です。
本文は奉書紙に縦書きで印刷し、一枚ずつ二つ折りにしました。
読み終えたあとに眺めていただく旅のスケッチには、月明かりの下に立つ栗の木を描いています。
そこに、クマの姿はありません。
けれど物語を読み終えてから見ると、木の根元に「ああ、ここで眠っていたのだ」と、一頭の気配を感じてもらえるかもしれません。
封筒は、第一便の灰色から、静かな赤紫色へ。
生命の樹の封印には、栗の実とクマの毛並みを思わせる山吹色、焦げ茶色、アイボリー、そして制作の途中で生まれたカフェオレ色の再生ワックスを使いました。
名付けて、「琥珀の三毛マーブル」。
色を混ぜ切らずに流すため、木の枝に山吹色が宿るもの、焦げ茶色の森が広がるもの、淡いカフェオレ色が現れるもの――一つとして同じ模様にはなりません。
どの封印が届くかも、北の町からの小さな偶然として楽しんでいただけたらうれしいです。
静かな森から届いた、命と約束の物語。
第二便『約束の木』、販売を開始しました。
https://minne.com/items/46184762