meltowさん
大人っぽい雰囲気と透明感を表現した水彩イラストの作品を販売しています。お花や風景、動物など季節感のあるモチーフと、溶け合う色合いや、にじみ、ぼかしなど水彩ならではの美しさが特徴です。
https://minne.com/@mitsui-321meltowさんのショップはこちら
自然にあふれる美しい色を、ガラスキューブに閉じ込めたようなワクワクはどこから生まれるのか。
meltowさんの作品は、多くの女性の心を鷲掴みにしていらっしゃいますよね。大事にしているブランドの世界観などはあるのでしょうか。
meltowさん
桜や花火のような刹那的で儚く、ひとときだけ輝く美しいものに惹かれます。現実には存在しないような色使いなど、普段自分が感じていることや理想をイラストで表しています。
またmeltowでしか出会えないオリジナリティと特別感を感じてもらえるよう、紙質や印刷方法、構図にもこだわっています。手描きならではの溶け合う色合いや、透明感、にじみ、ぼかしの美しさを活かしながら描いたものが、誰かにとって喜びにつながるものになればいいな。と作品をつくるたびに試行錯誤しています。

偶然生まれる刹那的な色の魅力を、一瞬ではなく永遠の記憶に。
meltowさんのこの美しい色彩はどうやって生み出されているのでしょうか。
meltowさん
アクリルや透明水彩なども使用しますが、ほぼカラーインクを使用しています。発色剤入りなので色が鮮やかで透明感があり、混色しても濁らずとても美しい色合いです。
いろいろなメーカーの物を試しつつ、かれこれ10年以上使用しています。カラーインクは色によって、水で薄めると異なる色が出てくることがあります。
例えば茶色のインクを薄めるとオレンジとグリーンに分離したり。意図せず自然と分離してしまう現象にいつも心がときめきます。
私もmeltowさんの作品を見てとってもワクワクしました!今回はThank youカードを制作していただきますが、いつもお客様にそのようなカードは添えていますか。
meltowさん
普段はショップカード兼ポストカードを作品に添えてお届けしています。「飾りたい」「手元に置いておきたい」だけでなく「大切な人に使いたい」と思っていただけるよう、そのままポストカードとしても使用できるカードです。
3月の個展ではたくさんのお客様に直接お会いする機会があり、応援してもらうことでこんなにも力が湧くのかと驚きました。私の作品はレターセットなど、大切な誰かに向けて購入される方が多いのですが、その個展以降、お客様の気持ちを自分も応援したいという思いがより一層強くなりました。そんな想いを込めてカードを封入しています。

爽やかな紫陽花の青が、清涼感を感じさせるポストカード
とても素敵なカードですね!今回meltowさんに新しくつくっていただくカードも素敵な仕上がりになりそうでワクワクします。
ペン先がスルスルと気持ちよく滑り、気がつくと手帳が文字で埋まっていました。
今回Thank youカード制作に使っていただいたCOCOIROの第一印象はいかがでしたか?

meltowさん
丸みを帯びたフォルムと、マットでサラッとした手触りが印象的な一本です。無駄なパーツが無く、シンプルな構成で持った瞬間に軽いなと思いました。手にしっくりとなじみ、長時間筆記しても疲れにくそうです。
パッケージから取り出した瞬間、リフィルが見えるデザインに驚きましたが、インクの色味や残量をすぐに確認できてとても便利です。うっかりインク切れに気づかない、ということも防げそうですね。
ペン本体はホワイトやブラックといったベーシックなカラーだけでなく、トレンド感のあるくすみカラーも展開されており、ビジネスやプライベート等、シーンや好みに合わせて選べるのが魅力的です。
私は柔らかそうな雰囲気の「ポッターズピンク」を一番先に手に取りました。かわいらしすぎない落ち着いたトーンでお気に入りです!他の本体カラーも素敵なので、何本もそろえてデスクに並べて置いたり、筆箱に入れたりしても良さそうだなと思いました。
どの色もかわいらしくて、集めて並べたくなってしまいますよね。実際に書いてみた感じはいかがでしたか?
meltowさん
紙の上でペン先がスルスルと滑る感じがとても心地良いです。気持ちよく書けるので、試し書きが止まらず、気がつくと手帳1ページが埋まるまで書いていました。ペン先は極細なのですが、強弱がつけられるので線の太さのバリエーションが豊富です。
初めて書いた時、こんなに強弱がつけられるの!?と驚きました。なんだか字がいつもより上手に見える気がします(笑)

meltowさん
力だけでも強弱がつきますが、ペンを立てて書いたり、寝かせたりしても表情が変わって面白いなと思いました。紙にスッと馴染みすぐに乾くので、書きながら手が汚れてしまうというストレスもありません。

ペン先が筆圧に合わせて自由自在に変化し、細い線から太い線までこころの赴くままに書ける。
meltowさん
COCOIROで描いた線を水で濡らすと、綺麗に色が広がっていきました。スケッチブックやクロッキー帳にも試してみましたが、細い線もかすれることなくスルッと書くことができたので、文字だけでなくイラストにもぴったりな1本だと思います。ここを濃くしたいなと思う所は重ねると深みが出て、1色でもいろいろなトーンで楽しめました。

COCOIROのインクに水をのせると、ふわっと花びらが舞うように色が広がり撮影現場では驚きの声があがった。
文字だけでなくイラストにも使ってみたい!と思うのはmeltowさんならではの使い方ですね。いつも多彩な色と向き合っていらっしゃるmeltowさんから見て、発色についてはどうでしたか?
meltowさん
ブラックはもちろんですが、他の色も発色がよく、それでいて使いやすい色味だなと思いました。
「ロイヤルブルー」は高貴な雰囲気が感じられる鮮やかな美しい青。目が覚めるようなとても美しい青なので、夏に使うと涼しげに見えるのではないかと思いました。暑中ハガキなど季節のカードに合いそうです。
「セピア」はイエロー寄りの茶色。優しい雰囲気を演出でき親しみを感じるので懐かしい方へのお手紙などに使いたいと思いました。昔の思い出を懐かしんだり、近況をお知らせしたり、おしゃべりするように書きたいですね。
「ボルドー」は落ち着いた色味でありながら、華やかさも感じられる。目を引く色味なので印象を残したいメッセージに良さそうです。
「ブルーブラック」は深みのある青で、知性的でシーンを選ばない色。ブラックほど黒みがかる事なく青みを感じるおしゃれな色で、女性に人気がありそうです。
私はロイヤルブルーと、ボルドーが書いていてワクワクしました!

上から順にブラック・ロイヤルブルー・セピア・ボルドー・ブルーブラック
ボールペンや万年筆、サインペンなど普通の筆記具と何が違うのでしょう?
meltowさん
ボールペンと比べるとインクの量が安定していて、書きやすいなと感じました。また、COCOIROはペン先の強弱の幅が広く、手書きならではの個性が出やすいように思います。
私もお客様から手書きの手紙をいただく機会がありますが、文字や筆記具、色味からも、どんな方なのか想像が膨らみます。そういった人柄が感じられるシーンに使用するのにぴったりだなと思いました。お手入れなどの必要も無く、リフィルの交換の際に、簡単で手が汚れないことも嬉しいポイントです。
世界にひとつ、私だけに届くカード。

今回は複数のThank youカードを作っていただきありがとうございました。それぞれどのようにして制作されたのでしょうか?
meltowさん
イラストはお客様の好みに合うモチーフを選べるように複数のパターンを用意し、全体として文字がはっきりと読めるように余白を多めに残しながら描きました。
四角いカード(COCOIRO「ボルドー」×小鳥とお手紙)

meltowさん
COCOIROの「ボルドー」を使い、温かみのある雰囲気で感謝の気持ちが伝わるカードを目指しました。イラスト部分は呉竹の「
ink-café はじめてのカラーインク作り」を使用しています。
丸いカード2種類(COCOIRO「ロイヤルブルー」×星空・夕暮れ)

meltowさん
COCOIROの「ロイヤルブルー」を使い、美しくハッとするような空の雰囲気を感じられるカードを目指しました。イラスト部分は呉竹の「
顔彩耽美 48色セット」を使用しています。

meltowさん
一つひとつCOCOIROで「Thank you」と文字を入れます。お客様に感謝の気持ちが伝わるように、一筆一筆丁寧に気持ちを込めて文字を書きました。乾いてから、白金色で波しぶきを、金色で月と星を描けば、美しい青色が星空に映えてとても綺麗です。
普段は印刷物をお渡ししているので、今回は原画ならではの感覚を楽しめるようにキラキラした画材を所々に使いました。カードを傾けると輝きを楽しむことができます。
Thank youの部分のインクの滲みや色の濃淡などからは、やはり手書きならではの息遣いが感じられます。
meltowでは季節感を大切にした商品づくりを心がけており、基本的に再販をしないので、作品との一期一会の出会いや、その瞬間に感じる特別な気持ちを楽しんでいただければと思っています。Thank youカードからも手書きで書く文字だからこそ伝わる「一度きりの出会い」というワクワクを感じ取ってもらえたら嬉しいですね。
再販がないとは驚きです。本当にその時々の出会いがとても大事なのですね。色はもちろん、紙の質感もこだわっていらっしゃるとか。
meltowさん
はい。自分の得意な透明感のあるタッチが活かせるよう紙質にもこだわっており、普段販売しているレターセットは「どんな筆記具でも書きやすい」「厚みがあり高級感がある」といった嬉しいメッセージを多くいただいています。
上品なパール感のある紙や、美しくきらめく箔押し、透明感のあるトレーシングペーパーなど、手に取ったときに心が躍るような感覚を大切にしています。今回制作したThank youカードもさまざまな紙で試し書きをし、発色や仕上がりが綺麗な紙を選びました。
確かにざらっとした手触り感がすごく素敵です!手描きだということが伝わった時、感動が生まれそうですね。

meltowさん
はい。いつも利用してくださっている方に感謝の気持ちを込めて、ちょっとした嬉しいサプライズになればという気持ちで制作しました。普段お渡ししているカードも「飾りたい」と思っていただけるようにと思っていますが、手書きのカードはそれ以上に特別感がありますね。同じカードに見えて全てイラストや文字のバランスが違うので「同じカードは1枚もない」という所も喜ばれるポイントかなと思いました。
お客様のことを想って絵や文字を書く時間は自分にとっても温かく大切な時間に感じられました。
「文字を書く」この時間は、誰かを想う時間、癒される時間。
meltowさん
とにかく紙を選ばずペン先がスルスル滑って安定していて、力を少し入れるだけで強弱のコントロールがつきます。これ1本あれば、文字も書けるしスケッチもできるし、お出かけに持って行くにもちょうど良いサイズ感だなと思います。
私は文字があまり上手ではありませんが、COCOIROなら気持ちのこもった文字を丁寧に書けそうです。

どんな方に使って欲しいなと思われますか?
meltowさん
シンプルながら洗練されたデザインなので、性別や年齢を問わず幅広い方におすすめできるアイテムだと感じました。とりわけ手書きが好きな方や、何かを書く習慣がある方におすすめです。線の強弱がつくので手帳、日記や手紙などに書くときに、その人自身の個性や気持ちを表現しやすいペンだと思います。
お気に入りのペンをデスクに置いておくだけで、自分の事を振り返ったり、誰かのことを想ったりするきっかけにもなりますよね。ペン先に弾力があるので、線の太さをコントロールしやすく、文字だけではなくイラストやスケッチを描きたい方にもぴったりです。
最近はスマホやパソコンの利用が増え「書く」という機会が少なくなってきましたが、こうやって実際に自分で文字を書いたり、絵を描いたりすることで気持ちが癒されていく感覚があります。リラックスしたい、気分転換したいという時に使用するのも良さそうですね。

COCOIROを使って描いたという稲毛海岸のラフスケッチ。横に佇むのは遊んでいる子どもたちでしょうか。
meltowさん
私は朝手帳にその日のタスクを書き出すという日課があるのですが、リフィルは5色展開されているのでカラーで用途分けして記入する使い方もできそうだなと思いました。この色は仕事のこと、この色は家族のこと、など色分けすると1日の中で何にどのくらい時間を割けばいいのかが一目で分かって良さそうです。それに書いていて楽しいので、日記なども習慣化しそうだなと思いました。
お客様の心を震わせる瞬間を、もっと作っていきたい。
素敵なThank youカードをつくっていただきありがとうございました。今後は、どのような作品をつくっていきたいですか?
meltowさん
meltowのレビューを見ているとギフト目的で購入される方も多く、「大切な人を喜ばせたい」という気持ちが伝わってきます。その気持ちに応えられるような贈り物を作ろう!と着手した「花びらのハンカチ」は人気商品のひとつ。花びらで手を拭うという発想から生まれたもので、カラフルで気持ちが明るくなります。このような喜ばれる物を今後もつくっていこうと思っています。

meltowさん
またアナログならではの不完全さや偶然生まれる曖昧な表情も、あえて残す作品を今後もつくっていきたいです。完璧ではないものこそ、より魅力的に感じませんか?まず自分自身が心から楽しめることを大切にしながら、冒険したモチーフや新しい色使いに挑戦したり、納得いくまで何度も描き直したり。ドキドキしながら生み出した作品だからこそ、お客様にも楽しんでもらえるのだと思うんです。印刷会社から仕上がった商品を手にしたとき「うわーかわいい!」「これならきっと楽しんでもらえる」と心から思える、そんなワクワクするものづくりを今後も目指しています。

作品を手に未来を語るmeltowさん。作品と同様にキラキラと輝く瞳が印象的でした。
私らしい文字で、私らしい思いを伝えよう。
心を込める手書きの文字は書く人の個性を映し出す素晴らしさがあります。文字を書く機会そのものが減ってしまった今だからこそ「もう一度手書きに興味を持ってもらいたい」。そんな思いから、COCOIRO(ここいろ)は生まれました。
日常に寄り添う8色のボディカラー。
選べる5色のリフィル式インク。
手になじむフィット感と、よりなめらかな書き心地を実現しました。


今回ご紹介したThank youカードの制作のほか、お手紙や一言メッセージなど誰かに想いを伝えるシーン、日記や手帳など自分の気持ちとゆったり向き合う時間にもおすすめです。
ぜひ一度、いろいろなこころを形にしてみませんか?
COCOIROの詳細はこちら
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今回ご紹介したZIG LetterPen COCOIROの中からランダムで1色を合計30名様にプレゼント!
詳細は下記よりご覧ください。
応募期間:2025年6月17日(火) - 6月30日(月)
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今回Thank youカード制作で使用した呉竹の画材についても、感想をmeltowさんにお伺いしました。

meltowさん
イエロー、ピンク、ブルーの鮮やかなカラーインクを混色して、自分好みの色が作れるカラーインクです。webサイトに84色の混色の例が掲載されていて、それを見ているとあんな色も素敵!こんな色も作ってみたい!と嬉しくなりました。実際に混色してみても、濁ることのない美しい発色で、水彩のようにぼかしたりにじませたりして描くこともできます。カラーインクを使ってみたいけど、いきなり何色もそろえるのは…という方にもぴったりです。
今回はカラーインクをパレットに出し、水で薄めながら筆で塗りました。鳥は気合の一発描きです。綺麗で美しい発色を大切にしながら色を置いていきました。偶然、手紙に小鳥のオレンジが綺麗ににじみ、意図せず素敵な色合いになりました。COCOIROの「ボルドー」と合わせたことで、温かみのある雰囲気のカードに仕上がったと思います。
こんなに素敵なグラデーションが作れるのですね!毎回どんな色が生み出されるのか、制作中もワクワクしそうです。
meltowさん
そうですね。先日開催したカラーインクのワークショップに参加された方も色の混色や分離を見て「綺麗!」「素敵!」ととても喜んでくれました。
ただ、カラーインクは色あせるという欠点もあります。いつまでも鮮やかな色を保つことができません。でもそこもまた私は刹那的な魅力だと感じています。生まれたばかりの鮮やかな色、少し時間が経過して馴染んだ色、それぞれの良さを作品に閉じ込めることでmeltowの世界ができ上がっていきます。

meltowさん
普通に水で溶いて塗るだけで色が自然と分離していく不思議な画材で、ずっと使ってみたかったのですが人気でなかなか手に入らず…。今回こちらも使用させていただくことができてとても嬉しかったです!
こちらは今回別案として制作した「花びら」のカードです。顔彩耽美を水で溶いて、花びらが散っているようにバランスをみて描いていきました。隙間に顔彩耽美の白金色の花びらを足して、輝きをプラスして高級感を出しました。全色を使ってもまとまりのある仕上がりになるのが、さすがだなと思います。
今回ご協力いただいたmeltowさん
三重県出身、千葉県在住。服飾専門学校を卒業後、パタンナーやグッズ制作会社での勤務を経て、2013年よりフリーランスのイラストレーターとして活動中。
出産をきっかけに、2019年から「meltow(メルト)」というブランドを立ち上げ、以前から好きだった紙雑貨を中心に制作を続けている。各地のポップアップショップに参加し、3月の個展期間中にはワークショップを開催。
今後は原画販売にも取り組み、子育てとバランスを取りながら精力的に活動していきたいと語った。
文 / 堀之内千恵
写真 / 真田英幸
企画・ディレクション / 越智詩織