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リネンとは?
リネンはフラックスという植物からつくられる天然の繊維。フランス語では「リンネル」と呼ばれています。リネンの発祥は、チグリス川、ユーフラテス川の辺りとされていますが、現在の主な産地は比較的寒い地方が中心で、主にフランス北部・ベルギー・ロシア・東欧諸国および中国地方です。
リネンは、吸水性や通気性、保湿性に優れており、さらに、丈夫で長持ちすることで知られています。主に、衣類や寝具に使用されることが多いです。
ホテルなどでよく耳にする「リネン」とは何が違う?
リネンとは上記のような繊維全般を意味しますが、ホテルなどの宿泊施設においては、綿や麻からつくられた枕カバーやシーツ、ベッドカバー、バスタオル、フェイスタオルなどの布製品のことを総称してリネンと呼んでいます。
リネンの歴史
リネンの発祥は紀元前8000年頃とはるか昔。人類最古の繊維といわれています。古代エジプトでは神事にも使用されており、ミイラを巻くために使われた布もリネン製です。また、エジプト以外では、古代ギリシャやローマ人たちの間でもリネンは愛されていました。
リネンと麻の違い
リネンは、亜麻の繊維を原料とした織物の総称のことを指します。一方、麻は植物からつくられる繊維の総称で、リネンやジュート、ヘンプなど他の繊維も含まれています。つまりリネンも麻の一種ということになります。
リネンとラミーの違い
ラミーもリネンと同じく麻の一種で、よく似ている素材。リネン同様に衣類やタオルのような日用品に使われることが多くあります。リネンが比較的柔らかな風合いがあるのに対して、ラミーは独特のコシのある素材感が特徴です。日本の家庭用品品質表示法ではリネンとラミーの2種類のみが「麻」という表示をすることを許可されており、他の麻繊維は「植物繊維」と表記されるようになっています。
リネンの種類
リネンにはどういった種類があるのでしょうか。種類別にご紹介します。
アイリッシュリネン
フラックスという植物を使い、潤紡という細番手の糸を紡いでつくられた素材のことをいいます。アイリッシュリネンは繊維がとても細く、滑らかな肌触りが特徴。また、アイリッシュリネンは一流のホテルなどでもシーツやタオルに使われています。
フレンチリネン
フレンチリネンは、水と気候に恵まれたフランス北部で栽培された亜麻が原料になっており、リネンの中でも最上級のクオリティといわれています。通気性が良く、柔らかな肌触りで、使い込むほどに馴染み、すこし光沢のある風合いに変化するのが特徴です。
コットンリネン
コットンリネンは、コットンとリネンの混紡生地のことをいいます。リネンの通気性の良さとコットンの吸収性を兼ね備えているうえに、肌触りが優しいことから、赤ちゃん用品に使われることも多い素材です。リネン100%よりも縮みにくいという特徴もあります。
ストレッチリネン
ストレッチリネンは、ポリウレタンとリネンの混紡記事のことをいいます。リネンの伸縮性の低さを、ポリウレタンと掛け合わせることで解消。柔軟性と通気性に優れた素材です。
リネンの4つの特徴
リネンという素材がもつ特徴と、優れている点について、大きく4つのポイントに分けてご紹介します。
丈夫
天然繊維の中でもっとも強靭な素材だといわれているリネン。同じくらいの厚みのコットン素材に比べると、約2倍もの耐久性があります。
汚れにくい
リネンの繊維に含まれるペクチンには汚れを染み込みにくくする効果があるため、リネンには抗菌性があると言われています。また、汚れがついても落ちやすいため、ファッションアイテムやキッチンクロスなどに用いられることが多いです。
通気性が高い
リネンの織物は、糸と糸の密度が少なく通気性に優れているので、ジメジメとした梅雨の時期や暑い夏でもさらっと気持ちよく身につけることができます。
吸水速乾
コットンに比べると約4倍の吸収性があるといわれているリネン。汗をかいてもよく吸収するうえに早く乾くという特徴があります。
リネンが縮まない洗濯の仕方
繊維の目が粗いため、洗うと縮んでしまうリネン。熱い温度のお湯で洗わないことが縮ませないポイントです。ここでは、洗濯機と手洗いそれぞれでの洗い方をご紹介します。
洗濯機での洗い方
ほとんどのリネンは洗濯機で洗うことができます。なるべく縮むのを防ぐためにも、洗濯ネットに入れます。そのとき、汚れが目立つ部分を外側にして軽く折りたたむといいでしょう。衣類への負担が少ない「おしゃれ着用中性洗剤」を使い、水または30℃以下のぬるま湯を入れて洗濯機を回すようにするといいですよ。
手洗いでの洗い方
洗面器に水または30℃以下のぬるま湯を入れ、洗剤の裏に記載された通りの中性洗剤を入れます。やさしく押し洗いしたのちに洗面器の水を変えながらしっかりすすぎます。脱水はタオルドライをするか、洗濯機で20秒から1分ほど脱水を行うといいでしょう。
シワになりにくいリネンの干し方
リネン素材の洋服やタオルを洗濯して干しておいたらシワだらけになってしまった経験、ないですか?ここでは意外と知らない、リネンの適切な干し方についてご紹介します。
リネンの干し方
リネン素材は、水がしたたるくらいの状態で干す「濡れ干し」か、「平干し」を行います。乾燥機は縮みの原因になるので、自然乾燥がおすすめですよ。
<濡れ干し>
シワになるいちばんの原因が“脱水”です。脱水の時間を短くした場合や行わなかった場合は、手で絞らず水がしたたる状態でハンガーにかけて、日陰で濡れ干ししましょう。水の重みでシワが伸びるので一石二鳥です。
<平干し>
しっかり脱水してから干す場合や型崩れが気になるという場合は、平たい台や専用のネットを使い、平らに広げて干します。平干しの場合も、風通しのいい日陰に干すようにしましょう。
リネンのアイロンのかけ方
洗濯表示を確認し、アイロンをかけても問題ないかを確認します。高温に設定したアイロンで、霧吹きを使いながらかけます。念のため、あて布も使うといいでしょう。
リネンを使ったおすすめアイテム
ここからは、minneで見つけた「リネン」素材の洋服をいくつかピックアップしてご紹介します。
リネンのワンピース
見た目にも涼しげなリネンのワンピースは夏にぴったり。さらりと使える、デイリーユースにぴったりな1枚をご紹介します。
ほどよい透け感が軽やかな印象
襟ぐりや袖のギャザーなど、繊細で女性らしいデザイン性が光る一品。洋服と同生地の細ベルト付きなので、ウエストマークのアレンジも楽しめます。
夏らしいはじけるカラー
幅広いサイズの中からオーダー可能なレンジ色のワンピース。インナー次第で年中着回すことができますよ。
リネンのシャツ
夏の爽やかスタイルにぴったりな、リネン素材のシャツ。シンプルなものから、かわいらしいデザインのものまで集めてみました。
着心地のいいゆるシルエット
シンプルながらも、ゆったりとしたシルエットが今年らしいデザイン。爽やかなブルーが、夏にぴったりです。
ブラックが全体の引き締め役に
ネックラインと袖口部分に取り入れられたブラックが全身を引き締めるデザイン。シンプルなシルエットなので、どんなボトムとも相性が良さそうですね。
刺繍が顔周りを華やかに演出
ネックレスなどのアクセサリーなしでも華やかに見せてくれる、刺繍と大ぶりな襟のデザインが印象的。色味によって雰囲気が違うので、どちらのカラーにしようか迷ってしまいますね。
リネンのスカート
ナチュラルなリネンの質感と、ふんわりシルエットが相性抜群。コーディネートのアクセント使いにいかがですか。
涼しげな色使いのスカート
爽やかなブルーが夏にぴったり。オーソドックスなチェック柄なので、個性的になりすぎず、コーディネートに取り入れやすい一品です。
動くたびに美しく揺れ動く
手触りのいい上質なリネン素材を使用。洗うほどにくったりと味わい深くなっていく素材なので、その変化も楽しめるアイテムです。
リネンのセットアップ
リラックス感が漂うリネンのセットアップ。ボトムが選べるものや、2wayで着こなせるアイテムなどご紹介します。
洗練されたデザインが魅力
別売りの同生地のシャツ・ブラウスと一緒に、セットアップとして着用することができるスカートです。さりげないAラインシルエットが上品。
ナチュラルなシワ加工素材
スカートorパンツが選べるだけではなく、丈の長さなどのオーダーも可能。折り返すとストライプ柄が現れる2wayのお袖が、ほどよいアクセントに。
コーデの幅が広がるセットアップ
同素材のベルトを巻けばキリッと女性らしいスタイルに、はずせばラフなリラックススタイルに…さまざまな着こなしを楽しむことができます。
リネンのファッションを楽しもう
着心地のいいリネン素材のファッションアイテムがminneには他にもたくさんそろっています。ぜひチェックしてみてくださいね。
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フリーのエディター・ライター。出版社勤務の経験を生かし、現在はウェブメディアや紙媒体などで執筆中。インテリアや手仕事系のインタビューが得意。趣味は雑貨収集、インスタパトロール、かわいい子ども服探し。