特集

コレクターズ vol.7「わたしの、花器コレクション」

ひとつ、ふたつ、と集めるうち、気づけばたくさんの数に囲まれて暮らしている。人にはそれぞれそんな「何気ないコレクション」がある気がします。今回ご紹介するコレクターは、同僚のまおさん。普段から通っている「minneLAB世田谷」に、いくつもの花器をせっせと運んでもらいました。並べてみると、こんなにたくさん。

気づけば増えているコレクション

結婚を機に、家族で使う食器を集めているうち、気づけば「水差し」ばかりに見惚れ、揃えていることに気づいたというまおさん。

「なにか集めているものはありますか?」と尋ねたときは、「ああ、水差しとか花器ならいっぱいあるかもなあ」との返事でしたが、こうして集めて並べてみると、「あら!」とご本人も驚くほどの立派なコレクションになっていました。

こんなにあったんですね!運ぶの大変だったでしょう…

まおさん
だいじょうぶだいじょうぶ(笑)。タオルに包んで運んできちゃった。こうやって見ると、いっぱい集めたなあ、って。普段、そんなに花は飾らないんですけどね。

あら、そうなんですか?

まおさん
息子が、花粉症でね。菊系のお花は飾れないから、並べて飾ってるだけだったり、棚に仕舞っちゃってたりしてね。だから、こうやってずらっと並べて見ることはなかったの。


水差しみたいな、好みのフォルム


「注ぎ口」があるような、水差しの形状がやっぱり多いですね。

まおさん
そうね、なんでなんだろう(笑)。このシルエットがすごく好きなんだろうね。この3つは特に使いやすくて、出番が多いの。
 
上の差し口も大きいから、お花もパッと束で飾りやすいのかもしれないですね。

まおさん
そうそう、お花の種類やサイズを選ばないのもあるだろうね。左の小島鉄平さんの作品はまた格段に大きくて、使い勝手もいいですよ。飾っていてもサマになる。
 
渋い色味の真ん中の水差しもすごくすてき。

まおさん
実は、義理の母が熊本で陶芸の先生をやってるんですよ。それで、焼いた器を売ったりしてるの。そこを訪ねて、気に入ったものを譲ってもらったりしてね。
 
それは初耳でした。それで、この水差しも?

まおさん
そう。ひと目惚れして持って帰ってきたんです。

ストライプ柄とガーベラの相性もいいですね、

まおさん
こうやって飾ると、はっとするね。すごくいいなあ(笑)。これは、益子の陶器市で買ったんですよ、数年前のゴールデンウィークに意気込んで朝6:00に起きたりしてね。磁器でできていて、陶器よりもすこし透明感があったりする。玉木一将さんっていう作家さんのもので、どの作品もすごく素敵な作家さんなの。


透き通るガラス


わたしはガラスが大好きで。冬のガラスもいいものですね。

まおさん
白にこんなに映えるなんてね。一輪挿しとして使うことが多いかな。それぞれすごく気に入ってます。

丸いフォルムとドット柄がかわいいですね。真っ赤な薔薇が愛らしく見える。

まおさん
これも早朝の陶器市ですよ(笑)。ちょっとしたスペースにこうやって飾れるといいね。

ああ、これは素敵。グリーンだけでも、すごく華があるように見えますね。

まおさん
安土草多さんっていう作家さんのものでね。本当だね、こうやって飾るとすごくいい。


大きいものには、枝を飾って


大きいサイズのものも使われますか?

まおさん
これはもう「枝」ごと飾るときかな。
 
ユーカリ、挿してみませんか?

まおさん
そうしよう、そうしよう。
はああ、美しいですね。

まおさん
やっぱりいいね。最高だね。これは、「scope」ってサイトで買っただんけど、すごく人気のもので。日が当たるとまた、すごくいいわ。


冬のガラスの美しさ、を感じます。


味わい深い、ユニークさ


おもしろい形のものもたくさんありますよね。このニワトリは、お尻にお花を入れるんですかね?

まおさん
そうそう。入れてみよう。丸いお花の方がかわいいかな。

スプレーローズを生けるまおさん。

まおさん
「北欧、暮らしの道具店」さんがまだビンテージものを扱っているときに、どうしても欲しくなって。そのまま飾っても素敵だけど、やっぱり花を飾ると違うのよ。

まおさん
ほらね、こんなふうになる。
 
なんでしょう、このなんとも言えない上品な。ユニークなのに、すっごく品がありますね。存在感があるのに、なんだかちょっと慎ましくておもしろい。

まおさん
お部屋を素敵にしてくれる花器、というかね。花器って、こういうところがおもしろいですね。


それぞれに、それぞれの個性と味わいがあります。

モダンな多面デザイン


これも、ちょっとモダンでいいですね。形もおもしろくって。

まおさん
これは、minneのイベントで、陶芸家のyasuさんという方の作品なんですよ。和室にもいいかもね。グリーンを挿しただけでかっこいいのも、花器の力かもしれない。

 
・「yasu」さんの多面体花器


生き生きとした表情を


お花を飾ると、ぐっと生命力が増すような、本当に表情が変わりますね。

まおさん
本当だね。なんだか生けずに飾っているのが、もったいなくなってきちゃったな。大事にしすぎず、これからちょっとずつ飾ってみます。
 
うん、きっとそれがいいですね。


まお
「minneLAB世田谷」常駐の作家活動アドバイザー。手持ちのお金は全部使っちゃいがち。
 
取材・文 / 中前結花  撮影 / 真田英幸

【連載】コレクターズ
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