ボトルメールを抱いた海 ~波打ち際~

森に囲まれた村出身の少年アルケミスト・エリクが『世界中の景色を見てまわる旅』に出たさい、 最初に見たいと思ったものは『海』でした。 海は雄大で荘厳で、水はきぃんと冷たく。そしてそのかいなに小さな瓶をいだいていました。 海岸にうちあげられた瓶の蓋を開けると、中には見たこともない文字がたくさん並んでしました。 はるか遠い国から運ばれてきた、見知らぬ誰かからの手紙なのでしょうか？ エリクはその景色を硝子(フラスコ、と読みます)の中に再現しました。 彼の住む世界・アルカナにあったときには この硝子の中にも波は打ち寄せ、海藻は揺れ、貝は歩いていたのですが、 我々の住む世界・地球に持ち込んださい、元素の違いのせいか時が止まってしまいました……。