銀猫骨董店の店主 イルヴィ。
★イルヴィについて★
身長13.8cmほどのおとこのこ
★素材等★
手足が曲がり自立します。
手のひらにマグネットが仕込んであります。メモスタンドなどにも。
★イルヴィのちいさなおはなし★
月のない夜、静かに寝静まった頃に小さな影が走り回っています。ここは街はずれのガラクタ置き場。
山のように盛られたガラクタの中から、つぶらなチャコールグレーの瞳がキラリと光りました。
みつけた!と叫んで、手の中に納まったひしゃげたビスを得意そうに小さな手でつかんでいます。銀色の毛並みが夜風になびいて、コウモリが飛び交いながら彼を笑いました。「イルヴィ、またガラクタかい」
イルヴィはツン!とそっぽを向くと、「そんなんじゃないよ、これは宝物なんだから!」と大事そうにハンカチでぬぐい磨きました。控えめな星明りでもわかるほどにピカピカしています。
コウモリはケタケタ笑いながら「まあいいさ、風に噂はすぐ届くよ。またイルヴィがガラクタ拾ったってね」と森へ消え去りました。
イルヴィはそんな風に変わり者扱いされていましたが、イルヴィにとっては集めた銀色に光る多くの拾いものが宝物のように思えていました。
イルヴィは小さなころ、ピカピカの銀の球から滑り落ちてきた記憶があります。
ですが母さんが言うにはそれは「夢」に過ぎないということでした。
それからというもの銀色に光るものを蒐集し始め、やがて「銀猫骨董店」を開くこととなったのです。
そんな骨董店の中は鏡のようで、鋭く白く反射し飛び交う光が閉じ込められているようでした。イルヴィはそこにいるのが一番落ち着いたのです。
ある夜再び蒐集しに出かけていると、一枚のとびっきりピカピカした銀貨を水たまりの中に見つけました。
思わず飛びつくと、水面はゆらりと揺れて砂利だけが手の中に収まりました。
イルヴィは思わず見上げました。
そこには大きな銀の月が輝いていて、満月はぴたりと瞳に重なりました。
その瞬間に、イルヴィは多くのことを悟りました。滑り落ちた銀の球、母さんの優しい嘘、銀の髪、光の籠…。
銀の月は優しく微笑んでいます。
イルヴィは懐かしい銀の微笑みと、育ててくれた母さんのぬくもりを思いました。
掌を開くと、そこにはピカピカの銀貨がありました。
どこの国のものとも知らぬ、不思議な銀貨でした。
銀猫骨董店の店主 イルヴィ。
★イルヴィについて★
身長13.8cmほどのおとこのこ
★素材等★
手足が曲がり自立します。
手のひらにマグネットが仕込んであります。メモスタンドなどにも。
★イルヴィのちいさなおはなし★
月のない夜、静かに寝静まった頃に小さな影が走り回っています。ここは街はずれのガラクタ置き場。
山のように盛られたガラクタの中から、つぶらなチャコールグレーの瞳がキラリと光りました。
みつけた!と叫んで、手の中に納まったひしゃげたビスを得意そうに小さな手でつかんでいます。銀色の毛並みが夜風になびいて、コウモリが飛び交いながら彼を笑いました。「イルヴィ、またガラクタかい」
イルヴィはツン!とそっぽを向くと、「そんなんじゃないよ、これは宝物なんだから!」と大事そうにハンカチでぬぐい磨きました。控えめな星明りでもわかるほどにピカピカしています。
コウモリはケタケタ笑いながら「まあいいさ、風に噂はすぐ届くよ。またイルヴィがガラクタ拾ったってね」と森へ消え去りました。
イルヴィはそんな風に変わり者扱いされていましたが、イルヴィにとっては集めた銀色に光る多くの拾いものが宝物のように思えていました。
イルヴィは小さなころ、ピカピカの銀の球から滑り落ちてきた記憶があります。
ですが母さんが言うにはそれは「夢」に過ぎないということでした。
それからというもの銀色に光るものを蒐集し始め、やがて「銀猫骨董店」を開くこととなったのです。
そんな骨董店の中は鏡のようで、鋭く白く反射し飛び交う光が閉じ込められているようでした。イルヴィはそこにいるのが一番落ち着いたのです。
ある夜再び蒐集しに出かけていると、一枚のとびっきりピカピカした銀貨を水たまりの中に見つけました。
思わず飛びつくと、水面はゆらりと揺れて砂利だけが手の中に収まりました。
イルヴィは思わず見上げました。
そこには大きな銀の月が輝いていて、満月はぴたりと瞳に重なりました。
その瞬間に、イルヴィは多くのことを悟りました。滑り落ちた銀の球、母さんの優しい嘘、銀の髪、光の籠…。
銀の月は優しく微笑んでいます。
イルヴィは懐かしい銀の微笑みと、育ててくれた母さんのぬくもりを思いました。
掌を開くと、そこにはピカピカの銀貨がありました。
どこの国のものとも知らぬ、不思議な銀貨でした。