幸福を招く猫の妖かし 七織。
★七織について★
身長15cmほどのおんなのこ
★素材等★
手足が曲がり自立します。両手に磁石が仕込んであるので、合掌ができます。
メモスタンドなどにも。
素材は粘土/フェイクファー/ビーズ/ワイヤーなどです。
お迎えしてくださった方には
七織の「ちいさなおはなし」をプレゼントいたします♡
---------
★七織のちいさなおはなし★
また私はたどり着いた。
寂れた神社、誰もが遥か昔に見た覚えがあるような不思議な場所である。
鳥居の向こうは時間が止まったように変わらない。
青々とした竹林があるかと思えば、梅が咲いていたり、
柘榴が裂けていたり、手水舎は凍っていたりする。
朱色の剥げた鳥居をくぐって参拝に手を鳴らせば、ふわりと現れるあの子に逢える。
現れた彼女のゆっくり手招きする姿を今日も見ることとなり、その動きが何かを連想させるが思い出せない。
彼女は目を細めて甘えるように口元を緩めて笑った。
華やかな柄の入った袖を揺らし、ゆるやかに舞う彼女は何者だろう。
無邪気に笑う姿と甘酸っぱい梅の香り、カラコロ鳴る下駄の音は確かに心地よく感じるのに、
触れたりしようものなら、何か障りがあるのではと思うほど張りつめた空気もそこにあった。
彼女が思わせぶりに細めた若草色の瞳で私を見る時、射抜かれたように胸は一度動きを止めて、体中の血が冷えて全身をめぐる。
耳は塞いだように籠って、やがて深い眠りに落ちるように瞳は閉じて…
私の周りをゆっくりと鈴が鳴って回る。
体にまとわりつく温かですべすべした何かがふくらはぎに絡んで、ごろごろと心地よさげに鳴った。
ざらざらした濡れた何かが頬を撫で上げた後、体に重みのずっしりとした感覚が再び取り戻された。
気付くとそこは鳥居の外であった。
いつの間にか陽は西に傾き、夕焼けに染まった空に黒い影を落とすカラスが飛んだ。
決まって何か大きな幸運が訪れる直前、なぜかそこにたどり着く。
そこが都会だろうが野山だろうが関係なくまるで迷い込んだように。
鳥居から伸びた石畳の階段を下りきると、そこは見慣れた散歩道であった。
振り返る時にはもう、闇に包まれた街が背後に伸びるばかりで階段などは見当たらないのだ。
路地の向こうで、白い猫が瞳を光らせてナァオと鳴いた。
幸福を招く猫の妖かし 七織。
★七織について★
身長15cmほどのおんなのこ
★素材等★
手足が曲がり自立します。両手に磁石が仕込んであるので、合掌ができます。
メモスタンドなどにも。
素材は粘土/フェイクファー/ビーズ/ワイヤーなどです。
お迎えしてくださった方には
七織の「ちいさなおはなし」をプレゼントいたします♡
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★七織のちいさなおはなし★
また私はたどり着いた。
寂れた神社、誰もが遥か昔に見た覚えがあるような不思議な場所である。
鳥居の向こうは時間が止まったように変わらない。
青々とした竹林があるかと思えば、梅が咲いていたり、
柘榴が裂けていたり、手水舎は凍っていたりする。
朱色の剥げた鳥居をくぐって参拝に手を鳴らせば、ふわりと現れるあの子に逢える。
現れた彼女のゆっくり手招きする姿を今日も見ることとなり、その動きが何かを連想させるが思い出せない。
彼女は目を細めて甘えるように口元を緩めて笑った。
華やかな柄の入った袖を揺らし、ゆるやかに舞う彼女は何者だろう。
無邪気に笑う姿と甘酸っぱい梅の香り、カラコロ鳴る下駄の音は確かに心地よく感じるのに、
触れたりしようものなら、何か障りがあるのではと思うほど張りつめた空気もそこにあった。
彼女が思わせぶりに細めた若草色の瞳で私を見る時、射抜かれたように胸は一度動きを止めて、体中の血が冷えて全身をめぐる。
耳は塞いだように籠って、やがて深い眠りに落ちるように瞳は閉じて…
私の周りをゆっくりと鈴が鳴って回る。
体にまとわりつく温かですべすべした何かがふくらはぎに絡んで、ごろごろと心地よさげに鳴った。
ざらざらした濡れた何かが頬を撫で上げた後、体に重みのずっしりとした感覚が再び取り戻された。
気付くとそこは鳥居の外であった。
いつの間にか陽は西に傾き、夕焼けに染まった空に黒い影を落とすカラスが飛んだ。
決まって何か大きな幸運が訪れる直前、なぜかそこにたどり着く。
そこが都会だろうが野山だろうが関係なくまるで迷い込んだように。
鳥居から伸びた石畳の階段を下りきると、そこは見慣れた散歩道であった。
振り返る時にはもう、闇に包まれた街が背後に伸びるばかりで階段などは見当たらないのだ。
路地の向こうで、白い猫が瞳を光らせてナァオと鳴いた。