水はもう夜になっている。 ふたりの鯉は、言葉もなく円を描く。 月に似た光の輪は、境界なのか、入口なのか。 赤の鯉は、記憶を潜らせる。 橙の鯉は、気配に触れる。 背景のうねりは、静けさの音譜となり、 ふたりを包む。 これは泳ぐ絵ではない。 沈黙を語る構図である。
水はもう夜になっている。 ふたりの鯉は、言葉もなく円を描く。 月に似た光の輪は、境界なのか、入口なのか。 赤の鯉は、記憶を潜らせる。 橙の鯉は、気配に触れる。 背景のうねりは、静けさの音譜となり、 ふたりを包む。 これは泳ぐ絵ではない。 沈黙を語る構図である。