満開の桜に吉祥の椿を隠す、ひそやかな遊びを愉しむ灰緑色のブラウス

しっかりとした肉厚の平絹。 彩り豊かな友禅染め。 繊細なモチーフに、凝った意匠がちりばめられた小紋着尺です。 その昔。 着物には、季節によってドレスコードのようなものがありました。 桜の文様は、節分から桜の咲き始めまで、などと然るべき本には記されています。 洋服と違って、着物は男女も長幼も基本は同じ形。 だから決め事を細かくして、染めや織り、お色や文様を愉しむ、という独特の文化が生まれたのでしょうか。 もしかして、この小紋をデザインした方は、花ざかりの桜の中にデフォルメした椿を忍ばせ、一年中お召しになって構わないのですよ、というやさしいメッセージを込めたのかもしれません。 シックで華やか。 灰緑色とは「自然のエネルギーを表す緑色に、灰色が加わると穏やかになる」とあります（和の色辞典）。 叩き染めにグラデーションを取り入れて、桜の花の色をいくつも描き分け、オーセンティックで端正な意匠をもたらしました。 静かな妖艶をフェミニンにまとって、軽やかに集いをお楽しみくださいますように。 お洗濯はお水で。おしゃれ着専用洗剤をお勧めします。ドラム式洗濯機でしたら、洗濯用ネットに入れて緩やかな水流で洗っていただければ、手洗いにこだわる必要はありません。洗濯後は速やかに陰干し。アイロンも高温で構いません。衣桁という着物専用のハンガーをお使いになると、干すときや収納に便利です。和装販売店でお求めいただければ幸いです。