フィンランドを代表する20世紀モダンの巨匠ビルガー・カイピアイネンが1950年代にデザインした巨大なアートプレートです。カイピアイネンはフィンランドのARABIA社のデザイナーとして知られていますが、スウェーデンのロールストランドにも1954年から1958年まで在籍をしていました。こちらの限定プレートはその4年の間にデザインされたものです。
カイピアイネンの作品といえば名作『パラティッシ』が良く知られていますが、パラティッシは1969年にデザインされたものです。キリスト教的な世界観の楽園を描いたものですが、実はパラティッシ登場の10年以上前から神話的なモチーフを追求していました。こちらのプレートはまさにカイピアイネンの創作の原点が感じられる逸品です。
ロールストランドでの在籍中にカイピアイネンは彼独自のスタイルと技術を大きく発展させたと言われています。ロールストランドでは一般的な産業陶磁器の生産とは一線を画す、芸術的なセラミック作品の制作に取り組みました。この時期に彼が開発した特徴的なスタイルは生涯のキャリアを通じて続くテーマとなり、後の作品に大きな影響を与えました。
ロールストランドでのカイピアイネンの仕事は「芸術と工業デザインの間の境界を曖昧にすること」でした。プレートは芸術作品でありながら日常的な什器でもあり、使うことにも眺めることにも喜びが生まれるという北欧食器特有の使い方の確立に貢献したのです。カイピアイネンは特に釉薬と色彩の実験により、非常に個性的な表現を追求したことで知られています。
このスウェーデンでの経験は、カイピアイネンがその後フィンランドに戻ってからも、創作活動に大きな影響を与えました。ロールストランド時代の実験と成果はフィンランドでの創作活動でも継続し、代表的な作品群を生み出す基盤となりました。ビルガー・カイピアイネンのロールストランドでの経歴は、北欧セラミックデザインの歴史において重要な位置を占めています。
カイピアイネンのデザインはシュールレアリスムの影響を大きく受けています。名作パラティッシも神話上の楽園をモチーフとしており、描かれた草花や果実はすべて想像上のものです。こちらのアートプレートも同様で、モチーフとなった具体的な果実や植物が存在するわけではなく彼のイマジネーションに基づいたものとなります。知恵の実である楽園のりんごと、それらを覆う草むらのような風景が幾何学的に描かれています。
カイピアイネンのアートプレートは数が少なくなっており、なかなかヴィンテージ市場でも見かけなくなりました。北欧デザインが独自の世界観を確立した時代は「ミッドセンチュリー」と呼ばれますが、それは主として1950〜70年代のことです。1980年代に入ると手間暇がかかるそれまでのコスト高な製法は嫌われ、経済不況も相まり技術的衰退の時期を迎えます。80年代にはカイピアイネンを筆頭とする著名なデザイナーも死去し、後進も続くことはなく北欧モダンの世界には冬の時代が訪れました。
ミッドセンチュリーのヴィンテージ品はたとえ同一作品であっても色ツヤや釉薬の深みが一点毎に微妙に異なります。誤差があったり貫入があるのが当たり前ですが、一方で色彩は抜群に優れており手仕事の良さが伝わってきます。そのためカイピアイネンのアート作品は今日では再現不可能であり、21世紀の現在にあって永遠に手に入らない栄光の時代の作品といえます。これはカイピアイネンが自ら監修した500点の作品の一枚です。ゆくゆくは資産的な価値を持つものです。この機会にぜひご覧ください。
■詳細
メーカー:Rörstrand / ロールストランド
デザイナー:Birger Kaipiainen / ビルガー・カイピアイネン
年代:1950年代
生産国:スウェーデン
コンディション:
プレートの右上の縁にわずかにペイントロスが見られます。またプレート表面の右上と左上の立ち上がりの部分に光に透かすとわずかに貫入が見られます。貫入とは製造工程の焼成時に釉薬面に走るヒビで使用上のキズや本体そのもののダメージではありません。いずれもメーカーの製造段階によって生じたもので検品を通過したものとなります。
全体的には色味がよく、割れや欠けのない状態の良い極美品です。シリアルナンバーはコレクションされる方への配慮として伏せてあります。ナンバーをお尋ねの場合はお問い合せください。
フィンランドを代表する20世紀モダンの巨匠ビルガー・カイピアイネンが1950年代にデザインした巨大なアートプレートです。カイピアイネンはフィンランドのARABIA社のデザイナーとして知られていますが、スウェーデンのロールストランドにも1954年から1958年まで在籍をしていました。こちらの限定プレートはその4年の間にデザインされたものです。
カイピアイネンの作品といえば名作『パラティッシ』が良く知られていますが、パラティッシは1969年にデザインされたものです。キリスト教的な世界観の楽園を描いたものですが、実はパラティッシ登場の10年以上前から神話的なモチーフを追求していました。こちらのプレートはまさにカイピアイネンの創作の原点が感じられる逸品です。
ロールストランドでの在籍中にカイピアイネンは彼独自のスタイルと技術を大きく発展させたと言われています。ロールストランドでは一般的な産業陶磁器の生産とは一線を画す、芸術的なセラミック作品の制作に取り組みました。この時期に彼が開発した特徴的なスタイルは生涯のキャリアを通じて続くテーマとなり、後の作品に大きな影響を与えました。
ロールストランドでのカイピアイネンの仕事は「芸術と工業デザインの間の境界を曖昧にすること」でした。プレートは芸術作品でありながら日常的な什器でもあり、使うことにも眺めることにも喜びが生まれるという北欧食器特有の使い方の確立に貢献したのです。カイピアイネンは特に釉薬と色彩の実験により、非常に個性的な表現を追求したことで知られています。
このスウェーデンでの経験は、カイピアイネンがその後フィンランドに戻ってからも、創作活動に大きな影響を与えました。ロールストランド時代の実験と成果はフィンランドでの創作活動でも継続し、代表的な作品群を生み出す基盤となりました。ビルガー・カイピアイネンのロールストランドでの経歴は、北欧セラミックデザインの歴史において重要な位置を占めています。
カイピアイネンのデザインはシュールレアリスムの影響を大きく受けています。名作パラティッシも神話上の楽園をモチーフとしており、描かれた草花や果実はすべて想像上のものです。こちらのアートプレートも同様で、モチーフとなった具体的な果実や植物が存在するわけではなく彼のイマジネーションに基づいたものとなります。知恵の実である楽園のりんごと、それらを覆う草むらのような風景が幾何学的に描かれています。
カイピアイネンのアートプレートは数が少なくなっており、なかなかヴィンテージ市場でも見かけなくなりました。北欧デザインが独自の世界観を確立した時代は「ミッドセンチュリー」と呼ばれますが、それは主として1950〜70年代のことです。1980年代に入ると手間暇がかかるそれまでのコスト高な製法は嫌われ、経済不況も相まり技術的衰退の時期を迎えます。80年代にはカイピアイネンを筆頭とする著名なデザイナーも死去し、後進も続くことはなく北欧モダンの世界には冬の時代が訪れました。
ミッドセンチュリーのヴィンテージ品はたとえ同一作品であっても色ツヤや釉薬の深みが一点毎に微妙に異なります。誤差があったり貫入があるのが当たり前ですが、一方で色彩は抜群に優れており手仕事の良さが伝わってきます。そのためカイピアイネンのアート作品は今日では再現不可能であり、21世紀の現在にあって永遠に手に入らない栄光の時代の作品といえます。これはカイピアイネンが自ら監修した500点の作品の一枚です。ゆくゆくは資産的な価値を持つものです。この機会にぜひご覧ください。
■詳細
メーカー:Rörstrand / ロールストランド
デザイナー:Birger Kaipiainen / ビルガー・カイピアイネン
年代:1950年代
生産国:スウェーデン
コンディション:
プレートの右上の縁にわずかにペイントロスが見られます。またプレート表面の右上と左上の立ち上がりの部分に光に透かすとわずかに貫入が見られます。貫入とは製造工程の焼成時に釉薬面に走るヒビで使用上のキズや本体そのもののダメージではありません。いずれもメーカーの製造段階によって生じたもので検品を通過したものとなります。
全体的には色味がよく、割れや欠けのない状態の良い極美品です。シリアルナンバーはコレクションされる方への配慮として伏せてあります。ナンバーをお尋ねの場合はお問い合せください。