紺色に三分開きの扇が入り乱れるビビッドな和着

藍色または紺色を基調にした着物って、なんとなく落ち着いた雰囲気を漂わせて、と思いがち。 でも、昭和の元気な染め職人さんは、渋い地色の上に鮮やかな色遣いの意匠を爆発させています。 戦争が終わって３０年余り、技術が驚くほど向上し、上質な縮緬がたくさん生産されるようになって、着物に携わる多くの職人は、素晴らしい着尺を世に出し続ければ、暮らしは思いがけないほど豊かになっていくと信じた、からこそ、こんなリズミカルでデフォルメされた華やかな扇を描き、難しい工程を捌きつつ、染め上げることができたに違いありません。 扇に、しかも開いた扇子ではなく、花筏？色紙？と見まがうようなスカイブルーに広がる四季の花々のモチーフ。 幸せな時代を象徴しているように思えます。 幸せをまとっていただきたい、この世にたった一枚の和着です。 お洗濯はお水で。おしゃれ着専用の洗剤をお使いになるときれいに仕上がります。ドラム式の洗濯機でしたら、洗濯ネットに入れてやさしい水流で洗ってください。色落ちはございますが、かえって鮮やかさが増すくらいです。洗濯後は速やかに陰干し。アイロンは高温で構いません。衣桁（いこう）という着物専用のハンガーをお使いになると、干す折りや収納に型崩れの心配がなく便利です。呉服屋さんなどでお求めいただいて、長くお召しいただきますよう。