少年の過ち　(少年の日の思い出より）

⚫︎モチーフの蛾について 蛾のモチーフは「クジャクヤママユ」という蛾です。 皆さんはこの蛾がほぼ主役と言っていいような小説をご存知でしょうか？ ヘルマン・ヘッセ著「少年の日の思い出」 もしかしたら最近の国語の教科書にも載っているかもしれませんね。 この「少年の日の思い出」という短編小説は、主人公である「僕」がお金持ちの家に生まれた少年「エーミール」との関わりの中で「昆虫収集、標本集め」をキーワードに物語が展開していくのですが、ある日「僕」はエーミールが手に入れた珍しい蛾の標本を見たさにエーミールの自宅へとあげてもらい、見るだけのはずがそっと盗み出してしまいます。 ポケットに入れたクジャクヤママユはご想像の通り粉々になってしまい、みるも無残な状況。 「僕」が盗んでしまったことをエーミールに謝るとエーミールは怒り狂うことも、暴言を吐くこともしませんでした。ただ静かに「そうかそうか、つまり君はそういう奴なんだな」と吐き捨てたのです。 この「僕」の少年時代の苦い思い出を綴った小説を元に今回の作品を製作いたしました。 台紙も小説の中から抜き出した実際の描写やセリフを配置した完全オリジナルの台紙となっておりますので、そちらもお楽しみいただけましたらと思います。 ※ 本編の内容はかなり端折っておりますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。 ⚫︎どんな気持ちで作ったか ポッケの中でボロボロになってしまったクジャクヤママユは「僕」にとって、ただのボロボロになった蛾ではありません。このクジャクヤママユはエーミールのものであり、「僕」は盗みを犯した上にボロボロにしてしまったという罪悪感の塊でもあるのです。 そんな雰囲気を壊さないように製作しました。 ※ 実際にポッケの中に入れればもっと粉々にはなっているかとは思いましたが、ある程度クジャクヤママユとわかる模様やディテールを残すのと、アクセサリーとして使うことを考慮し、この形に留まりました。 ⚫︎つけた感じ 翅がボロボロになっている雰囲気を出すためにかけている部分は多少の鋭利さがございます。 ニットに引っ掛けたり、肌を傷つける可能性がありますので、お取り扱いにはご注意くださいませ。 つけた感じは軽く、負担にはなりません。 お好きな場所につけて楽しんでいただけましたらと思います。 ⚫︎モチーフのサイズ(いずれも約) 縦：2 cm　　横：4 cm ※ お写真に２匹のクジャクヤママユが写っているものがございますが、お届けできるのは１匹分ですのでご注意ください。