「妖精たちの光の雫」泉の妖精ロッホ　イヤリング

【作品誕生ストーリー】 だいぶ日が長くなってきた春の夕方、 彼女は仕事の帰り道に いつも通る道とは違う道をなんとなく歩いていた。 毎日仕事が忙しく 家と会社の往復をするだけのような生活を送っていた。 家に帰ってからも疲れ切っているせいで 最低限の家事を済ませたら 倒れるように眠りにつく。 「こんな生活いつまで続くの？」 「私の人生、こんなもんか」 そんなことを思いながら過ごしていた。 「今日も疲れたなぁ」 「なんでこんなに残業ばっかなの」 と今日も独り言を言いながら歩いていると 右側に木がたくさん生えている森が見えてきた。 「あれ、こんなところに 森なんてあったっけ？」 と彼女は思いながら森を眺めていた。 すると彼女はまるで何かに 引き寄せられるかのように 森の中へと歩みを進めていた。 針葉樹が生い茂り 足元は青々した苔の生える森の中を しばらく歩いていると 泉が見えてきた。 泉の水は底に転がる石が はっきり見えるほど透き通っていた。 「きれい…」 と彼女は思わず口にして泉を覗き込んだ。 彼女が覗き込んだ瞬間、 ぽたん、という音とともに 水面に波紋が広がった。 「雨でも降ってきたかな」と思い 彼女が空を見ようと 顔を上げると 泉の水面の上何か光るものが浮いていた。 「何だろう？」と 彼女が目を凝らしてよく見ると その光るものは人の形をしていた。 でも大きさは手に乗りそうなほど小さい。 しかも金色に光る羽のようなものが生えている。 「私はロッホ。この泉に住む妖精よ」 と人のようなものがしゃべった。 「妖精？私、幻覚が見えるほど疲れてるのかな」 と彼女は目の前の光景がまだ信じられなかった。 するとロッホとなのった妖精が 彼女に近づいてきて 「私は幻覚じゃないよ」と言った。 そして 「あなたが私を必要としていたから私が見えるのよ」 と言うとロッホは彼女の頬に手を当てた。 ロッホに手を触れられた瞬間、 彼女は暖かい日の光に包まれているような感覚になった。 とても穏やかな気持ちになり 仕事で感じていたモヤモヤがなくなっていったのだ。 「あれ、なんか疲れが軽くなった」 「また明日も頑張れそう」 「これはあなたの力なの？」 と彼女はロッホに聞いた。 「そうだよ、たまには休んで リラックスするのも大事だよ」 とロッホは言った。 彼女は 「確かに時には休まないと体が保たないよね」 「ありがとうロッホ、 あなたのおかげで気持ちが楽になったわ」 と言った。 ロッホは 「また疲れてどんよりしたら これを見て私のことを思い出して」 と彼女にあるものを渡した。 それは青緑に光る綺麗な石だった。 「ありがとう」と 彼女が顔を上げた瞬間、石が光り 彼女はいつの間にか森の外の道にいた。 「あれ、私森にいたはずじゃ… まさかここで寝てた！？」 と思ったが手にはロッホからもらった石があった。 石を握るとロッホに触れられた時の 暖かい日の光に包まれている感覚が蘇った。 「やっぱり夢じゃない」 「ありがとうロッホ」 と彼女はつぶやくといつもより 穏やかな気持ちで家に帰った。 ーーーーーーーー 手に取った人が癒されますようにと願いを込めて作りました。 ーーーーーーーー ・サイズ 全長約2cm 鉱石部分約1cm ・素材 鉱石部分：レジン、ワイヤー(銅線にポリウレタン加工を施したもの)