サファイアの夜Ring

melancholy 風が煌めいた。花々は舞い踊った。誰もが憶い出す戀の季節、春。だがそれは春の憂鬱な嵐に飲み込まれた。 まだ冷たい屍のような春の、嵐の中に日差しが差す。 俺は言葉にする事すら叶わない。春の嵐。ただ傍らに咲く鬱金香を愛でた。 手に届く事の無い春と言う季節。 そこにいるのは看取りの天使と、憂鬱と、快楽。 俺の恋は暗い嵐でしか無かった。 見つけたはずの赤い実も腐りゆくように。 お前の閨房にさよならを告げる。 鬱金香の香りと戯れ。 燃える愛も過ぎ去った。俺には最初から許されなかったかもしれない。 この惑星にさよならを告げる。 この宇宙にさよならを告げる。 鬱金香の香りにむせ返り。 春の嵐の夜から朝になり俺は目覚めた。 俺は確かに誰かに憧憬のような恋をしていた。 毒を含む鬱金香の香りが俺を夢の続きへと誘う。 俺の恋は春の嵐でしか無かった。 すべてが煌めきの中に踊り舞う季節の中に置き去りのまま ざわめく天使が鬱金香の香りに腐乱して行く 鬱金香の香り。このmelancholyよ。 だが俺は憧憬を持った恋をしている。まだ美貌の知らぬあなたよ。僕を救っておくれ。ああ、そっと抱いて。 この地球にさよならを告げる。 この宇宙にさよならを告げる。 鬱金香の香りに沈み込め。 春の嵐が去り風が煌めき、花は踊り狂い、誰もが薄明るい夜に恋を祈った。 鬱金香の毒を致死量に抱きとめ。 そこにいるのは看取りの天使と、憂鬱と、快楽。 そして鬱金香の香りにはためく蝶と俺の髑髏。 さようなら地球。 さようなら宇宙。 俺は只秘めた恋に夢を続かせる。何処までも。 ………………………………………………………………………………………… 彼女は慎み深い悲愴を破り堰を切ったように絵を描く。その血を込めたインクの筆致。葬られるもの達と生み出されてるもの。どちらも産声のように叫んでいる。一瞬だけの愛を。一瞬だけの夢を。 そんな貴女に捧げる。この早春譜を。

profile profile。その髑髏は何故そこにいる。 沈黙を守りただ献じるように蝶をはためかせて。 百合の花に吐息だけでなく血も肉も喪う。 そこに鳴り響くのはFINALOの響き。 それは俺の頭蓋に弔鐘の、一斉に散り舞う、狂い咲く花々を捧げる。 Ikarosさんの絵を見ると詩が思い浮かべます。詩的霊感を与えてくれると言うか。 このprofileの絵はまさにそれでした。 沈黙を守る髑髏。百合の花。蝶。 そのすべてが愛おしい。 僕は電子書籍を出版しているのだけど、もし、詩集を出すならその装画をIkarosさんに描いて欲しい。 そして僕は長く展示のオーガナイザーとして活動していたのだけどもっと評価されていい画家だと思いました。 WALTZの絵を見てくれる事を望む。