マスクにまつわる狂騒もだいぶ落ち着いて、結局のところ不織布マスクがいちばんいいのだ、という結論に世の中が達しました。
2020年の秋くらいまではまだ供給も追いつかず、別の素材のマスクに頼らざるを得なかったわけですが、今ではすっかり生産が安定したようで、かつてとほぼ同様の、1枚が10円を切るような値段で再び売られるようになっています。布製やウレタン製のマスクと較べて、不織布製がやっぱり最も飛散が抑えられるというのは、コンピュータによるシミュレーションで明らかになってしまっていて、去年あれだけもてはやされた手作りマスクの立ち位置は、きわめて危うい情勢です。
そんな中で、手作りマスク派にとって唯一の光明といえば、布製マスクは不織布マスクほどではないけれど、ウレタン製はそれよりもっとひどい、ということが明らかになったことです。不織布マスクが機能的には優れているのは仕方ないとして、しかし安くなったとはいえ使い捨てのそれを、さほど長時間の外出でもない場面でも必ず使うという人はそこまでいなくて、なにぶん大抵の人類は去年、不織布以外の素材のマスクをなんかしらの手段で手に入れているはずなので、そういうときはそういう繰り返し使えるものを着けることが多いと思います。布製とウレタン製は、そんな場面のパイを奪い合う関係だったわけですが、この発表によってウレタン製は一気に信用を失いました。これはとても喜ばしいことです。私はもともと、効果うんぬんは別として、ウレタン製のマスクが嫌いだったからです。そもそもプリーツ式ではない立体の形が好みではないのですが、それに加えてウレタン製のあれというのは、耳用の穴を開けて裁断した楕円状のもの2枚の、端を溶かしてくっつけただけで出来上がっていて、どう考えても簡単に作れすぎであると思います。あれこそ1枚10円を切ってもおかしくないのではないかという気がするのですが、なぜか値段は布製マスク側に寄せていて、1枚数百円とかしていて、そんなんでいいのか、なにかおかしくないか、とこれまで忸怩たる思いを抱いていたところ、このたび正式にダメなのだということが白日の下に晒され、一気に溜飲が下がる思いがしました。
そしてウレタン製がダメという実験結果は、本当に実在するのかどうか知りませんけど、「不織布マスク警察」という存在を生み出したといわれます。不織布マスク以外のマスクを着けている人間を排斥する陣営だそうです。それはウレタン製マスクを着けている人のことは、ちょっとくらい忌避しても仕方ないと思いますけれど、その取り締まりの範疇に、そこまで実験結果が悪かったわけでもない(不織布よりはいくらか劣るのだろうという、大方の予想通りの結果だった)布製マスクまでをも含めるのは、完全にとばっちりではないかと思います。
そんな混沌とした社会状況の中、じゃあ布製マスクはどのようなスタイルで生き残っていくべきかと考えた結果、今回、ぱっと見では不織布マスクにしか見えない布マスクを考案し、製作した次第です。安心してください、これで警察の目をかいくぐって暮らしていけますよ。
マスクにまつわる狂騒もだいぶ落ち着いて、結局のところ不織布マスクがいちばんいいのだ、という結論に世の中が達しました。
2020年の秋くらいまではまだ供給も追いつかず、別の素材のマスクに頼らざるを得なかったわけですが、今ではすっかり生産が安定したようで、かつてとほぼ同様の、1枚が10円を切るような値段で再び売られるようになっています。布製やウレタン製のマスクと較べて、不織布製がやっぱり最も飛散が抑えられるというのは、コンピュータによるシミュレーションで明らかになってしまっていて、去年あれだけもてはやされた手作りマスクの立ち位置は、きわめて危うい情勢です。
そんな中で、手作りマスク派にとって唯一の光明といえば、布製マスクは不織布マスクほどではないけれど、ウレタン製はそれよりもっとひどい、ということが明らかになったことです。不織布マスクが機能的には優れているのは仕方ないとして、しかし安くなったとはいえ使い捨てのそれを、さほど長時間の外出でもない場面でも必ず使うという人はそこまでいなくて、なにぶん大抵の人類は去年、不織布以外の素材のマスクをなんかしらの手段で手に入れているはずなので、そういうときはそういう繰り返し使えるものを着けることが多いと思います。布製とウレタン製は、そんな場面のパイを奪い合う関係だったわけですが、この発表によってウレタン製は一気に信用を失いました。これはとても喜ばしいことです。私はもともと、効果うんぬんは別として、ウレタン製のマスクが嫌いだったからです。そもそもプリーツ式ではない立体の形が好みではないのですが、それに加えてウレタン製のあれというのは、耳用の穴を開けて裁断した楕円状のもの2枚の、端を溶かしてくっつけただけで出来上がっていて、どう考えても簡単に作れすぎであると思います。あれこそ1枚10円を切ってもおかしくないのではないかという気がするのですが、なぜか値段は布製マスク側に寄せていて、1枚数百円とかしていて、そんなんでいいのか、なにかおかしくないか、とこれまで忸怩たる思いを抱いていたところ、このたび正式にダメなのだということが白日の下に晒され、一気に溜飲が下がる思いがしました。
そしてウレタン製がダメという実験結果は、本当に実在するのかどうか知りませんけど、「不織布マスク警察」という存在を生み出したといわれます。不織布マスク以外のマスクを着けている人間を排斥する陣営だそうです。それはウレタン製マスクを着けている人のことは、ちょっとくらい忌避しても仕方ないと思いますけれど、その取り締まりの範疇に、そこまで実験結果が悪かったわけでもない(不織布よりはいくらか劣るのだろうという、大方の予想通りの結果だった)布製マスクまでをも含めるのは、完全にとばっちりではないかと思います。
そんな混沌とした社会状況の中、じゃあ布製マスクはどのようなスタイルで生き残っていくべきかと考えた結果、今回、ぱっと見では不織布マスクにしか見えない布マスクを考案し、製作した次第です。安心してください、これで警察の目をかいくぐって暮らしていけますよ。