沈没船から見つけた、John Doe(※名もなき彼)。
その指に嵌る指輪――きっと貴方はあの時人魚の私に指輪をくれた彼でしょうね。
貴方を想って流した涙は、いずれ誰かを助ける霊薬になるでしょう。
「今後敢えて貴方を呼ぶとしたら、『絶海の君』と呼ばせて」
眼裏に焼き付く貴方の双眼は、陸地から遠く離れた海のように哀愁が漂っていたから。
もう開くことのない彼の瞼に口づけを。
沈没船から見つけた、John Doe(※名もなき彼)。
その指に嵌る指輪――きっと貴方はあの時人魚の私に指輪をくれた彼でしょうね。
貴方を想って流した涙は、いずれ誰かを助ける霊薬になるでしょう。
「今後敢えて貴方を呼ぶとしたら、『絶海の君』と呼ばせて」
眼裏に焼き付く貴方の双眼は、陸地から遠く離れた海のように哀愁が漂っていたから。
もう開くことのない彼の瞼に口づけを。