その森は今は指の上にいた。
かつてその森は、北の雪山の麓から西の都市近くまでを覆う壮大な森だったが、
人間の利便を生み出す為の大きな箱が出来てから、しだいに森は弱っていった。
草木が息づいた大地は今はもう灰に覆われ、ひとつの新芽も生まれてはこなくなった。
人間がそれに気付いたのは、ほんの一握りの緑を残して森が消えた後だった。
人間は自分たちの行いに大変傷つき、もう戻らない森を嘆いたが、
それでも箱を捨てることは出来なかった。
その後すぐに、全ての緑がその土地から消えた。
人間は森を悼み、墓標のかわりにと皆で集めた金で花飾りを作り立てた。
それからしばらくが経ったある日、花飾りに輝く石が生えてきた。
それは日に日に育ち、大粒の宝石となっては花飾りから外れ、
次の日からまた芽生えては育っていく。
濃淡に輝く宝石は美しく、それらは奇跡の緑として多くの人に買われていった。
宝石が生み出す富は人々を潤し、人間はやがて箱を閉じようと決めた。
箱を閉じた次の日から、人間は大地に積もった灰を払い始めた。
何年も何年もかけて灰を払い続け、今その森は………
金色の台座からこぼれるように芽生える緑たち。
緑に満ちたかつての地に、もう墓標は要らなくなった。
人間は金の墓標を削り、小さな指輪にして家々にひとつずつ受け継ぐことにした。
指の上に小さくまだ生きているその緑の輝き。
何代もの時を経て、その森はいまも、指の上にある。
その森は指の上
硝子 :ドロップ型カット硝子(無色透明)
:チェコ ダガー(緑)
:チェコ 雫(黄緑、蛍)
:フランス製ドロップ(黄緑)
:スワロフスキー ソロバン(濃紺)
天然石 :グリーンガーネット(宝石質)
金属 :ゴールド(メッキ)
接着 :UVレジン
総重量 :4g
リングのサイズ :9号
宝石質のグリーンガーネットを台座のほど近く、クリスタル硝子の足元にひっそり忍ばせてあります。
『芽生える硝子』をコンセプトに作りました。
指輪の台座から生えてくるようなイメージで、色んな色と形の硝子のひとつひとつをみずみずしい植物に例えて据えました。
その森は今は指の上にいた。
かつてその森は、北の雪山の麓から西の都市近くまでを覆う壮大な森だったが、
人間の利便を生み出す為の大きな箱が出来てから、しだいに森は弱っていった。
草木が息づいた大地は今はもう灰に覆われ、ひとつの新芽も生まれてはこなくなった。
人間がそれに気付いたのは、ほんの一握りの緑を残して森が消えた後だった。
人間は自分たちの行いに大変傷つき、もう戻らない森を嘆いたが、
それでも箱を捨てることは出来なかった。
その後すぐに、全ての緑がその土地から消えた。
人間は森を悼み、墓標のかわりにと皆で集めた金で花飾りを作り立てた。
それからしばらくが経ったある日、花飾りに輝く石が生えてきた。
それは日に日に育ち、大粒の宝石となっては花飾りから外れ、
次の日からまた芽生えては育っていく。
濃淡に輝く宝石は美しく、それらは奇跡の緑として多くの人に買われていった。
宝石が生み出す富は人々を潤し、人間はやがて箱を閉じようと決めた。
箱を閉じた次の日から、人間は大地に積もった灰を払い始めた。
何年も何年もかけて灰を払い続け、今その森は………
金色の台座からこぼれるように芽生える緑たち。
緑に満ちたかつての地に、もう墓標は要らなくなった。
人間は金の墓標を削り、小さな指輪にして家々にひとつずつ受け継ぐことにした。
指の上に小さくまだ生きているその緑の輝き。
何代もの時を経て、その森はいまも、指の上にある。
その森は指の上
硝子 :ドロップ型カット硝子(無色透明)
:チェコ ダガー(緑)
:チェコ 雫(黄緑、蛍)
:フランス製ドロップ(黄緑)
:スワロフスキー ソロバン(濃紺)
天然石 :グリーンガーネット(宝石質)
金属 :ゴールド(メッキ)
接着 :UVレジン
総重量 :4g
リングのサイズ :9号
宝石質のグリーンガーネットを台座のほど近く、クリスタル硝子の足元にひっそり忍ばせてあります。
『芽生える硝子』をコンセプトに作りました。
指輪の台座から生えてくるようなイメージで、色んな色と形の硝子のひとつひとつをみずみずしい植物に例えて据えました。