28ページ、A5サイズの絵本冊子です。
両面からそれぞれの物語が始まり、真ん中のページでひとつになります。
Cupを読んだら裏返して次にPartyを読むイメージ。
↓以下は本文です↓
Cup
暑い暑い砂漠の真ん中にオアシスの街がありました。
この街にはたくさんの井戸があって、人々はいつでもその水を飲んで喉を潤すことができます。
人々はどこ行くにも水を汲むための自分のコップを携えていくのでした。
この街に一人の旅人がたどりつきました。
暑い砂漠を何日も旅してきたので、喉はカラカラ。
目の前に井戸がありますが、でもコップを持っていませんでした。
一人の男が井戸に水を汲みにきました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は水を汲む男に尋ねました。
男は裕福そうな身なりで、コップは黄金色に輝いていました。
「私のコップは代々受け継いできた家宝だ。他人に貸すことはできないのだ。」
男はそう言って立ち去りました。
旅人は残念に男を見送りました。
一人の女が井戸に水を汲みにきました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は水を汲む女に尋ねました。
女は怪訝な顔で旅人を見ると、輝く銀色のコップをさっと隠しました。
「申し訳ないけれど、今忙しいの。他を当たってください」
女はそう言うとすぐさま立ち去りました。
旅人は残念に女を見送りました。
一人の老人が井戸に水を汲みにきました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は水を汲む老人に尋ねました。
老人はみすぼらしく、銅のコップはいびつで錆が浮いているようでした。
「私のコップは他人に貸せるような代物ではありません。」
「私はとても喉が渇いています。どんなものでも構わないのです」
「いえいえ、こんなコップはとてもお貸しできません。」
男はそう言うとゆっくりと立ち去りました。
旅人は残念に老人を見送りました。
一人の少女が通りがかりました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は通りがかりの少女に尋ねました。
「ごめんなさい、お兄ちゃん。コップを家においてきちゃったの」
旅人は残念に少女を見送ろうとしました。
・・・・・続く
28ページ、A5サイズの絵本冊子です。
両面からそれぞれの物語が始まり、真ん中のページでひとつになります。
Cupを読んだら裏返して次にPartyを読むイメージ。
↓以下は本文です↓
Cup
暑い暑い砂漠の真ん中にオアシスの街がありました。
この街にはたくさんの井戸があって、人々はいつでもその水を飲んで喉を潤すことができます。
人々はどこ行くにも水を汲むための自分のコップを携えていくのでした。
この街に一人の旅人がたどりつきました。
暑い砂漠を何日も旅してきたので、喉はカラカラ。
目の前に井戸がありますが、でもコップを持っていませんでした。
一人の男が井戸に水を汲みにきました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は水を汲む男に尋ねました。
男は裕福そうな身なりで、コップは黄金色に輝いていました。
「私のコップは代々受け継いできた家宝だ。他人に貸すことはできないのだ。」
男はそう言って立ち去りました。
旅人は残念に男を見送りました。
一人の女が井戸に水を汲みにきました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は水を汲む女に尋ねました。
女は怪訝な顔で旅人を見ると、輝く銀色のコップをさっと隠しました。
「申し訳ないけれど、今忙しいの。他を当たってください」
女はそう言うとすぐさま立ち去りました。
旅人は残念に女を見送りました。
一人の老人が井戸に水を汲みにきました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は水を汲む老人に尋ねました。
老人はみすぼらしく、銅のコップはいびつで錆が浮いているようでした。
「私のコップは他人に貸せるような代物ではありません。」
「私はとても喉が渇いています。どんなものでも構わないのです」
「いえいえ、こんなコップはとてもお貸しできません。」
男はそう言うとゆっくりと立ち去りました。
旅人は残念に老人を見送りました。
一人の少女が通りがかりました。
「すみません、あなたのコップを私に貸してくれませんか」
旅人は通りがかりの少女に尋ねました。
「ごめんなさい、お兄ちゃん。コップを家においてきちゃったの」
旅人は残念に少女を見送ろうとしました。
・・・・・続く