詩集「それでも私は祈る、傷だらけの腕で」

２００７年１２月１５日に発行される予定だった自費出版で製作した詩集です。 新風舎の破産で「定価の２割で買い取らないと処分する」と言われ、３００冊のうち１００冊を買い取りました。 ２集目も出版する予定で制作費全額支払っておりましたが、それは手付かずのまま支払った多額の製作費は１円も戻ってきませんでした。 詩人になりたくて漫画家をずっと続けておりましたが、描き下ろしの仕事も無い今、その夢を叶えるのは不可能です。当時障害者手帳を片手に駅前で手売りしたりもしておりましたが病状が悪化し限界でした。 定価千円（税別）ですが六百円で販売させていただきます。 全１７篇です。カバーイラストも自作です。 収録作「白いタンポポ」 「こんな所にタンポポが咲いてるよ」 「違うよ。それはタンポポじゃないよ。だって色が白いもん」 「日陰でお日様が当たらないから白いのかな？」 「そうだよ。きっとっそうだよ。陽の当たる所に植え替えてあげなきゃ」 そうして二人の男の子達の手で　栄養失調のタンポポはお日様のよく当たる場所へとお引越ししました 「あれぇ？まだ黄色くなってない。おかしいなぁ」 翌日学校帰りにタンポポの様子を見に来た男の子達は首を傾げました こんなにいいお天気なのにタンポポは相変わらず真っ白です 「でも元気そうだよ」 「そうだね。元気そうだね」 二人は暫くタンポポを眺めて嬉しそうに帰って行きました たとえ他のタンポポと色が違っていても元気ならそれでいいのです 元気なら、それが一番美しいのです 「紅い叫び」 闇が悪魔のような触手を伸ばして 私を捕まえようとするから 私は思わず刃物を振るう 床に飛び散った紅い血 そのまま這いつくばって どこまでも這いつくばって あの人の処まで辿り着いて 私の代わりに 私がまだ血を流し続けていることを あの人に伝えて あの人の体を 私の血で真っ赤に染め尽くして そのためなら 私の命など 　　　なくなっても 　　　　　かまわない