病死した美しい患者 ドーラ。
★素材等★
手足が曲がり自立します。手のひらにマグネットが仕込んであります。
お迎えしてくださった方には
ドーラの「ちいさなおはなし」をプレゼントいたします♡
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★ドーラのちいさなおはなし★
聖なる月の光が満ちる夜は、誰もが影踏みを楽しんで
羽目を外すことが許されています。
こんな美しく特別な夜なのに誰一人外へ繰り出すものはいませんでした。
それというのも物騒な噂が原因で、ばかばかしくも奇病が蔓延しているというのです。
信憑性はさておき、事実、おかしな傷と貧血を患い名医に掛かるも
死亡する人が相次いでいて、今夜もおてんばなドーラは外出禁止でした。
薄靄のかかる町を眺めていたドーラは、月を背にして手招きする姿を見ました。
向かいの家の屋根に腰かけてドーラを優しく影踏みへ誘うので、
遊びたい盛りの彼女は気が付けば窓から外へ抜け出していました。
冷たい瞳の青年は微笑んだ後でドーラをふいに抱き寄せ、
爪で触れたあたたかい肌に目を閉じて首筋に咬みつきました。
冷たく細い牙が彼女を貫きます。
驚いたドーラの抵抗虚しく世界は暗転し、彼女は意識を失ったのです。
慌ただしく白い廊下を担架が駆けます。
ドーラの到着を恐れていたのか青い瞳を見開いて、
町の名医がドーラに輸血を施し必死に声をかけているようです。
ドーラはその青い瞳に夜の出来事を託そうとするも
叶うことはありませんでした。
ドーラは手厚く葬られたその永遠の褥の中で目覚めました。
狭く暗い墓の中で抗いようのない絶望を嘆いていると、
突然棺が開け放たれて覚えのある腕に抱きすくめられました。
現れた冷えた青い瞳の麗人は、まさにあの夜自分を死に誘い、
また白い病室で自分を救おうとした矛盾の名医だったのです。
今宵もまた満月が二人を照らしました。
狂気の瞳は幸か不幸かこの光によって宥められ、
二人は悲しい不完全な魔物であることを悟りました。
驚きに潤む瞳に唇を寄せて、ドーラは朽ちる体の痛みを訴えました。
「お医者様、私を助けて」
か細く絞りだした声に青年が小さく頷いた時から、
つぎはぎだらけの二人の奇妙な愛が始まったのです。
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聖なる月の光が満ちる夜は、誰もが影踏みを楽しんで
羽目を外すことが許されています。
こんな美しく特別な夜なのに誰一人外へ繰り出すものはいませんでした。
それというのも物騒な噂が原因で、ばかばかしくも奇病が蔓延しているというのです。
信憑性はさておき、事実、おかしな傷と貧血を患い名医に掛かるも
死亡する人が相次いでいて、今夜もおてんばなドーラは外出禁止でした。
薄靄のかかる町を眺めていたドーラは、月を背にして手招きする姿を見ました。
向かいの家の屋根に腰かけてドーラを優しく影踏みへ誘うので、
遊びたい盛りの彼女は気が付けば窓から外へ抜け出していました。
冷たい瞳の青年は微笑んだ後でドーラをふいに抱き寄せ、
爪で触れたあたたかい肌に目を閉じて首筋に咬みつきました。
冷たく細い牙が彼女を貫きます。
驚いたドーラの抵抗虚しく世界は暗転し、彼女は意識を失ったのです。
慌ただしく白い廊下を担架が駆けます。
ドーラの到着を恐れていたのか青い瞳を見開いて、
町の名医がドーラに輸血を施し必死に声をかけているようです。
ドーラはその青い瞳に夜の出来事を託そうとするも
叶うことはありませんでした。
ドーラは手厚く葬られたその永遠の褥の中で目覚めました。
狭く暗い墓の中で抗いようのない絶望を嘆いていると、
突然棺が開け放たれて覚えのある腕に抱きすくめられました。
現れた冷えた青い瞳の麗人は、まさにあの夜自分を死に誘い、
また白い病室で自分を救おうとした矛盾の名医だったのです。
今宵もまた満月が二人を照らしました。
狂気の瞳は幸か不幸かこの光によって宥められ、
二人は悲しい不完全な魔物であることを悟りました。
驚きに潤む瞳に唇を寄せて、ドーラは朽ちる体の痛みを訴えました。
「お医者様、私を助けて」
か細く絞りだした声に青年が小さく頷いた時から、
つぎはぎだらけの二人の奇妙な愛が始まったのです。