画像の白いブラウスはとても美しい手縫いのアンティークブラウスです。年代ははっきりしませんが、すべてが手縫いなので、ミシンが普及する以前に作られたとすると、1920~30年代位に作られたブラウスかなと思います。数年前ネットで安かったので購入しました。背中が大きく裂けているのと、脇などに補修の跡があるので格安でした。でも前見ごろだけは奇跡的にほとんど破れもなく、白くて当時の美しいまま残っていたので、前だけ外して新しい生地に付けなおして、着たいと思いました。
とにかく驚いたのが、すべてが手縫いだということなんです。透けるほどごく薄く、張りのある、綿のローン生地に、1ミリ以下の極々細いたくさんのピンタックが入っていますが、目を凝らして見ると、えっ!!すべてが手縫いだ!そして、襟と前部分に施されている白糸の花の繊細な刺繍はホワイトワークと呼ばれるもので、本当にきれいです。そして!前立てや襟周りのレースはウ”ァレンシエンヌレースと呼ばれる、ハンドメイドのレースです。それをまた手縫いで縫い付けてあり、その針目の細かさ、正確さに驚きます。どんな細い糸や針を使っていたんだろう、どうやって縫っていたんだろうか、と聞きたいことがいっぱいです。さらに驚くのが、前立てが比翼仕立てになっていて、中に小さなシェルボタンが7個ついています。もちろんボタンホールも美しく手縫いです。ヒャーです。裏を返すと、玉止めや、縫い目の間隔がずれていたりと、人の手の跡が感じられると、胸がキュンキュンします。凄いというより、すさまじいほどの細かさなんです。フランスでどんな女性がこのブラウスを着ていたのでしょうか。当時は女性の地位はとても低くて、女性の仕事は限られていたそうです。お針子とか縫子さんはきっと安い賃金で縫っていたと思います。縫った方の技術は相当に高くて、私は感動しました。このブラウスを見ていると、いろいろなことを私に語りかけてくるんです。後ろの首元に44号の小さなタグが付いているのですが、ということは、オーダー品ではなく、既製品ということですね。デパートやお店で売られていたのでしょうか。
昔は一枚の服をとても大事に着ていたようです。破れたら繕いを繰り返して、大事にしていた様子がうかがえます。生地の力(りき)が弱くなっているので、後ろは裂けてしまい、袖は取って、ノースリーブになり、つくろってあるのですが、縫い方はひどいです。自分で直したのでしょうね。見えなければオッケイって感じですが、それだけ、大事なお気に入りだったということです。現代人の私でさえ、着たいと思うほど繊細で美しいブラウスです。
2021年2月23日 Maya and Yuri 今村みどり