こんにちは、VOLPE NOTTE店主の綿狐です。
当店で本日アメシストとシトリンを使用した『Lightning:purple スクエアネックレス』と『Lightning:yellow スクエアネックレス』の販売を開始しました。
https://minne.com/items/42962841
https://minne.com/items/43013700
こちらの商品の説明の際、シトリンについて”疑念の石”と紹介させていただきました。
石に詳しい方なら知っていらっしゃる方も多いかと思いますが、石ビギナーの方向けに一体何故シトリンはほとんどニセモノと言われてしまうのかについて綿狐の知識の範囲でお話をさせていただきたいと思います。
ご留意いただきたい点として、綿狐も自身で調べた内容ですのでここでお話する内容が絶対ではありません。また、時流により研究や世の認識の変化があり情報が最新でない可能性もあります。ここで興味を持っていただいた方は是非自分でも一度調べてみることをお勧めいたします。
まず、シトリンという石はクォーツ(石英)の中で鉄分を含み黄色に発色しているものを指しています。
シトリンという名前は商品ラベルのようなもので区分としてはイエロークォーツということになるでしょうか。黄色い水晶を指す際どちらの名前でも間違ってはいません。褐色に近いものをスモーキークォーツと言うかイエロークォーツと言うかは微妙な所でしょうが......
さて、先程黄色い石英をシトリンと呼ぶと言いましたが、よくシトリンに関して言われている話として「市場に出ているシトリンのほとんどは偽物だ」というものがあります。
この一文だけを見ると石屋で見かけるシトリン全てが怪しく見えてきてしまいますよね。この石は偽物だ。という先入観があると綺麗なものも素直に綺麗だと思えなくなってしまいます。
綿狐にも覚えがありますが、そういった悲しい先入観を少しでも無くして純粋な気持ちで石を楽しんで欲しいのでこの噂について一体どういう事なのか出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。
クォーツと言うと皆さんは何が思い浮かぶでしょうか?ローズクォーツ、スモーキークォーツ、ストリベリークォーツ......
色々ありますが先述したようにシトリンもクォーツの一種です。水晶やアメシストも同様にクォーツですね。
これらは全てクォーツ(石英)という一族の中のシトリンさん、ローズクォーツさん、な訳です。
含有する成分が違ったり、その生成過程や環境の違いで色の有無や何色になるかが決まります。
実は自然界でシトリンと呼ばれるイエローのクォーツが出来ることは稀だそうです。
アメシストもシトリンも仕組みとしては似ており、クォーツが自然界で放射線の照射を受け電子バランスが変化した結果、特定の色を吸収し反射しなくなって紫色や黄色に見えるようになっているのですが不思議と産出量としてはアメシストは多くシトリンは少ないのです。
そしてシトリンはなんとアメシストを加熱処理することで人工的に再現することが出来ます。
ここまででお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、これがシトリンの多くは偽物と言われる原因です。
需要に対して供給量の少ないシトリンを、供給量の多いアメシストを加熱処理してシトリンとすることで代用する。
つまり、市場に出ている多くのシトリンはアメシストを加熱処理して黄色く見えるようにしたものなのです。
恐らくですが、自然界では生成過程で十分な加熱を受けなかったものがアメシストになり加熱を受けたものがシトリンになっているのではないかと思います。アメシストを加熱処理する場合400℃以上が必要ですから、放射線の照射量や地熱などの要因を考えてもシトリンがアメシストに比べて少なくなるというのは納得できるような気がします。
では、本当にシトリンは殆どが偽物なのでしょうか?
結論から言いますと、確かに市場にあるシトリンの殆どはアメシストやスモーキークォーツなど手を加えて黄色くすることが出来るものを加工して作られたもので間違いないでしょう。
採掘した時点で”シトリン”というものも存在するのですが、当然希少なので価格が高い傾向があります。
なので比較的安価な時点で加熱されたものであることはほぼ確定します。
これを偽物とするならば確かにシトリンの殆どは偽物ということになります。
しかし待っていただきたい。宝石界では実は熱処理というのはよく使われている手法です。
色味を良くするためにルビーを加熱したりするように、石の見た目を整える為に熱処理がされることはよくある事なのです。
加熱したルビーは天然のルビーではないのか?と言われたら恐らく答えは「天然ルビー(過熱処理)です」となります。
ということはシトリンも過熱処理をすることで天然のものが人工のものになった訳ではないということになりますね。
市場のシトリンをどう評価するかと言われたら店主であれば「シトリン(加熱処理)」と言うと思います。
天然シトリンでないのは明らかだが、シトリンと呼ばれるイエローのクォーツであるならばシトリン(加熱処理)で、天然石であることは間違いないのですから。
店頭などでシトリンとだけ銘打っているものは天然シトリンとは言っていないので偽物と言う訳ではない、というのが店主の結論です。
あくまでこの辺りは個人の捉え方もありますので何が何でもシトリンは採掘時から一切手を加えていない黄色いクォーツだけに付けられるべき名前だ!という層が居てもおかしくはありませんがVOLPE NOTTEの店主はこう考えている、という風に捉えていただければと思います。
そしてこれをお読みになっている方々はシトリンの殆どは偽物だ!という言説は恐らく熱処理などを許さない一部層が発端となって流布されたものなのではないかということを心に留めて是非当店に限らずお店に並ぶシトリンたちを素直に綺麗だなと思って眺めていただければ嬉しいです。
では今回はこの辺りでおしまいとさせていただきます。
蛇足:店主はシトリンの事を知ってアメシストとシトリンの関係性にセット感を見出しました。なんだか裏と表みたいで良いですよね。