毎週火曜更新:制作風景or日常エッセイ
『エアープランツと古材』
8月頭に、蚤の市でエアープランツを買った。
その店はテントの軒先に大きなエアープランツをいくつも吊り下げていた。テレビの広告では小さな球根のような物しか見たことがなかったが、そのお店はひと抱えほどのサイズで、小さな花さえ付けていた。
白亜紀の時代、恐竜がおやつにしていたような、鮮やかで瑞々しい葉っぱ。こういう植物には目がない。
とはいえ、蚤の市なので既に手持ちがなく、手のひらに乗るほどのエアープランツを2つほど買った。
紫金色の葉っぱを広げた物と、薄緑色のふさふさした物。
「これは小さいですが、来年には花を咲かせますよ」
店主がそう話した薄緑は、軒先にふんわりと吊られ、小指の爪ほどの赤い花をいくつも幾つも咲かせていた。
そのままポンと置いてもいいが、流木に着生させた物の方が目で楽しめる。
流木はないが、うちには古材が山ほどある。
家に戻って、木の皮を剥がしたような板に(記憶が定かではないが、山の中で拾ったのかもしれない)蜜蝋をかける。
塗料だとプランツを痛めてしまうかもしれないが、蜜蝋なら大丈夫だろう。それでも念の為、根元には塗らずにおいた。
クリーム色のミルクペイントで、紋様を描く。
深みのある木に白の模様は意外にすっきり見せられる。
上部に穴を開け、仕事場の柱に吊るすと様になった。
…ところが、何日か置いておくとプランツがぐんぐん大きくなっていく。
そこまで大きくならない品種と聞いたのに、2週間経って1〜2cmほど伸びている。
流石に年中この伸び方はしないだろうが、ちょうど良いサイズで作ってしまうと大きくなってバランスが崩れるというわけだ。
戦々恐々としながらも、大きく育ってほしいと親心が芽生えていた。